妊娠中は温野菜でヘルシーな食事

妊娠中は温野菜でヘルシーな食事!妊婦さんに必要な栄養素とは?



妊娠中はお腹の赤ちゃんの成長のために、妊婦さんはバランスよい食生活を心がける必要があります。

とはいえ、妊婦さんの食生活はつわりなどの体調不良によって偏ることも多く、どうしても不足しがちになるのが野菜。

そこでおススメなのが温野菜です。手軽に作ることができ、ヘルシーなので体重管理にももってこいです。

そこで今回は、

・妊婦さんに野菜が必要なのはなぜ?
・野菜を食べるなら温野菜がいい理由は?
・どんな栄養素がどんな働きをするの?

といった方に、妊娠中に温野菜を食べることでどんな良いことがあるのか、どんな栄養素が必要なのかについて詳しくご紹介します。

妊娠中に必要な栄養素

妊娠中に必要な栄養素
妊娠中は、妊婦さん自身の栄養補給も大切ですが、お腹の中の赤ちゃんの成長のためにしっかりと葉酸や鉄分、カルシウム、ビタミン類などをバランスよく摂ることが大切です。

葉酸は、お腹の中の赤ちゃんが新しい細胞を作って成長するために非常に重要な栄養素で、葉酸を十分摂ることで、無脳症や二分脊椎症という先天性の病気の発症リスクが減ります。

また、鉄分は妊娠中に発症しやすい貧血を予防する効果があります。

カルシウムは、赤ちゃんの骨や歯を作る栄養素ですので、不足しないように積極的に摂る必要があります。

妊娠中にカルシウムを十分に摂取しないと、産後にお母さんが骨粗鬆症になるリスクが高くなります。

体重管理が大切

妊娠中は栄養のバランスが大切ですので、いろいろな食材を満遍なく食べましょう。
しかし、妊娠中は栄養を摂るためにと何でもたくさん食べて良いというわけではありません。

必要な栄養素をバランスよく食べることが重要なのであって、カロリーを無視して何でも食べても良いというものではないのです。

妊娠初期の頃はつわりなどが原因で、なかなか食べられない人も多く、体重が増えるどころか減るという人も珍しくありません。

ですが、多くの妊婦さんは妊娠中期から妊娠後期にかけて非常に食欲が増し、体調も良くなり、食欲も出てきて一気に体重が増えてしまうことがよくあります。

体重が増えて脂肪が体に付くと、産道が狭くなるので難産になりやすい傾向にあり、体重が増えることで腰痛などが酷くなることあります。

また、太りすぎると妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病にもなりやすくなり、お腹の赤ちゃんも巨大児になるリスクが高くなるので、妊娠中の体重管理は非常に重要なのです。

栄養を摂る必要がありながら、体重を急激に増やすことができない妊婦さんにとっては、栄養が豊富でカロリーが低い、野菜を積極的に食べることがおススメです。

生野菜や炒め野菜より温野菜

妊婦さんに食べて欲しい野菜ですが、生野菜や炒め野菜より温野菜の方が体調管理や体重管理に有効な理由をご紹介します。

野菜をたくさん食べられる

野菜が健康に良いというのは、妊婦さんに限りません。

いろいろな野菜、季節の野菜を食べることが大切ですが、1日に食べることのできる量は限られています。

野菜を生野菜のサラダで補おうとしても、生野菜だと思ったほどたくさんの量は食べられません。
野菜をゆでたり蒸したりした温野菜だと、カサが減る分無理なくたくさん野菜を食べることができます。

例えばキャベツなどを食べるとしても、生野菜だとたくさんの量は食べられませんが、ゆでたり蒸したりしたキャベツだと無理なくたくさんの量を食べることができます。

体を冷やさない

妊娠中は体を冷えから守ることが大切です。

夏などは食べ物が熱いと、食べるのも嫌だという人もいるかもしれませんが、生野菜や冷たいものは、多く食べると体が冷えてしまうこともあります。

暑いときには冷えたものを食べたいという気持ちも分かりますが、妊婦さんはできるだけ温かい食べ物を食べた方が良いという観点からも温野菜は優れています。

油や塩分の摂取を抑えられる

生野菜を食べる場合、多くの人がドレッシングなどを利用します。

オイルフリーのドレッシングだと良いのですが、一般的なドレッシングは油もたくさん入っており、塩分もたくさん含まれているので、野菜を食べてカロリーを抑えているつもりでも、意外とドレッシングでカロリーや塩分を摂ってしまっている可能性があります。

また、野菜を炒めたり、揚げるという調理法は油をたくさん使います。

栄養のために野菜を食べても、過剰な油を摂取しないというのが理想という観点から考えると、野菜を茹でたり蒸したりして食べる温野菜は妊婦さんの食事に適しています。

特に蒸した野菜は甘みが増すので、そのまま食べても美味しいですし、薄く味付けするだけで美味しく食べることもできます。

栄養が逃げない

栄養を摂るために野菜を食べるのであれば、できるだけ野菜の栄養価を逃がさないように調理して食べたいものです。

野菜の栄養を逃さず食べるためには生野菜を食べるのが一番です。
熱を加えたり、調理をすることで栄養素が流れてしまう可能性があるためです。

しかし、生野菜だとたくさんの量が食べられないので、熱を通した方がたくさん食べることができます。

熱を通す場合は、炒めるよりも蒸す調理法の方が、栄養を逃さず摂ることができるのでおすすめです。

殺菌作用がある

妊娠中は、細菌やウイルスに感染しないよう特に注意が必要です。

食事も生のものよりも、熱を通して一度殺菌されているものを食べる方が、細菌やウイルスへの感染を予防することができます。

特に食中毒の多い梅雨の時期などは、生野菜よりも温野菜でしっかり熱処理してから食べるようにしましょう。

妊娠初期に食べたい温野菜

妊娠初期に食べたい温野菜

妊娠初期はつわりなどで食べ物が食べられない、食の趣味が激変するという人も多いので、妊婦さんにとっては食べることが一番辛い時期かもしれません。

つわりで辛い場合は無理することなく、まずは自分が食べられるものを食べましょう。

できるだけ野菜を食べるようにしたいですが、好きなもの、食べたいものを食べることも大切です。

野菜ジュースを飲んだり、温野菜をジューサーなどにかけて、野菜スープをまとめて作っておくのもおすすめです。

さっぱりするようにレモンやしょうがの風味をつけたり、冷たい冷製スープも喉越しがよくなります。

妊娠初期は、直接お母さんの食べたものがお腹の赤ちゃんの栄養になるわけではありませんが、できるだけ葉酸は積極的に摂りましょう。

食事から必要な葉酸をすべて摂取するのは難しいため、サプリメントなどでの補給が推奨されていますが、ブロッコリーやかぼちゃなどは葉酸がたくさん含まれています。

ブロッコリーをまとめて茹でて保存していたり、かぼちゃをまとめて煮たり、電子レンジにかけたものをスープ状にしておくとつわりの時にでもすぐに食べられます。

妊娠中期以降の食生活について

妊娠中期以降は体調もよくなり、つわりで食べ物が食べられないということは少なくなります。

つわりの時に食べられなかったものでも、急に食べられるようになるので赤ちゃんの成長を考えて、バランスの良い食生活にする必要があります。

妊娠中期は食欲がある一方で、貧血や妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病になりやすい時期でもありますので注意が必要です。

つわりの時に食べられなかった人はその反動で妊娠中期になると食べ過ぎる傾向がありますが、妊婦さんのカロリー摂取量としては1日2000~2200キロカロリーほどを目安に食べるように心がけましょう。

妊娠中の食事で一番大切なことは、栄養バランスを整えながら、食事の量が過剰にならないようにすることです。

食べ過ぎると太ると考える妊婦さんが多いですが、食べなさ過ぎると栄養不足になって赤ちゃんの成長に影響があります。

また、不足しがちなビタミン、ミネラル、葉酸、カルシウム、鉄分を積極的に食事に取り入れましょう。

緑黄色野菜を温野菜にして食べることで、カロリーを抑えながらビタミンやミネラルの不足を補うことができます。

葉酸の働きと野菜

葉酸の働きと野菜

葉酸は細胞分裂に必要な栄養素なので、お腹の赤ちゃんの成長に非常に重要です。胎児の先天性異常のリスクを下げ、生まれてからの赤ちゃんの成長にも役立ちます

また、葉酸は赤ちゃんの成長だけに有効なのではなく、お母さんの貧血対策にもなりますので積極的に摂るべき栄養素です。

葉酸はビタミンB群に属する栄養素です。
同じB群の中でも、ビタミンB12は葉酸と同じように、血を作るために非常に有効な栄養素です。貧血対策で葉酸を摂るならば、鉄分も一緒に摂取することが大切です。

また、ビタミンCを葉酸と摂取することで、葉酸の吸収がよくなるといわれています。

葉酸は野菜にもたくさん含まれていますが、肉や魚果物、乳製品などいろいろな食材に含まれていますので、野菜だけでなく多くの食品群から広く食べることも大切です。

葉酸の多い野菜

葉酸が多く含まれている野菜は、

ほうれん草
ブロッコリー
切り干し大根
パセリ
芽キャベツ
アスパラガス
えだまめ

などです。葉酸の多い野菜を洗って電子レンジにかけて、温野菜にして食べるとたくさん食べられます。

特にえだまめなどは、冷凍のえだまめが一年中スーパーなどで簡単に手に入れることができます。

冷凍されたものに水をかけて解凍することで食べられるようなものもありますので、食事に1品足したり、おやつにえだまめを食べるのも良い方法です。

ほうれん草やブロッコリーも一度にたくさんゆでて、すぐにいつでも食べられるように保存しておくと良いですし、切干大根なども常備菜として簡単に煮物を作っておくと重宝します。

ビタミンCの働きと野菜

妊娠中は、常に体の免疫力を高めておくということが大切です。

お母さんの免疫力が下がると感染症にかかるなど、病気のリスクが上がり、お腹の赤ちゃんにその病気が影響する危険があります。

ビタミンCは免疫力アップのために非常に良い栄養素なので、妊婦さんは積極的に摂ることが大切です。

ただし、ビタミンCは水溶性なので水に溶けやすく、熱に弱いので調理法に気をつけるようにしましょう。

加熱してもビタミンCが破壊されにくい野菜として、ジャガイモやサツマイモがあります。

ジャガイモやサツマイモは、酸素と接触させずに過熱すると熱に弱い食材ではなくなります。

例えば、ジャガイモを油で揚げて調理したフライドポテトは、ビタミンCが非常にたくさん含まれています。

一方、水に溶けやすいという性質があるので、温水で茹でるとビタミンCはどんどん外に流れてしまいます。

茹でる時間が長くなれば、それだけビタミンCが流れてしまうので、短時間で茹でるか電子レンジなどで蒸すという調理方法をとりましょう。

ビタミンCの多い野菜

ビタミンCの多い野菜は、

ピーマン
芽キャベツ
ゴーヤ
ケール
ジャガイモ
サツマイモ
レンコン
ブロッコリー
カリフラワー

です。こちらを参考にして食べましょう。

カルシウムの働きと野菜

カルシウムの働きと野菜

カルシウムは胎児の骨や歯の成長のために非常に重要な栄養素です。

また、妊娠中に胎児の成長にカルシウムが多く使われてしまうので、妊娠中も出産後でもカルシウムが不足しているお母さんは、骨粗しょう症になりやすいので注意が必要です。

1日に600~700ミリグラムの摂取が必要なので、妊娠中はしっかり摂るようにしましょう。

また、カルシウムを効率的に体に吸収させるために、マグネシウムを摂取することも大切です。

カルシウムとマグネシウムの多い野菜

カルシウムを多く含むのは、

大根の葉
小松菜

などです。マグネシウムを多く含む野菜は、

えだまめ
オクラ
ほうれん草

などです。カルシウムを効率よく吸収するためにも、一緒に食べるのがおすすめです。

水溶性食物繊維の多い温野菜は便秘対策になる

妊娠後期になると、お腹が大きくなって内臓を圧迫するので便秘になる妊婦さんが増えます。

このため、妊娠中は積極的に便秘解消のために水溶性食物繊維を食べるようにして、腸の働きをよくすることで便秘にならないように心がけましょう。

水溶性食物繊維の多い野菜

水溶性食物繊維の多い野菜は、
いも類
キャベツ
大根

などです。
ただし、すでに便秘気味の方が、ごぼうなどに含まれる水に溶けない食物繊維(不溶性食物繊維)を摂りすぎると、便のカサが増してさらに便秘がひどくなる場合があります。

それを防ぐためにも、たくさんの水分と一緒に摂る必要があります。
味噌汁やスープなどで食べることを意識しましょう。

まとめ

まとめ

妊婦さんは、妊娠中に赤ちゃんの成長に必要な栄養を摂りながら、体重のコントロールをしたり、便秘にならないようにしたりする必要がありますが、温野菜を積極的に食べることで必要な栄養を摂りつつカロリーコントロールがしやすくなります。

ゆでたり、蒸したりするというのは調理法も簡単で、たくさんの野菜が食べられるというのも、妊娠中に温野菜を積極的に食べるメリットです。

美味しくて、カロリーが低く、栄養価も高い温野菜を妊娠中に積極的に食べて元気な赤ちゃんを育てましょう。

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監修:成田 亜希子(医師)

プロフィール:弘前大学卒業後、内科医として地域医療に従事。その傍ら、保健所勤務経験もあり、国立保健医療科学院での研修も積む。感染症や医療行政にも精通している。プライベートでは二児の母。

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