母乳の質を良くする

差し乳と溜まり乳とは?母乳タイプ別特徴と対策



最近は粉ミルクも改良され、粉ミルクで赤ちゃんを育てるママや、母乳が出ない時だけ粉ミルクと混合で育児をするママも増加傾向にありますが、それでも母乳で育てようと考えるママは今でも多くいらっしゃいます。

そんな母乳育児をしていると、耳にするようになるのが「差し乳」と「溜まり乳」です。聞いただけでは何のことかさっぱりわからないこの2つの単語。
母乳育児とどんな関係があるのでしょうか?

そこで今回は、
・差し乳と溜まり乳とは?
・差し乳と溜まり乳、それぞれのメリットデメリットは?
・母乳タイプによって上手く付き合うポイントは違う?

といった方に、「差し乳」と「溜まり乳」について詳しくご紹介します。

「差し乳」と「溜まり乳」何を指す単語なの?

「差し乳」と「溜まり乳」何を指す単語なの?
差し乳と溜まり乳はどちらも母乳の出方を指す単語になります。
医学的な単語ではありませんが、どちらのタイプであるかによって、特徴はもちろんのこと母乳の量や、出にくい時にできる対策も変わってくるのです。

妊娠中からわかれば良いのですが、どちらのタイプであるかを知ることができるのは、産後、母乳が出てみるまではわかりません。

また、ママ個人の体質によるものが大きいため、差し乳と溜まり乳どちらになりやすいかという割合もわかっていないのが現状です。
どちらのタイプであったとしても、気にし過ぎないようにして下さい。

差し乳

差し乳タイプのママは、次の授乳までの間隔が空いてしまってもおっぱいが張らないという特徴があります。

そのため、妊娠前のおっぱいに比べると、感触が柔らかい場合が多くなっています。
代わりに、授乳前や赤ちゃんに母乳を飲んでもらう時に胸が張ってしまうことがあり、溜まり乳タイプのママに比べると、搾乳をしても搾乳がほとんどできないという特徴があります。

差し乳の特徴
・おっぱいが張りにくい、やわらかい
・授乳の間隔があいてもおっぱいが張らない
・普段は柔らかいが、赤ちゃんがミルクを飲み始めると胸が張り始める
・搾乳してもあまり量がとれない

溜まり乳

あまり搾乳できない差し乳に対し、溜まり乳はたくさん搾乳ができてしまうのが特徴の1つに挙げられます。
母乳がおっぱいに溜まりやすく、常に胸もパンパンに張っていることがほとんどです。

授乳時間の間隔を開けすぎてしまうと、溜まった母乳がにじんでしまうこともありますが、差し乳と異なり、赤ちゃんに母乳を飲んでもらうことで胸の張りは落ち着いてくることがわかっています。

差し乳とは正反対の特徴を持っているタイプといえます。

溜まり乳の特徴
・おっぱいが張りやすい
・授乳することで、おっぱいの張りが落ち着く
・搾乳がしやすい
・母乳漏れが起こる

左右でタイプが違うママも

母乳の出方は左右で変わらないように思われますが、ママによっては左右で差し乳、溜まり乳と分かれる場合もあります。
これ自体に関しては、珍しいことではなく体質的な問題であり、身体に悪いところがあるわけではないので、不安に思う必要はありません。

また、左右が差し乳、溜まり乳に分かれることはないものの、時期によって産後すぐは溜まり乳だったのに、授乳が終わる頃になると差し乳に変わってしまうママもいます。

この場合も身体に問題はなく、赤ちゃんの離乳食が始まり、母乳離れすることで作る母乳量が減ってしまうことが理由に挙げられています。

差し乳のメリット

差し乳のメリット
差し乳のメリットはおっぱいが張ることがあまりなく、母乳が詰まりにくいため、「乳腺炎」や「しこりができる」といった、おっぱいのトラブルになりにくい傾向にあります。

また、おっぱいが溜まらないので、乳房から母乳があふれる心配がほとんどありません。

差し乳の不安点と解決方法

差し乳の不安点・疑問点と解決方法
差し乳に対して不安や疑問を持つママさんたちも多いでしょう。ここではそんなママさんたちが思う悩み・不安を解決していきます。

差し乳だと搾乳ができないことが多い

乳首に傷ができてしまい、直接の授乳ができない時や、仕事でどうしても授乳をすることが難しい時など、搾乳をするママは多くいます。

しかし、差し乳タイプの場合、搾乳をしようとしても母乳が出にくく、必要量を搾乳できないことがあります。
現在は粉ミルクも改良されて、赤ちゃんに足りない分を飲ませても良いとされていますが、完母で育てたいと思っているママには、手痛いデメリットといえます。

そんなママたちに少しでも搾乳がしやすくなるような対策をご紹介します。
続けていれば溜まり乳になるというわけではありませんが、少しでも現状がよくなればと思います。

朝一番に搾乳する

朝目覚めたときは、比較的おっぱいが張りやすいのでおすすめです。
少しずつ搾乳を行い保存することで1回分にまとめることもできます

乳房マッサージ

おっぱいをマッサージしてあげることで血管の流れを良くし、母乳のもとになる血液の循環量を増やすことができます。

マッサージのやり方としては、蒸しタオルを準備し、おっぱいを温めながらマッサージしてあげるのがオススメです。
ゆっくりマッサージを行うことで、蒸しタオルの効果もあり、血行も良くなって母乳が出やすくなります。

また、産院などでおっぱい外来などと称し母乳の指導を行っていることもありますので、参加してみるといいでしょう。

赤ちゃんが飲み始めてからのツーンとした感覚は何?

赤ちゃんが母乳を飲み始めると、おっぱいがツーンという感覚になることがあります。
これは催乳感覚といい、母乳が出てくる感覚です。もちろん感じない人もいますが、どちらにせよ問題はありません。

差し乳でも乳腺炎になるの?

乳腺炎は、母乳の残りがたまり、乳管が詰まってしまうことが原因で起こる症状です。
また、母乳のタイプ関係なく、乳口が何らかの原因で上手く伸び縮みせず、乳管が詰まってしまうことも考えられます。

授乳中のママの20~30%の割合でみられるといわれており、中でも溜まり乳タイプのママがなりやすいとされています。

しかし、「なりにくい」というだけであって、差し乳のママでも、乳腺や乳管に母乳が残ってしまっていたりすれば、乳腺炎になってしまうことがあります。

差し乳のママも注意するようにして下さい。

溜まり乳のメリット・デメリット

溜まり乳のメリット・デメリット
ここまで差し乳について紹介してきました。差し乳は何かと不安点が多いように感じますが、溜まり乳にもメリット・デメリットがあります。

溜まり乳のメリット

差し乳が搾乳をやりにくいのに対して、溜まり乳は搾乳をしやすいというメリットがあります。

理由としては、特徴からもわかるように常に母乳が作られている状態で、おっぱいに母乳が溜まっているからです。
そのため、十分な量を搾乳することができます。

また、いつも母乳がたっぷりあるので、赤ちゃんが急に欲しがっても、赤ちゃんを待たせることなく与えることができます。

溜まり乳のデメリット

乳腺炎以外や母乳トラブルになりやすい

溜まり乳は、胸に母乳が溜まっている状態が普通なので、母乳が詰まりやすく乳腺炎をはじめ、乳管炎などの母乳トラブルにも陥りやすいです。

また、溜まっている母乳を赤ちゃんに飲ませなかったり、そのまま搾乳もしないで放っておくと、母乳がじんわりと染み出してしまったり胸の張りによって痛みを感じてしまったりすることがあるのも辛いところです。

母乳パッドが必要になる場合がある

いつも母乳が溜まっているため、母乳がじわじわと染み出してきてしまうことがあります。

そのため、溜まり乳のママは母乳パッドが欠かせなくなってしまうのがデメリットの1つといえます。

絶対必要というわけではありませんし、母乳パッドを使用しなくても大丈夫なママも中にはいますが、溜まりやすい人になってくると洋服が濡れてしまうぐらい母乳が滲み出てしまう人もいるので注意が必要です。

差し乳と溜まり乳、上手く付き合うポイントは?

差し乳と溜まり乳、上手く付き合うポイントは?
差し乳と溜まり乳のメリット・デメリットを確認しましたが、メリットはともかくデメリットと付き合っていくのは、母乳育児をする上でどちらも大変です。

差し乳にしても溜まり乳にしても、上手く付き合っていくポイントはあるのでしょうか。自宅でもできる対策については以下の通りです。

体質の問題なので思い悩む必要はありませんが、対策をとっていても症状が気になるようであれば、1人で抱え込まずに母乳外来を受診するようにして下さい。

片方のおっぱいに偏らない

差し乳でも溜まり乳でも、赤ちゃんに母乳を飲ませる時は、どちらか一方のおっぱいに偏らせないようにしましょう。

左右交互に母乳を飲ませてあげることで、片方に古い母乳が溜まってしまったり、乳房への刺激が減ってしまったりで起こる母乳量の低下を防ぐことができます。

また、左右交互に飲ませておくと、古い母乳が溜まりにくくなることから、乳腺炎などの母乳トラブルの予防にもなります。

母乳トラブルは、差し乳・溜まり乳以外にも、母乳の質などの影響もありますので、これで未然に防げるというわけではありませんが、できる対策を地道に行うようにしていきましょう。

左右違う場合はどうするべき?

一方が溜まり乳、もう一方が差し乳と、左右分かれているママもいるというのは先にも触れた通りです。
授乳をする際には上記にもあるように、交互に左右のおっぱいを赤ちゃんに飲んでもらうようにすると良いです。

その際、先に差し乳の方から飲んでもらうようにしましょう。
お腹が空いている赤ちゃんにたくさん吸い付いてもらうころで乳汁分泌がアップするかもしれません。

溜まり乳は乳頭が硬くなっていることもあるので、赤ちゃんが吸いやすいように授乳前に乳頭マッサージをするなどして、柔らかくしてあげて下さい。

両方差し乳や溜まり乳の人に比べて、ケアが左右異なるのは大変かもしれませんが、赤ちゃんのためにも、母乳のタイプに合った対策をとっていきましょう。

赤ちゃんへの影響は?

赤ちゃんへの影響は?
差し乳と溜まり乳、それぞれに特徴があることがわかりましたが、特に気になるのが赤ちゃんへの影響です。

母乳は赤ちゃんの発育に欠かせないものですから、できるだけ質の良い母乳を飲ませてあげたいと思うのが親心。

とはいえ、差し乳でも溜まり乳でも、赤ちゃんが飲む上では何の問題もないとされています。
むしろ、赤ちゃんに影響が出てくるのは母乳の質なので食生活の改善など対策を練って質を保つことを意識しましょう。

監修:natsumi(看護師)

プロフィール:産婦人科にて勤務後、保育園看護師として勤務中。母子に寄り添うことをモットーに日々働いています。

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