喘息の赤ちゃん

赤ちゃんの咳は風邪だけじゃない!乳児喘息(ぜんそく)の見分け方と対策




赤ちゃんが風邪を引くとコンコン咳込みます。この原因は感染によって、のどが刺激されて咳がコンコンと出ることを言います。診察しなければ分かりませんが、単なる風邪の場合、咳止めを飲んで対処しますが、コンコンという咳とともに胸に耳を当ててみるとゼーゼー、ヒューヒューというという喘鳴が聞こえているようなら乳児ぜんそくの発作と考えられます。

ここでは、乳児喘息について、見分け方から、お家でできる対策、治療法について詳しくご紹介していきます。アレルギー体質かもと思われるお子様がいる方は、しっかりと読んで対策をしてあげましょう。

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乳児喘息(ぜんそく)とは?

乳児ぜんそくとは、2歳未満の赤ちゃんのぜんそくを指します。生後6ヶ月頃から乳児ぜんそくを発病する赤ちゃんが出てきます。

最近の傾向としてはぜんそくを発症する年齢がどんどん低年齢化していることで、男女別に見ると、女児より男児の方がぜんそくの発病が多いという傾向があります。乳児の場合、風邪を伴ってゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴があるので、喘息が原因でおこる呼吸困難であるにも関わらず、小児科においても気管支炎と診断されることもしばしばあります。

赤ちゃんが一度ゼーゼーしただけでは乳児ぜんそくと診断にならないのは、乳児ぜんそくに似た症状の色々な病気があるからです。もう少し赤ちゃんが大きくなって生後9ヶ月ほどになると乳児喘息のはっきりした症状出て診断が付きやすくなりますが、決して放置して良いというわけではありませんので、必ず専門の医療機関を受診しましょう。

乳児ぜんそくの早期発見は治療のためにも重要です。

喘息(ぜんそく)と似た病気

よく喉の風邪といわれる呼吸器感染症の場合も、喘鳴があり、ぜんそくと似た症状があらわれます。他にも急性咽頭炎、気管支炎、毛細気管支炎、急性肺炎などがあります。アレルギー性副鼻腔炎、胃食道逆流現象、気道に異物が入った場合、えん下協調障害などもよく似た症状があります。

風邪からも喘息(ぜんそく)になるの?

風邪のRSウィルスがぜんそくを引き起こすというデータもありますので、風邪を甘く見てはいけません。特に家族にアレルギー体質の人がいると、風邪が原因でぜんそくになる確率は増えます。

乳児喘息(ぜんそく)の診断

乳児ぜんそくの診断としては、2歳未満のお子さんが、息を吐いている時にゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴を3回以上繰り返すことということが、小児気管支喘息治療管理ガイドラインで示されています。

3回以上というのは3回の呼吸のことではありません。一回目の呼気性喘鳴が起こった後、音が消えてから一週間以上たったにも関わらず、再び呼気性喘鳴が出た場合を2回目とします。このようなことが3回以上繰り返されるということが診断の一つの目安となっており、医師も乳児ぜんそくの可能性が高いと考え対応していると考えられます。

呼気性ぜんそくと吸気性ぜんそく

呼気性喘鳴がするということは、空気が通る道のどこかにそれを妨げるものがあるということです。呼気性ぜんそくの場合、下気道の空気の流れが悪い場合に起こります。

逆に、息を吸うときに喘鳴がすることを吸気性ぜんそくと言いますが、その場合、上気道の空気の流れが悪い場合に起こります。鼻水が多いというのも特徴です。

乳児喘息(ぜんそく)の原因

乳児ぜんそく、小児ぜんそくの約8割は3歳までに発症します。そして5歳までにはぜんそく患者のほとんどが発病します。それらのぜんそくの7割ほどは何らかのアレルギーが原因していると言われています。

アレルギーを引き起こすものをアレルゲンと言いますが、アレルゲンの中でも一番多い原因はダニです。他にはハウスダスト、動物のフンや毛、フケ、カビ、花粉、また卵、牛乳、大豆などの植物性のアレルゲンなどがあります。アレルゲンの中でも肺に吸い込まれるものを吸入性抗原といいますが、この吸入性抗原は気管支でアレルギー反応を起こし、乳児ぜんそくの原因になります。

また、乳児期にアトピー性皮膚炎を発症した場合、ぜんそくになりやすいというデータもあります。ぜんそくを持つ子供は基本的に気管支が非常に敏感であるので線香、花火、タバコの煙やひんやりした空気などでも発作を引き起こす場合があります。また、風邪が引き金になる場合もありますし、雨や台風など天気によっても発作が起きるという乳児もいます。

乳児喘息(ぜんそく)の検査

ダニ、ハウスダスト、カビなどアレルゲンと言われるものが、体内に入ると血液中の「lgE」という抗体にアレルギー反応があらわれます。lgEはアレルゲンごとに結合する相手が決まっていますが、全体の総lgE値の数値でアレルギーを起こしやすいかどうかが分かります。

しかし、重症のぜんそくを持つ子供が必ずしも非常に高いlgE値であるとは限りませんので、そのあたりの詳しい説明は専門医からよく説明してもらいましょう。

アレルギー検査

lgEはそれぞれ、どの種類のアレルゲンとくっつくかということが決まっています。そのことから、アレルギーを引き起こしているアレルゲンを特定することが出来るというもので、このアレルギー検査をRAST(ラスト)検査と言います。

測定できるアレルゲンの種類は多くありますが、0から6までの7段階のうち2以上の反応ならばそのアレルゲンに対して陽性反応があるということになります。

小さいうちは数値が低くても、時間とともに徐々にアレルゲンからの刺激を受けているうちに数値が高くなってくることもあります。

家族にぜんそくの人がいるのは関係ある?

家族の中、特に両親にぜんそくやアレルギーのある人がいたり、ぜんそく以外でもアトピー性皮膚炎などのアレルギー体質の素質があるということは、お子さんにぜんそくを起こす要因が強いということで診断の大きな材料になっています。家族の既病歴を知っておくことは大切です。

アレルゲンから赤ちゃんを守ろう

特にアレルギー体質の赤ちゃんがいるご家庭では、アレルギー症状を悪化させないようにお家でも十分に対策をしてあげましょう。

吸入性抗原である、ハウスダスト、カビ、動物のフケ、フン、ダニなどは出来るだけお子さんが吸い込まないように注意することが大切です。ですから、部屋の掃除や布団掃除は小まめに行うことが何より重要です。

布団はなるべく干そう

布団は睡眠時間の間ずっといる場所ですから特に念入りに行います。出来るだけ布団を干して、しっかりたたいてホコリやダニを除去しましょう。ホコリやダニを吸い取るために掃除機を使うと有効です。

掃除機のかけ方や掃除機にも注意しよう

布団掃除の他にも出来るだけ毎日掃除機によって床の掃除をします。たたみもダニが住み着くところですから念入りに掃除しましょう。床の雑巾がけなどをしてから掃除機をかけると、掃除機によってホコリや花粉を部屋に舞い上げることを避けることができます。掃除機からの排気にもかなりのダストがありますので、排気がきれいな掃除機などを使用すると良いでしょう。

ぬいぐるみにはダニがいっぱい

意外と見落としがちなのはおもちゃのぬいぐるみです。ぬいぐるみにはたくさんのダニが住みついています。小まめに中性洗剤で洗ったり、最初からホコリやダニの付きにくい素材のぬいぐるみを選ぶと良いでしょう。ダニのアレルゲンは水に溶けますので洗濯するということはアレルゲンの除去に直接繋がります。

選択できないものは?

洗濯できなかったり、素材が選べないというのであれば、最初から置かないということが賢明です。例えば、部屋のじゅうたんなど掃除機で掃除はできても、洗濯はできないのでダニが住みつき易いところです。また、ホコリがつきやすいカーテンなども気をつけるべきものでしょう。

ダニやカビが好む環境を作らない

ダニは湿度が75パーセント前後、カビは湿度70~90パーセントと湿気がある環境を好みます。特に梅雨の時期は油断すると一気にダニやカビが増えます。掃除や換気を十分に行い清潔にしましょう。

空気洗浄機が効果的

また、空気中のアレルゲンを減少させるために、空気清浄機などを利用することをおすすめします。空気清浄機にもファンフィルター方式とイオン方式がありますが、ファンフィルター式の空気清浄機のほうが粒子状のアレルゲン除去には有効です。

最近の空気清浄機は高機能で、有害な化学物質を酸化除去するというようなものもあります。

エアコンに、空気清浄機機能が付いているものもありますが、定期的にフィルターを掃除してダスト等を部屋に撒き散らさないようにしましょう。

タバコは外で

タバコを吸う人が家族にいる場合は有害物質を部屋に撒き散らさないためにも、また、治療のためのステロイドの効果をあげるためにも、なるべく外で喫煙してもらうように協力してもらいましょう。

>>赤ちゃんのアレルギー|様々な原因と注意が必要なもの

乳児ぜんそくの治療薬

ぜんそくは早期発見して予防と治療を早い段階で開始することによって重症化することも防ぐことができますし、症状も軽くなり発作の回数も減ります。ぜんそくの治療薬は大きく分けて、発作を予防するために毎日使う「長期管理薬」と発作が起きた時に発作を抑えるための「発作治療薬」があります。

乳児ぜんそくの場合、治療薬を用いてから様子を見ながらゆっくりと薬の量を減らしていきます。ゆっくり寝られるようになったり、咳が出なくなって見た目に元気になっても肺のアレルギーの炎症が残っている場合もあるので、焦らずに治療しましょう。

長期管理薬

長期管理薬では、気道お炎症を抑えるために吸入ステロイド剤、気道を広げ、ぜんそくの症状を出にくくする吸入気管支拡張薬や使われます。

発作治療薬

また、発作治療薬では即効性のある吸入気管支拡張薬が使われますが、乱用すると危険ですので専門の医師に指示されたとおりに使用しましょう。吸入しても効果がない場合は速やかに医師の治療を受けましょう。

ステロイド剤などは副作用などの影響もあるので、ぜんそく治療の精通した医師の管理下で使用しましょう。

乳児ぜんそくの治療はいつまで続けるの?

1歳前から5歳くらいまでが一番ぜんそくを発病し易い時期ですが、小学校に入学するくらいから徐々に症状が和らぎ、発作の頻度も改善していきます。17歳、18歳くらいまでに全体の7割ほどは治癒する場合が多いのですが、俗にいう「アレルギーマーチ」といって他のアレルギーの病気に移行していく場合もあります。

アレルギーマーチは、アレルギー体質から来るものですが、小さいうちにアトピーやぜんそくの治療を早めにしっかり行い、食い止めることが大切です。

photo credit: via photopin (license)

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