妊婦さんは着物を着てもいい

妊婦さんは着物を着れる?レンタルや着付けするときのポイントは?



結婚式やここぞというイベントに「着物を着ようかな?」と悩んでいる妊婦さんもいることでしょう。

妊娠中は、お呼ばれする機会もそうあることではありませんが、わざわざ衣装やドレスを購入するのもお金がかかりますし、着物であれば妊娠中期までなら持っている物で間に合わせることができそうですよね。

そこで今回は、

・妊娠中でも着物は着ることができる?
・せっかく着物があるから妊娠中でも袖を通したい!
・妊婦さんが着物を着るポイントは?

といった方に、妊婦さんが着物を着る場合の注意点やポイントについて詳しくご紹介します。

妊婦さんでも着物を着ることができる?

まとめ

お腹の大きな妊婦さんは、ゆとりのあるマタニティーワンピースを着るもの、というイメージがあるかもしれません。

また、着物は腰紐や帯などで何回も強く体を締めつけ、着物自体にも重さがあるうえに肌着や襦袢、帯などを合わせると相当な重みになるので、妊婦さんには非常に窮屈で、妊娠中に着物は向かないと思っている人も多いことでしょう。

しかし、着物はお腹が大きくなっても着ることができ、昔の人は出産前後でも着物を着ていました。
ボタンやジッパーはなく、紐でサイズを調節することができるので、その人の体型に合わせて着ることができる大変優れた衣類なのです。

きつく紐を締めると血流が悪くなったり、気分が悪くなったりすることを心配する人もいますが、紐でサイズを調節できるので、しっかりと着付けをすればジャストサイズで気分よく着ることができます。

何ヶ月まで着物を着ることができる?

昔の日本人女性は、着物なくしては生活ができませんでした。このため、妊婦さんでも、老人でも、子どもでも、着物を着た生活をずっとしてきたのです。

ですから、妊娠〇ヶ月までしか着物を着ることができない、という制限はありません。問題があるとすれば、お腹が大きくなってきたときに、着物の幅が足りなくなり、裾が上がってしまうことです。

裾が上がると、歩いた時にはだけてしまうことが問題となります。しかし、現在で妊婦さんが着物を着ようと思う時は、結婚式などのイベントがある場合が多く、出産間近のタイミングでは着物を着ることはあまりありません。

もし、結婚した時などに着物を作ったという人は、妊娠しているからこそ、わざわざマタニティードレスを購入するのではなく、手持ちの着物を着てみましょう。

着物はお腹の膨らみが目立ちにくい?

日本人の若い女性は痩せている人が多いですが、着物はある程度身体に厚みを必要とします。

このため、痩せている人が着付けをするときは、胸やお腹の辺りにタオルで隙間を埋めるように体を補強します。

妊婦さんが着付けをするときもタオルで体型をカバーしますが、妊娠中期くらいで着物を着るとあまりお腹も目立ちませんし、着物がいつもよりもしっくり着こなせる場合が多くなります。

妊娠中にどんな着物を着たらいい?

妊娠中にどんな着物を着たらいい

では、妊娠中に着る着物はどんなものを選べばいいのか見ていきましょう。

汚れても洗える素材

着物を新たに新調したり、レンタルする場合は、素材に気をつけて着物を選びましょう。

妊娠初期はつわりで嘔吐することもあります。突然体調が悪くなって嘔吐してしまったりすると、着物が汚れてしまうかもしれません。

着物は洋服のように、簡単に洗えるものと洗えないものがあるので、汚れても洗える素材を選んでおくと安心です。

素材としては、ポリエステルが洗えるので便利です。ポリエステル素材の着物なら、自宅で簡単に洗うことができます。

着物をレンタルする場合も、妊娠しているのでポリエステル素材でレンタルしたいと相談するようにしましょう。

レンタルの着物を汚した場合は、通常料金に加えてクリーニング代がかかったり、最悪の場合は買い取りになることもありますが、少しの汚れならば、通常料金でカバーできるのが一般的です。心配な場合はきもの保険に入っておきましょう。

軽い素材

着物は着物本体だけでなく、肌着や帯など洋服に比べると重量があります。

妊婦さんの身体に着物の重みによる負担がかかるとお腹の張りにつながることあります。着物も帯もできるだけ軽いものを選ぶようにしましょう。

中でも意外と重いのが帯です。帯は高価なものになるほど堅くて重いものが多くなります。妊婦さんの場合は帯をお腹の上、胸の下で帯を結ぶことになりますので、できるだけ軽くて柔らかい素材のものを選ぶようにしましょう。

伸縮性のある素材

今の着物は、いろいろな素材のものがあるので、伸縮性のある柔らかいものを選びましょう。

伸縮性のある物の方が身体を締め付けずに楽に着ることができます。

また、足袋も普通は硬いイメージがありますが、履きにくいので伸縮性のある足袋にすることをおすすめします。

長い紐や帯

妊娠してお腹が大きくなると、普段使っている腰紐や帯が短くなります。このため、長い腰紐や帯を用意するようにしましょう。

男性用のものは長さがあるので重宝しますし、伸び縮みするウエストベルトタイプなどを使ってみるのもおすすめです。

安全な草履

着物に慣れていない人は、歩くのも大変です。妊婦さんは普段、スニーカーやフラットシューズを履いていることが多いので、着物での草履選びも慎重に行いましょう。

お腹が大きいと足もとを見ることも難しく、重心が不安定なため、ただでさえ転びやすくなります。

草履を履いて妊婦さんが歩く時は、転びにくいものを選びましょう。草履を履く時も、支えをしっかり持って履いたり、座った状態で履くようにしましょう。

旦那さんなどに支えてもらったり、履かせてもらうと安心です。また、草履は滑りやすいので、裏面に滑り止めが付いているものを選びましょう。

できるだけかかとが低く、裏はゴムが付いているものがおすすめです。

手直しをする

結婚式や七五三などで自分の手持ちの着物を着る場合は、その着物のサイズでどのような着付けになるのか事前にシュミレーションすることが大切です。

もし、重ねの部分が短かったり、裾が上がって気になるという場合には、着物の寸法を直しておく必要があります。

着物は、洋服と違って幅を出したり、長さを比較的簡単に調節することができます。事前にしっかりとサイズを確認しておいて手直ししておくと、妊娠していてもちゃんと着物を着ることができます。

分からない場合は、着付けをしてくれる人、着物に詳しい人に見てもらって相談しておきましょう。

妊婦さんが着物を着る場合のポイント

次に、妊婦さんの着物の着方について見ていきましょう。

妊娠初期の場合

妊娠初期はお腹があまり膨らんでいない人が多いので、着物を着る時は妊娠前と同じように着て問題ありません

ただし、つわりで気分が悪い人などは胸をあまり強く締めることでもっと気分が悪くなったり、体調が悪くなる場合があるので、着付けをしてもらう場合には、妊娠していることを担当者に伝えて無理の無いように着付けてもらうようにしましょう。

締めすぎている場合は、はっきりと要望を伝えることが大切です。

ただし、着物はしっかりと着付けておかないと時間と共に着崩れてしまい、自分ではなかなか修正できなくなるということもありますので、相談の上適度な閉め加減を決めていきましょう。

妊娠中期の場合

お腹が徐々に目立ってくる頃ですので、着付けの時にどこの場所で帯を締めるかがポイントになってきます。

あまりお腹が目立っていない人は、妊娠前と同じように着付けてもらうと良いのですが、膨らみが目立ってきた場合はお腹よりも上の位置を帯の位置にします。

お腹の上と胸の下辺りで帯をするとしっかり着ることができます。

妊娠後期の場合

妊娠後期の場合も、お腹の上と胸の下で帯を締めます。帯の下部から大きなお腹が出るシルエットになってしまうため、伸縮性のある柔らかい帯を使って、ある程度しっかり帯を締めておかないと時間が経つごとに着崩れが起きてしまいます

お腹の下で帯を締める方法もありますが、そうすると胸の辺りが着崩れてきますので、どちらが良いというものでもありません。

着付けをしてもらう方とよく相談しながら、帯の位置を決めていくことが大切です。

きつく締めすぎないように

着物はボタンもファスナーもありません。すべて紐で結んで止めて着るというものですので、紐の締め具合が非常に重要です。

締めるのがゆるすぎると、時間が経つごとに着崩れしてしまいますし、強く締めつけると息苦しくなったり、気分が悪くなります。

また、強くお腹を締めすぎるとお腹が張りやすくなります。丁度良い程度に着付けてもらうことが大切です。

着崩れの修正ポイントを聞いておく

自分で着付けができる人は自分で修正することができるのですが、自分で着物を着ることができずに、着付けを美容室などにお願いして着させてもらう妊婦さんは、万が一着崩れした場合に、どこをどのように直して着るのかをしっかり聞いておきましょう

自分で修正できれば綺麗にキープすることは可能ですが、まったく分かっていないとトイレや立ち座りなどの動作で、どんどん着物が乱れてきます。

妊婦さんが着崩れしやすいのは、おはしょり、着物の裾のずれ、襟もとの開きです。

妊婦さんは通常の着付けで締める部分をしっかり締めることができずに、弱くなっていることもあるので、着付けをする人によく相談して修正ポイントを把握しておきましょう。

下着は浅いものを

着物を着る場合、下着も非常に重要です。妊婦さんはお腹をカバーしたり、冷えからお腹を守るために、股上の深い、お腹をしっかりカバーするタイプのマタニティーショーツやガードルをつけていることが多いのですが、これらを着物の時に付けていると、下着の上から帯を締められることになるので、トイレに簡単に行けなくなってしまいます。

無理にお腹まであるショーツを下げようとすると着付けが緩んで、どんどん着崩れしてしまいます。着物を着る場合は、股上の浅い下着にしておくことが大切です。

着物は下着のシルエットが出やすいので、妊娠前に履いていたローライズでラインが目立たないショーツなどを履いておきましょう。お腹の冷えが気になる場合は腹巻などで対応するのがおすすめです。

無理は絶対にしない

妊娠していなくても、着慣れていない着物を一日中着た日は、着物を脱いだ後もどっぷり疲労感が残ります。

慣れないことをするだけで十分疲れるということですので、妊婦さんが着物を着る場合は体調が本当に良い時だけにしましょう。

もし、着物を着るつもりでも気分が悪かったり、倦怠感がある場合、お腹の張り気味の場合は着物を着るのは止めましょう。

体調が悪いのに、結婚式などのイベントに出席すること自体がそもそも無理な話ですが、着物を着る上でも気を付けるようにしてください。

短時間で脱ぐ

着物を一日中着ると本当に疲れてしまうものです。妊婦さんが着物を着る場合は、時間を限定して短時間で着物を脱ぐようにしましょう。

着物を着るのはせいぜい数時間に留めておいて、結婚式の二次会に行ったり、そのまま出かけるようなことは止めましょう。

結婚式に着物を着ていくならば、会場で着付けてもらってその場で脱いで帰るという程度がちょうどいいです。

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監修:成田 亜希子(医師)

プロフィール:弘前大学卒業後、内科医として地域医療に従事。その傍ら、保健所勤務経験もあり、国立保健医療科学院での研修も積む。感染症や医療行政にも精通している。プライベートでは二児の母。

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