妊婦さんが蕁麻疹になりやすいのはなぜ

妊婦さんが蕁麻疹になりやすいのはなぜ?蕁麻疹の原因や対処法



妊娠中は健康に気をつかったり、体調の変化には敏感になっているものです。妊娠中は様々な体調の変化や不調が現れるものですが、その中でも意外とよく見られるのが蕁麻疹(じんましん)です。

蕁麻疹は、痒くて辛く、掻きむしってしまうことで痕になることもありますし、全身に広がって入院治療が必要になるケースもあります。

そこで今回は、

・妊娠中に蕁麻疹が出た!
・蕁麻疹ってどんな疾患なの?
・妊婦さんはどうして蕁麻疹になりやすい?

といった方に、妊娠中の蕁麻疹はどうして起こりやすいのか、その原因や対処法などについて詳しくご紹介します。

蕁麻疹って何?

蕁麻疹って何?

蕁麻疹は一生のうちで20~25パーセントほどの人が経験する病気です。子どもから大人まで幅広い年代の人がかかりますので、一般的によくみられる病気といえます。

蕁麻疹は皮膚の病気の一つで、皮膚の一部が突然赤く腫れて、痒みを伴います

最初は皮膚に2ミリほどの膨疹(皮膚の盛り上がり)だったのが、痒いので掻いているとどんどん広がって全身真っ赤に腫れ上がることもありますし、一箇所の発疹が治ったと思ったら、また別の場所に出るということを繰り返す人もいます。

症状はさまざまですが、個々の発疹は数十分から数時間、長くても1日ほどで消えるのが一般的です。

蕁麻疹のメカニズム

妊婦さんに限らず、蕁麻疹は誰でも突然発症する可能性があります。

人間の皮膚の表面は角層層といい、この角層層は外部からの刺激から皮膚の深層を守る役目があります。
表皮の下には真皮があります。真皮にはマスト細胞という細胞があり、このマスト細胞から、ヒスタミンという成分が放出されることで蕁麻疹が起こるとされています。

マスト細胞から放出されたヒスタミンが、皮膚に存在している毛細血管に作用し、血管内の血液成分が血管外へ漏れることで蕁麻疹になります。

皮膚の下に液体成分が溜まることで、皮膚の表面には、ミミズ腫れのような発疹や赤みが出たり、ヒスタミンが知覚細胞に刺激を与えることで痒みを生じます。

蕁麻疹の直接の原因は、細胞からヒスタミンが放出されることですが、ヒスタミンが放出される原因は様々です。
その原因には食べ物や薬剤などによるアレルギー性のものと、原因がはっきりしない非アレルギー性のものがあると考えられています。

蕁麻疹の症状の内、約7割がはっきりした原因の分からない特発性の蕁麻疹です。

妊婦さんを含む一般的な蕁麻疹の原因は?

蕁麻疹は妊婦さんだけでなく、あらゆる人に起こる可能性のある疾患です。

妊婦さんでも、元々体質的にアレルギー反応を起こしやすい人などは、妊婦さんになってもこれらの物質が作用してヒスタミンが放出され、蕁麻疹を起こします。

食品によるもの

そば、えび、かに、さば、マグロ、豚肉、たけのこ、香辛料、果物など、食品アレルギー物質が体内に入ることで、アレルギー反応を起こして蕁麻疹が出ます。

薬剤によるもの

抗生物質のペニシリンや、セフェム系、解熱剤、降圧剤などに対する薬品アレルギーがある人が、これらの薬品を服用することでアレルギー反応が起こり、蕁麻疹になります。

皮膚への刺激によるもの

皮膚が何かに擦られて刺激を受けたり、熱いものや冷たいもので刺激されたり、日光を長時間浴びたり、何かによって皮膚が強く圧迫されたりすることで、ヒスタミンが放出されて蕁麻疹になります。

また、化粧品の成分によって肌が刺激されて蕁麻疹が出ることもあります。

汗によるもの

運動して汗をかいたり、精神的緊張で冷や汗をかいたり、入浴によって汗をかいたりしますが、汗をかいた後、拭いたりせずにそのまま放置し、皮膚上に汗がずっと密着していることで肌表面が刺激され、蕁麻疹を起こすことがあります。

肉体的疲労の蓄積

特定の病気でなくても、肉体に疲労が溜まっていて体力が落ちている時は、蕁麻疹が出やすくなります。

仕事で忙しかったり、睡眠時間が足りなかったりすると、無意識の内に肉体的疲労は蓄積されていきます。体力が落ちている時は蕁麻疹に要注意です。

精神的ストレス

精神的に疲れていたり、心配事や不安要素があったりすると、知らず知らずに精神的なストレスも溜まっています。

ストレスは徐々に肉体的な健康を蝕んでいきます。ストレスが溜まるとテロイドホルモンが多く分泌されるようになり、免疫力も下がります。

そのため、ちょっとした外部刺激でも酷い蕁麻疹になってしまうことがあります。

妊婦さんはどうして蕁麻疹になりやすいの?

妊娠すると妊婦さんの体は大きく変化します。お腹が大きくなるという外見的な変化だけでなく、内面の体質も大きく変化します。

妊娠すると、ホルモンのバランスが今までと大きく変化し、皮膚に関することでは、乾燥しやすくなったり、荒れたり、色素沈着しやすくなったり、多毛になったりします。
特に皮膚の乾燥は角質層のバリア機能を低下させるためちょっとした刺激によってダメージを受けやすくなります。

特に妊娠する前から敏感肌だったという人や、アトピー性皮膚炎だった人などは、妊娠したことで体質が変化して、肌トラブルがさらに多くなったり、アトピー性皮膚炎が酷くなってしまうこともあります。

さらに妊娠中は体調も崩しやすく、精神的に不安や心配事が増えることが多いので、ストレスが溜まりやすい人も増えます。

このように、妊娠中はちょっとした要因が色々重なり合い、蕁麻疹を引き起こす引き金となってしまうことも少なくありません。
妊婦さんが蕁麻疹になる原因にも様々なものが挙げられますが、普段は平気な些細な要因でも、妊娠中は蕁麻疹の引き金となってしまうこともあるので注意が必要です。

妊婦さんが蕁麻疹になったら?

では、妊娠中に蕁麻疹になってしまった場合はどうすればいいのか見ていきましょう。

まず原因を考えよう

蕁麻疹は原因がはっきりしないことが多いので、原因を探るのは難しいです。しかし、一般的な蕁麻疹の原因を1つ1つ考えていくと、わかってくることもあります。

原因がはっきりしたら、まずその原因を排除することが大切です。疲れていることが原因の場合は、ゆっくりと体を休めることを心がけます。

また、ストレスが原因の場合は、気持ちを楽にリラックスさせることが大切です。アレルギー物質が原因の場合は、ただちにアレルギー物質を断つことが必要です。

どの程度の蕁麻疹なのか

蕁麻疹といっても、体の一部だけに出る場合もありますし、全身がミミズ腫れしたかのようにボコボコに腫れあがったり、強く痒みがある場合もあります。

最初は大したことないと思っていても、患部を掻いているうちにどんどん症状が広がってしまって、自分ではどうにもできない状態になることもあります。

通常、蕁麻疹は数日から1週間ほどで治まるものですが、患部の範囲や痒みによっては、早めに専門の医療機関で治療をする必要があることもあります。

見極めは非常に難しいところですが、場合によっては蕁麻疹ではなく他の疾患の可能性もあります。

どんどん腫れが酷くなってきたり、痒さが我慢できずに全身を掻きむしることを我慢できないという場合は、まずかかっている産婦人科の先生に相談してみましょう。

妊娠中の蕁麻疹に良く似た疾患

皮膚に発疹ができ、蕁麻疹になったと思っていても実は違う疾患の場合があります。蕁麻疹によく似ている疾患をいくつかご紹介します。

妊娠性痒疹(にんしんせいようしん)

蕁麻疹とよく似た症状がでる妊婦さんの皮膚疾患です。原因は良く分かっていませんが、妊娠によるホルモンバランスの変化が関係しているといわれています。

妊婦さんの100人に1人ほどの割合で起きる症状ですが、初産の人よりも二人目以降の経産婦さんに多く見られる疾患です。

症状は、体中や局所的に1センチ以下の皮膚の盛り上がりができます。非常に強い痒みがあるので、我慢できずに血が出るまで掻いてしまうことも少なくありません。

妊娠の初期の頃から発生して、出産するまで症状が続きます。急性の蕁麻疹は1週間ほどで症状が治まるのに対して、長期間症状が続きます。

しかし、出産すると今までの症状があっという間に治ることから、妊娠性痒疹といいます。

多形妊娠疹(たけいにんしんしん)

多形妊娠疹は、PUPPPともいわれます。初産婦さんの、妊娠後期に発症することが多く、お腹や四肢を中心に、蕁麻疹のような症状であらわれます。

最初は小さな腫れでも、掻いたりすることで周りの腫れ同士がくっつき、次第に大きくなります。酷い痒みが出産まで続きますが、出産するとすぐに治ります。

妊娠性疱疹(にんしんせいほうしん)

妊婦さんの5万人に1人の割合で起こる稀な疾患です。

妊娠後期や出産後になることが多く、全身に紅斑や水疱ができます。

強い痒みで夜も眠れないほどになる人もいますが、出産してしばらくすると症状が自然に治ることも多いので、軽症の場合は、出産までステロイドの外用薬で経過観察します。

どんな治療法があるのか?

軽い蕁麻疹の場合は、そのまま症状が治まるまで待つか、市販の保湿美容液などを使うことで症状が治まることもあります。

しかし、症状がどんどん酷くなっていく場合や、痒みが酷い場合は、皮膚科や産婦人科で薬を処方してもらう方が結果的に早く治ることが多いです。

皮膚科を受診する時は、妊娠していることをしっかり伝えて薬を処方してもらいましょう。

抗ヒスタミン薬

蕁麻疹でよく処方される薬は、抗ヒスタミン剤といわれるアレルギーに効果のある薬です。

蕁麻疹の原因が、何かしらのアレルギー反応であるとされた場合、ヒスタミンの作用を抑える抗ヒスタミン剤が処方されます。

抗ヒスタミン剤には、内服薬と外用薬があります。妊婦さんが薬を使う時には、胎児への影響を考えなくてはいけませんが、抗ヒスタミン薬は余程の過剰投与でない限り、内服薬でも外用薬でも、妊娠初期に使ってもお腹の赤ちゃんには影響がないとされています

妊婦さんによく処方される薬としては、内服薬のジルテック、セチリジン、クラリチン、ロラタジン、アレロック、アレグラなどがあり、外用薬ではレスタミン、ベナパスタなどがあります。

ステロイド剤

ステロイドというのは、腎臓の上部にある、副腎という器官から分泌される副腎皮質ホルモンです。

このステロイドという成分を、薬として体内に入れることで体の炎症を抑えたり、過剰な免疫反応を制御します。

蕁麻疹のような皮膚の疾患の場合は、ステロイドは一般的に外用薬として処方されます。ステロイドを塗ると、蕁麻疹のアレルギー症状を強力に抑えることができます。
ただし、重症な蕁麻疹の場合にはステロイドの内服や注射が必要になることもあります。

ステロイドと聞くと、副作用が強い怖い薬という印象がある人も多いのですが、医師の処方通りに使用すると効き目も高く、安全に使用することができます。

妊娠しているのに、ステロイドを使用することに対して強い危機感があるかもしれませんが、外用薬としてステロイドを使っても、皮膚からの吸収量は極微量であるため、体内の赤ちゃんや母体や、出産後の母乳にはステロイドの影響はほぼなく、安心して使うことができます。

妊婦さんに良く処方されるステロイド剤としては、リンデロンV、マイザー軟膏、ロコイド、リドメックスなどです。どうしてもステロイドを使用することに抵抗のある人は、医師に相談してみましょう。

しかし、ステロイドを使わないことによって蕁麻疹の症状がどんどん悪化していくようなら、副作用よりもそちらの影響を心配する必要があります。

ステロイドは医師の処方通りに使用すると、大きな副作用の心配はあまりありません。一番危険なのは、ステロイドを自分の判断で使用したり、使用をやめたり、量を調節することです。

妊娠中の蕁麻疹を予防するためには

妊娠中の体調は非常にデリケートなものです。このためいつも以上に体調に気をつける必要があり、普段よりも過敏に、アレルギー物質に対して強い反応が出るかもしれないということを理解しておくことが大切です。

特に体調が思わしくない時などは、アレルギーを起こしやすい食べ物に注意しましょう。

また、肌に直接塗るような化粧品や保湿クリーム、シャンプー、ボディー石鹸などは刺激の少ない天然由来のものを利用するようにし、蕁麻疹にならないよう気を付けましょう。

妊娠中に蕁麻疹になった場合胎児への影響は?

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妊娠中にママが蕁麻疹になっても、お腹の中の赤ちゃんの成長や健康には、特に問題ないので安心してください。

蕁麻疹によって薬を服用したことで起こる副作用を心配する方もいますが、産婦人科の医師や皮膚科の医師は、妊娠中の女性に対して薬を処方する際は、副作用や胎児への影響を考慮して処方をします。

医師の処方通りに処方された薬を、用量用法を守って使用する限り、過度な心配はしなくても大丈夫です。

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監修:成田 亜希子(医師)

プロフィール:弘前大学卒業後、内科医として地域医療に従事。その傍ら、保健所勤務経験もあり、国立保健医療科学院での研修も積む。感染症や医療行政にも精通している。プライベートでは二児の母。

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