妊婦さんの虫刺され

妊婦さんの虫刺され!薬は使ってもいい?薬を使わない対処法は?



妊婦さんが虫に刺されてしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか?

虫刺されは強いかゆみや痛み、腫れなどを引き起こすことも少なくありません。
我慢できない場合には市販薬を使用してもお腹の赤ちゃんの悪い影響はないのでしょうか?

いつもならあまり気にしない虫刺されでも、妊娠していると気になってしまいますよね。

そこで今回は、

・虫刺されに市販薬を使ってもいいの?
・妊婦さんは虫刺されが悪化しやすい?
・薬を使わない虫刺されの対処法は?

といった方に、妊婦さんが虫に刺された場合の対処法などについて詳しくご紹介します。

妊娠中に虫刺されの市販薬を使ってもいい?

妊娠中に虫刺されの市販薬を使ってもいい

虫に刺されると強いかゆみが生じることも少なくありません。そんな時にさっと使えて便利なのが市販のかゆみ止めですが、妊娠していると薬はできるだけ使わない方が良いというのが一般的な常識です。

このため、家にある虫刺されの痒み止めを使ってもいいのか迷ってしまう妊婦さんも多いでしょう。

結論からいえば、市販されている弱いタイプの痒み止めの塗り薬なら、妊娠していても特に問題はありません。

薬を塗らなくても我慢できる程度のものなら我慢すれば良いのですが、痒くてイライラしたり、皮膚をかきむしったり、痒くて眠れないならば痒み止めを塗って対応しましょう。

掻くと酷くなる虫刺され

軽い虫刺されなら、一度痒み止めを塗るだけで痒みが治まることもありますが、虫の種類によっては痒み止めがまったく効かずに、あまりの痒みに掻いていると、どんどん痒みが広がっていったり、噛まれた跡が化膿してしまうこともあります。

痒み止めを塗ってもすぐに治らない、症状が酷くなってきたという場合は、自分だけで対応しようとせずに、皮膚科などを受診して治療することが大切です。

ずっと我慢したり、自己流での対応をしている間に、どんどん症状が悪化してしまい、膿んでしまうこともあります。

また、虫刺されによるアレルギーが生じている場合には対処が遅れるとアナフィラキシーなどの重篤な症状が現れる可能性もあります。
痒みが治まらない、広がってくるという場合は、できるだけ早めに医療機関を受診するようにしましょう。

受診するのは産婦人科?皮膚科?

妊婦さんが虫刺されで医師の診察を受ける場合には、虫刺されの症状によって産婦人科に行くか、皮膚科に行くか判断してみましょう。

妊婦さんはホルモンバランスの乱れなどによってお肌のトラブルが起こりやすいため、何らかの皮膚症状があった場合には産婦人科で薬を処方してくれたり、アドバイスをもらうこともできます。

しかし、皮膚の状態が酷いときは、妊婦さんであってもより専門的な診療を行う皮膚科を受診することをおすすめします。

皮膚科を受診する場合は、妊娠していることや妊娠週数などの情報をしっかりと伝えて対応してもらうようにしましょう。

また、皮膚科には水疱瘡など妊婦さんにも感染する可能性のある感染症にかかっている患者が来院している可能性もありますので、事前に病院に相談しておくと安心です。

妊婦さんは虫刺されが悪化しやすい?

妊娠していると、蚊に刺されただけでも膿んでしまったり、なかなか治らないことがあります。その理由は何なのでしょうか?

免疫力が下がっている

妊娠すると自分と違う生命体を自分の体に宿すことになります。
このため、赤ちゃんへの攻撃を下げるために、免疫力が下がりがちになるのです。

免疫力が下がると、細菌やウイルスに感染しやすい状態になります。

また、ちょっとした傷でも治りにくくなり、虫に刺されたさいのちょっとした傷から細菌やウイルスが侵入して炎症を起こしやすくなり、なかなか治らずに悪化してしまうことも少なくないのです。

肌荒れを起こしやすい

妊娠すると、ホルモンのバランスが一気に変化するので体質が変化します。今まであまり肌荒れなど起こしたことがないという人でも、化粧品に負けたり、食品アレルギーを起こして肌が荒れたり、蕁麻疹が出やすくなります。

普通なら、簡単に治るはずの虫刺されが長期間治らないこともあるのです。

我慢してしまう

虫刺されでも、最初に適切な対応をすれば、それほど症状が悪化することもないのですが、妊娠しているから薬を使いたくないという気持ちが働いて我慢してしまうと、いつのまにか症状が悪化してしいる、ということがよくあります。

虫刺されが悪化すると?

身体のサインに注意
虫刺されは、それほど重篤な病気ではありませんが、悪化してしまうと次のような症状が見られることがあります。

痒疹(ようしん)

虫刺されやアトピー性皮膚炎などが原因で、痒みの強い赤い皮膚の盛り上がりができます。

この皮膚の症状は、体中の色々な場所にできてしまうことも。一度痒疹になると薬を使ってもなかなか酷い痒みは治まらず、症状も長期間続きます。

とびひ

虫刺され跡などを強く掻いていると、手に着いた黄色ブドウ球菌や化膿連鎖球菌などの菌が、傷口から入って炎症を起こします。

最初は一箇所虫に刺されただけなのに、掻いているうちに他の部位にまで細菌感染が広まってしまうことがあります。

早めに皮膚科を受診して抗菌薬などを処方してもらって対応する必要があります。

虫刺されの薬について

妊娠中、虫刺されで処方される薬には、どのような薬があるのでしょうか?安全性など気になる点についても、見ていくことにしましょう。

痒み(抗ヒスタミン剤)

虫に刺されて痒みがある場合は、痒み止めの薬を使用します。痒みを抑えるためには、抗ヒスタミン剤を用いるのが一般的です。

抗ヒスタミンの成分は色々ありますが、痒み止めに使われている抗ヒスタミンはジフェンヒドラミンなどです。

炎症(ステロイド剤)

虫刺され痕が赤くなったり、ただれたりして炎症を起こしてしまっている場合は、炎症を抑えるためにステロイドの成分を配合した薬を使用します。

ステロイドの成分にも色々ありますが、プレドニゾロン、ベタメタゾン、ヒドロコルチゾン、フルチカゾン、デキサメタゾンなどが代表的なものです。

ステロイド剤に関しては、副作用を心配する声も多いため、できれば使いたくない妊婦さんも多くいます。

しかし、ステロイドにも色々な種類があり、妊婦さんでも短期間に集中して使うならば問題ないとされるものもたくさんあります。

また、効き目が強いものから弱いものまで幅広くあるので、医師に妊娠していることを相談しておくと、妊婦さんでも安心して使用できる薬を処方してもらうことができます。

ステロイドで一番問題になるのは、医師の処方を無視して自己判断でステロイドを止めたり、勝手に使ったり、強い薬を長期間ダラダラと使うことです。

虫刺されで炎症が酷い場合には、ステロイドを的確に使用することで、劇的に症状を良くすることができます。処方された場合は医師の指示に従ってステロイドを利用するようにしましょう。

市販品の薬は成分の配合が色々

虫刺されの塗り薬は、どのご家庭でも一つや二つは常備されているものです。昔からある虫刺されの軟膏や、液体の市販薬などがありますが、抗ヒスタミンやステロイド剤が色々な配合で入っています。

同じような薬でも、軟膏と液体のもので成分の内容が違うものもあります。はっきりとステロイド剤とか抗ヒスタミンという言葉が表示されていないものもありますので、パッと見ただけではどのような薬の成分なのか分からないということもあります。

そんな時は迷わず薬局の薬剤師さんに成分について説明を受けたり、ステロイドがどの程度含まれているのか、いないのかということを聞くようにしましょう。

また、すでに自宅に常備してある市販薬は検診の際、産婦人科の医師に、使用の良し悪しを訪ねてみると安心です。

市販の薬を使う際の注意事項

抗ヒスタミン剤でも、ステロイド剤でも、妊婦さんはできるだけ薬を使用しない方がいいに越したことはありません。

しかし、虫刺されで痒みがあったり、炎症が起きている場合は、薬剤師さんの説明を聞いて市販の薬を使うようにしても良いですが、特にステロイド剤に関しては、使用する期間を3~5日と短期的に使用することに注意しましょう。

薬の注意事項に「妊娠している時は使用を注意する」と書かれていないものなら、効き目は弱いですが妊婦さんでも安心して使用できますのでおススメです。

薬を使わずに虫刺されに対応する方法

陣痛が来ても慌てずに

虫に刺されても、薬をどうしても使いたくないという人は、以下の方法を試してみましょう。

緑茶のティーパック

緑茶の成分には炎症を抑える働きがあります。そこで、使った後の緑茶のティーパックを冷蔵庫に保管しておいて、虫(特に蚊)に刺されたときに冷たいティーパックを患部にあてます。

殺菌効果があり、尚且つ冷たいティーパックは痒みを抑えて、炎症を起こしにくくしてくれます。

アルコールを塗る

アルコールは、虫刺されの患部に塗ると気化するときに熱を取るのでスッとし、痒みも和らぎます。
アルコールには消毒効果もあるので、細菌感染による炎症を予防する効果も期待できます。

家庭に消毒用のエタノールがあるのであれば、適度に薄めて患部に塗ってみましょう。エタノールがない場合は、手を消毒するための除菌ジェルも効果があります。

レモンの薄切りをあてる

もし冷蔵庫にレモンがあるなら、薄くスライスしたものを患部に乗せても効果があります。レモンなどの柑橘類は抗菌作用があり、炎症を抑えることができます。

ティーツリーオイルをつける

ティーツリーオイルというのはアロマオイルの一種です。ティーツリーオイルは殺菌力が強いとされており、細菌感染を防ぐために利用することができます。

精油を綿棒につけたものを、患部にちょんちょんと付けます。また、肌の弱い人や敏感肌の人はもう少し薄めたものを使ったり、湯船の中に数滴ティーツリーオイルを入れて入浴してみましょう。

ティーツリーの他のアロマでは、レモングラスも効果があります。

バジル

バジルが庭にある人は、摘んできた葉っぱを軽く揉んで出てきた汁を患部に塗ると、痒みが抑えられます。

ミントやタイムの葉でも良いですし、ヨモギや桃の葉、びわの葉を摘んできて使うのも良い方法です。

妊婦さんは虫に刺されないように予防する

虫刺されをあまり軽く見てはいけません。虫によっては腫れや痒みだけではなく、虫を媒介にして感染症にかかってしまい、命をも脅かすこともあります。

虫に刺されないように妊婦さんは特に注意するようにしましょう。

肌を露出しない

虫に刺されないためには、肌の露出をしないことが大切です。

夏場は暑いので手足を出したくなりますが、殺虫剤などを使わないためには虫の多い草むらなどに行くときは長袖や長ズボン、靴下をしっかりと履いて外出するようにしましょう。

虫除けスプレーを使う

虫除けスプレーを、体の露出部分に散布して外出すると虫に刺されにくくなります。しかし、虫除けスプレーの成分が気になるという人は、できるだけ優しい成分のものを使用するようにしましょう。

特にDEETという成分は、国内では乳幼児は使用しないようにという制限があります。

海外ではこの成分を妊婦さんが頻繁に使用することで、お腹の赤ちゃんに精神遅滞、感覚運動強調障害、奇形などの症状があったということも報告されています。

虫除けスプレーはできるだけ、アロマ成分やハーブなど人体に影響がないものを利用するようにしましょう。

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監修:成田 亜希子(医師)

プロフィール:弘前大学卒業後、内科医として地域医療に従事。その傍ら、保健所勤務経験もあり、国立保健医療科学院での研修も積む。感染症や医療行政にも精通している。プライベートでは二児の母。

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