赤ちゃん中心の生活で時間に追われながらも、だんだん考え始めるのが二人目。一人目の妊娠が大変で、一人で満足しようと思っていた夫婦でもそう思うようですから、親の本能といえるかもしれません。
しかし、二人目が欲しいと思っても簡単にできないケースもあります。そんな時は、二人目の妊活に挑戦してみましょう。
妊活とは、妊娠に前向きに取り組んでいく活動のことですが、ここでいう「二人目の妊活」は、どんなことをしていくのでしょうか。
そこで今回は、
・なぜ二人目で妊活をするのか?
・二人目不妊について知りたい
・二人目の妊活では何をすればいいのか?
といった方に、二人目の妊活について詳しくご紹介します。
この記事の目次
なぜ、二人目で妊活?
妊活は、妊娠に中々繋がらない夫婦や、将来的に妊娠を望む女性が取り組んでいく活動ですから、二人目で妊活というのはなんだか違う気がしますよね。一人目を授かっているのだから、妊活なんて必要なさそうという印象です。
しかし、出産人数から見ても平均1.43人と、大半が2人目を妊娠していないというのが現状になります。
そんな中、出産経験のある女性を対象にした調査では、86%が二人目を欲しいと思っているようですから、家庭の事情はあるにしろ、多くの夫婦が一人目はすぐできたのに二人目ができない、「二人目不妊」に悩んでいることが分かります。
二人目不妊の定義
二人目不妊とは、流産の経験を問わず一人目は妊娠できて無事に出産もできたものの、二人目がなかなか妊娠できない状態を指します。
定義としては、一人目の産後の母乳期間を終了してから数えて、二年以上避妊せずに夫婦生活を続けているにも関わらず妊娠に至れない状態を、二人目不妊としています。
全不妊患者の三割がこれに該当するといわれており、特徴としては、一人目は結婚後早く自然妊娠している、不妊検査をしても大きな異常がない、不妊治療を開始してもすぐに妊娠できないといったことが挙げられます。
主な原因
元々、不妊症で考えられる原因はたくさんあり特定できないのが普通ですから、二人目不妊の原因もストレスや卵管、精子など生殖機能の問題など色々考えられます。その中でも一番の理由に挙げられるのが、年齢です。
年をとると同時に体の機能も衰えていく傾向にありますし、現在は晩婚化の影響で出産の時期も、一人目の時点で35歳以上の高齢出産が当たり前の時代ですから、いざ二人目をと思っていたとしても妊娠しづらくなっている可能性は高くなります。
また、一人目の妊娠・出産に問題がなければ可能性は少ないといわれていますが、出産時に多量の出血がみられた場合や、感染症にかかってしまったことにより、子宮の環境が悪くなってしまうことで、妊娠しにくくなることもあります。
一人目が妊娠できたのはたまたまで、不妊の原因は元からあったという場合もありますから、思い当たる節があるようでしたら、婦人科への相談を早めにすることをオススメします。
二人目の妊活を始めるなら
二人目の妊活を始めるタイミングははっきりとは決まっていません。二人目を欲しい!と思った時から始めるのが良いのですが、参考までにいうと、医学的に二人目妊娠のベストタイミングは、一人目の出産から一年半後といわれています。
その時期より早く妊娠すると、早産や出生体重が2500g未満の低出生体重児のリスクが高くなってしまいます。
ただし、女性は出産後、体力回復に努めなくてはいけませんし、体の変化によるトラブルや子育ても待っています。
パートナーである男性にしても家族を支えるために仕事で忙しいでしょうから、目安くらいに思っていて構いません。
経済的な問題や、一人目の子が二歳児の頃に始めると大変な場合もありますので、夫婦でよく話し合ってタイミングを考えましょう。
年齢的なタイムリミットが気になる場合は、その目安を参考の上、妊活を始めるプランを大まかに立てておくのがおすすめです。
二人目妊活の手引き
二人目の妊活も視野に入れると、先に触れたように病院への相談はするべきなのですが、夫婦でできる妊活にも取り組んでいた方がいいといえます。
では、二人目の妊活では、どのようなことができるのでしょうか?
卵子の質を高める
二人目不妊の最大の理由は年齢といわれていますが、それは体の機能が衰えていくとともに卵子も老化していってしまうからです。
つまり、卵子の質を高める活動は二人目を目指すのなら是非とも取り組んでおきたいところです。日常生活でも卵子の為にできる妊活は次のようにたくさんあります。
カリウムを摂る
妊娠力を上げるものや男性にもとって欲しい栄養まで、妊活をサポートする栄養素はたくさんあります。
中でもカリウムは、元気な卵子を作っていくのに必要な栄養源で、卵子に含まれるミトコンドリアに働きかけてくれるのです。
また、カリウムはミトコンドリアを活性化させるだけでなく受精、排卵に非常に重要な要素ともいわれています。
妊活をするにあたり、食事の栄養バランスを心掛けるようになると思いますが、ほうれん草やバナナなどカリウムが多い野菜や果物を食べるようにすると良いでしょう。
野菜や果物には、抗酸化作用があるので、卵子の質が悪くなるのも防止してくれる嬉しい効果もあります。
食材だけで摂りにくい場合はサプリメントを上手く活用すると良いでしょう。ただし、サプリメントの中には過剰摂取し過ぎると副作用が出てしまう物もあります。適量を守って摂取しましょう。
妊活中も安心して飲める葉酸サプリメントは、葉酸サプリの失敗しない選び方と葉酸サプリおすすめランキング!で、ご紹介しています。
体を温める
体を冷やすことで、子宮や卵巣などの機能が低下してしまいます。冷えると血流も悪くなってしまうので、栄養が上手く巡っていかないことも考えられるようです。
つまり、体を温めておくことで、体に良いだけでなく卵子にとっても良い効果が期待できるということになります。
さらに、卵子の質が良くなるだけでなく、排卵もスムーズになり、妊娠の過程で最大の難関である受精卵の着床もしやすくなるのです。
そのために気を付けておきたいことは、コーヒーなど体を冷やす飲み物や食べ物を控えたり、冬場でなくてもお腹まわりを温めておくことも大切です。
野菜や果物など妊娠や卵子を元気にする為に必要な栄養を摂っていく際にも、生で食べるのではなく温野菜や、スープなどの温かい物と一緒にして食べるなど工夫をしましょう。
有酸素運動をする
運動はストレスの発散方法の1つにも挙げられますし、体を温めたり、血流を良くするための有効な手段です。
特に有酸素運動は妊活で必ずといっていいほど勧められる運動で、ウォーキングや軽いジョギングなどが挙げられます。
体へ新鮮な酸素を全身に送り込むことが重要なので、呼吸法を守ればストレッチでもいいのです。酸素を多く取り入れることでミトコンドリアを活性化させることもできますから、運動が苦手な人は深呼吸だけでも1日5回は行って欲しいものです。
運動は毎日できるのが理想ですが、週2、3回でもいいので、二人目の妊活でも是非実践してみましょう。
妊活におすすめの運動については、ヨガやウォーキングは妊活に良いって本当?妊活に良い運動とはで詳しくご紹介しています。
一緒に対策に取り組む
二人目の妊活も、どちらかが頑張るだけでは成り立ちません。確かに、二人目不妊に女性の年齢は大きく関わってくるのですが、この年齢は男性にだって関係してくることです。
女性より老化していくのは緩やかであるものの、35歳以降から男性の妊娠率も落ちてきてしまいます。
男性にも不妊の因子がある確率は40%以上ともいわれているので、妊活をするからには、二人目であったとしても夫婦一緒に取り組むことが必要です。
また、二人目不妊の原因には、体の問題だけでなく。一人目ができたことで夫婦のコミュニケーションが減ってしまうことも理由に挙げられます。
赤ちゃんが中心になってしまうことで相手を異性として見られなくなることはもちろんのこと、妊活をしようにも夫婦の時間が作れないということも原因にあります。
二人目の妊活をするにしても、お互いに相手の思いやりを忘れずに妊活に取り組んでいきましょう。時にはスキンシップをとることも忘れずに!
ストレスは分かち合う
一人目の妊活と同様に、ストレスを溜めないことが二人目の妊活でも大切になってきます。特に二人目になってくると、夫婦揃って慣れない育児に疲労は溜まってきますし、家事と仕事の両立に、ちょっとした事でもストレスを感じてしまいがちです。
ストレスは、女性にとってはホルモンバランスの乱れに繋がり、着床や受精、排卵がスムーズに行われなくなってしまう原因になり、過度のストレスによって場合には、月経が来なくなってしまいます。
男性にしても精子の運動量などが低下し、精子の質が低くなるなど生殖機能に悪影響を与えることが分かっています。
ストレスを溜めないようにするには、普段からイライラしないように自分でも意識することもポイントですが、やはり夫婦で分かち合っていくことが一番効果的です。
妊活をしていると、周囲に話せず1人で抱え込んでしまう人も多いのですが、そんな時悩みを打ち明け理解し合えるのは、やはり一緒にいるパートナーの存在です。二人目の妊活にはお互いの気持ちを確認し合うことも必要になってきます。
ストレス発散に関しては、妊活にストレスは大敵!妊活中のストレスを解消する5つの方法に詳しくご紹介しています。
話し合うだけでなく、一緒に運動をしたり外食デートに行ったりするなど、パパママになっても、夫婦の時間を小まめに作るのもポイントといえます。
病院・自治体の利用
病院に頼らず妊活をしていくことはできますが、二人目がなかなかできない場合には、病院を早めに受診することも大切です。
妊娠しやすい体を作っていくことも妊活ですが、子宮や卵管、男性であれば精子といった生殖機能などに原因があった時、自覚症状がないことがほとんどのため、病院でないと分からない事もあります。
個人差はありますが、病院で治療を開始したらスムーズに妊娠できたという例もあります。すぐに治療に当たることに不安が残る場合には、ひとまず検査だけを受けて体の状態を知っておくという方法もあります。
また、病院やクリニックによってセミナーや相談室を設けているところもありますし、各自治体にもよりますが、二人目不妊に対しての話し合いの場を定期的に作っている場所もあるので、そういった場に参加して相談することから始めてみるのも方法です。
一人がダメというわけではない
赤ちゃんができるまでは、なかなかできないことに悩みます。そう考えると二人目の妊活は贅沢なように思うかもしれませんが、一人目がすぐにできてしまうパターンが多い分、二人目の妊活が決して楽というわけではありません。
基本的に、一人目ができてしまうと二人目はすぐというイメージが強いですから、周囲の二人目に対する期待も高く、それがプレッシャーになってしまうこともあり得るのです。だからといって、一人っ子がダメというわけでは決してありません。
二人いた方が社会性が身に付くという話もありますが、一人であれば一対一で向き合って、愛情いっぱいに育てていくことができます。家庭の経済事情を考えて、無理をしないというのも1つの選択です。
結局のところ、考え方次第でプラスにもマイナスにも捉えることができるということなのです。二人目の妊活は、夫婦だけでなく子育てをしながらしていくものになりますから、一人目の子どものことも視野に入れて二人目の妊活は考えていきましょう。
家族計画を話し合う
二人目の妊活は、一人目の時の妊活と勝手が違ってきます。夫婦共に仕事と家事、子育てを両立していくことになりますから当たり前といえるでしょう。
また、夫婦で話してみないことには、パートナーがもう一人欲しいと思っているかは分かりません。
育児休暇をとる女性にしてみたら、一人目が落ち着いてきたらまた働きたいと思っているかもしれませんし、男性側も、パートナーに働いて欲しいと思っている可能性もあります。
もしかしたら、一人で満足と思っているかもしれないのです。一人目の妊活と同様、二人目の場合も、まずは夫婦で家族計画を話し合い、二人目についての考えを知っておくことが必要になります。
気持ちが一致していないのに妊活を始めても良い結果には結びつきません。せっかく、幸せな新生活を過ごしている最中でもあるのですから、二人目の妊活を始めるなら夫婦で楽しく取り組んでいけるように、納得のいくまで話し合いましょう。
まとめ
二人目の妊活について挙げましたが、生活習慣の面からみれば夫婦一緒にできる妊活のほんの一部です。全てをきっちり行おうとするのが良いのではなく、自分たちの生活で無理なくできることから取り組んでみて下さい。
もう一人欲しい!という気持ちは、子どもができてしまうと強くなる一方だと思いますが、だからこそ焦りは禁物です。周りが早くても、自分たちが思うペースで二人目を迎える準備をしていって下さいね。
監修:Etuko(産婦人科歴12年)
プロフィール:産婦人科医は「女性の一生の主治医である」と考える医師のもと看護師として12年勤務。述べ18万人の妊婦さんのサポートにあたる。筋肉、骨フェチで体幹バランス運動にて機能訓練をおこなっています。