高齢出産にスクリーニング検査は必要?検査内容と費用について

高齢出産にスクリーニング検査は必要?検査内容と費用について



妊娠して新しい命を授かるということはとても尊くおめでたいことですが、高齢での妊娠の場合、「もしかしたら子供が障害を抱えてしまったらどうしよう。」など、手放しでは喜べないママも多いのではないでしょうか。

ずっと不安を抱えたままのマタニティライフではせっかくの幸せなはずの期間なのに辛いですよね。そんな不安を取り除くための「スクリーニング検査」についてご存知でしょうか。

このスクリーニング検査というのは、胎児の染色体に異常がないかを調べられる画期的な検査です。また、この結果次第でさらに先の確定診断を受けることも可能です。

そこで今回は、

・高齢出産なので色々なリスクが心配
・スクリーニング検査について知りたい
・高齢出産なのでスクリーニング検査を受けるべき?

といった方に、スクリーニング検査は一体どんなものなのか、何がわかるのかを詳しくご説明します。

スクリーニング検査とは何?

スクリーニング検査とは何

スクリーニング検査とは「非確定的検査」とも呼ばれる、お腹の中の胎児に異常が起きている確率で示してくれる検査のことです。

この検査を行い、何らかの異常の可能性が見つかった場合、次の段階の「確定検査」へと進めることもできます。

具体的に説明すると「年齢などから予想、計算されるダウン症の子供の確率は1/250くらいですが、あなたの場合は1/1000くらいです。」というような確率的な内容の結果を診断することが可能です。

この時の数値を参考に、確定検査を受けるかどうかを医師と判断したり相談したりするのです。またこの検査は任意で行われるため、必ずしも受けなければいけない検査ではありません。

高齢出産の場合は、やはり異常がないかを心配する女性が多いため、検査を受ける人も多いですが、自然に任せることを決め検査しない女性もいます。

そのため受けるかどうかは自由に選択が可能ですが、出産に不安を感じすぎたり気にしてしまうタイプの女性の場合は、妊娠中のストレスを軽減するためにも検査を受けてみるのも選択の一つとしてあります。

スクリーニング検査の内容は?

スクリーニング検査の内容は

スクリーニング検査をする時期は初期と中期の2つに分かれています。また時期によって検査内容が変わってくるため、ここではそれぞれの検査の時期と検査内容についてご紹介していきます。

初期のスクリーニング検査の内容

初期のスクリーニング検査は主に3種類の検査方法があり、検査を受けるのにもっとも適しているのは妊娠12週頃です。

それ以外の時期の場合も妊娠11週~14週未満の時期であれば検査を受けることが可能です。

①胎児初期超音波検査

胎児の心臓などの重要な臓器や外見上の奇形がないか詳しくしらべる検査のことです。また、染色体異常として多いダウン症候群では初期の頃に首の後ろがむくむように見える特徴があり、首の後ろの厚みを調べて染色体異常の可能性を探る検査を特にNT検査と呼んでいます。

ですが、妊娠初期段階での検査でむくみが見られたとしても、成長している途中で消えていく場合もありますので過度に心配する必要はありません。

しかし、成長してもむくみがあるままや、大きくなり続けている場合は何らかの異常が胎児に起きている可能性を考えてもよいでしょう。

②組み合わせ検査

先ほど説明した胎児初期超音波検査と、母体血清マーカーの2つを組み合わせて行う検査です。

この「母体血清マーカー」というのは、血液検査をして母体の血液中に含まれている「PAPP-A」と「hCG」の2種類を検査して、胎児に異常がないかを調べられる方法です。

「18トミソリー」「ダウン症候群(21トミソリー)」「二分脊椎(開放性神経管奇形)」の3つの可能性をメインに調べますが、あくまで分かるのは確率であり確定診察ではありません。

③新型血液検査

NIPTとも呼ばれる新型血液検査は、正確には「無侵襲的出生前遺伝学的検査」といい、一般的には「新出生前診断」と呼ばれている検査です。

この検査は2013年に日本では導入されたばかりの、母体の血液を採取して胎児DNAを調べることができる新しい方法で、組み合わせ検査と同じ内容を調べることができます。

検査が可能な時期は妊娠早期である10週からで、この血液検査によるリスクはありません。ただしこの検査には年齢制限が設けられており、高齢出産と呼ばれる35歳以上の女性や過去に染色体異常の赤ちゃんを産んだことがある女性、超音波検査などで胎児の染色体異常が強く疑われる女性のみが受けられる検査です。

中期のスクリーニング検査の内容

中期のスクリーニング検査を受けるのは、妊娠15週~22週の間の時期に受けることが可能です。中期のスクリーニング検査にも初期と同じように、主に3種類の検査方法があります。

①胎児中期超音波検査

経膣・経腹超音波検査で胎児の身体に異常がないかを調べますが、この検査はダウン症だけではなく、他のさまざまな器官の異常を調べることもできるのが利点です。

超音波検査の結果、ダウン症候群などの染色体異常の可能性が高く示唆された場合、異常を確定するには確定検査を受ける必要があります。

②クワトロテスト

AFP, uE3, hCG, InhibinA の4つの母体血清マーカーを用いて「ダウン症候群」「二分脊椎」「神経管の欠損」「その他の染色体異常」「多胎児」「胎児の腹壁の欠陥」などの可能性を調べる検査です。

しかし、胎児に特に問題がなく健康な場合でも、ニセの陽性反応が出てしまう場合もありますので、確定検査を受けるかどうかの判断材料くらいにすると良いでしょう

スクリーニング検査にかかる費用は?

スクリーニング検査にかかる費用は

スクリーニング検査は受ける時期などによっても値段が変動します。

初期の検査費用

スクリーニング検査は残念ながら保険適用外の検査となるため、全て自費で支払いをする必要があります。

病院によっても差がありますが、基本的には20,000~50,000円程度になります。この検査費用は「カウンセリング料」「血液マーカー検査料金」などをあわせた費用になります。

また、NIPTの場合にはカウンセリング料なども含めて20万円の前後の費用を要することが多く、気軽に受けることはできない検査でもあります。

中期の検査費用

中期のスクリーニング検査の場合も保険適用外の検査となるため、初期と同じく全て自費で支払いをする必要があります。

基本的には20,000~50,000円程度の場合が多く、この検査費用には「カウンセリング料」「超音波検査」などをあわせた料金になります。

どちらの検査の場合でもいえますが、病院によって元の値段設定の違いにプラスして、かかりつけの病院にある、診断のための装置の精度などによっても診断できる方法や項目が変わってくるため、内容や費用に差がでやすいです。

安い場合10,000円程度で済んだ方もいれば、高い場合は50,000円を超える方もいます。そのため正確に値段を知りたい場合は事前に病院に直接問い合わせて確認してみましょう。

また自分が希望する検査方法がある場合はしっかりと事前確認をしておいたほうが確実です。

スクリーニング検査で異常が見られた場合は?

スクリーニング検査で異常が見られた場合は

もしスクリーニング検査の結果で胎児に異常がある可能性が高いと判断された場合には、さらに詳しく検査をするために「確定検査」を受けることができます。

この確定検査を受けることで、胎児に異常があるかの確定することが可能になります。

ですがこの確定検査を受けるか受けないかは任意で選択できるため、必ずしも受けなければいけないものではありません。

スクリーニング検査での結果や確率を参考に、自分や家族の考えなどをふまえた上でどうするかを選択してください。

先ほども説明しましたがスクリーニング検査でわかるのはあくまで「確率」であり、確定事項ではありません。

確定検査とは何?

>確定検査とは何

スクリーニング検査で胎児に異常がある可能性があると判明した場合、確定検査を受けることで99%の確率で胎児に異常があるかどうかを調べることができます。

検査方法には2種類あり「羊水検査」と「絨毛検査」があります。

この検査を行うことで胎児に異常があるかどうかをほぼ確定させることが可能ですが、この検査には流産の危険を伴うリスクもあるので、全ての要素をふまえた上で検査を受けるかどうかを判断してください。

羊水検査

この検査は母体の腹部に注射をして、お腹の中の羊水から胎児の細胞を採取して検査を行います。

羊水検査は99%以上の確実性があることからも「確定検査」と呼ばれています。

この検査を行う時期は妊娠15週前後で、「21トリソミー」「18トリソミー」「13トリソミー」「2分脊椎症」の4つを高確率で診断することが可能です。

診断の精度はかなり高いのですが、検査の結果が出るまでに最長で4週間程度掛かってしまうのが難点で、結果を待っている間に精神的な不安やストレスを与えてしまう可能性があります。

また、1/300~1/500の確率で流産するリスクがあるので、検査を受ける場合はしっかりとこのリスクをふまえた上で受けてください。

絨毛検査

この検査は、注射で赤ちゃんの胎盤ができる前の絨毛を採取して行います。

この検査も羊水検査と同く、99%以上の確実性があるといわれており、確定検査・確定診断と呼ばれています。

この検査の場合は羊水検査と違って羊膜を破る必要がないことから、胎児のいる羊水空間まで注射の針が届く心配はありません。

検査を行う時期は妊娠9~11週前後で、「21トリソミー」「18トリソミー」「13トリソミー」などの染色体異常や「血友病」「ティ・サックス病」などの遺伝病を高確率で診断することが可能です。

診断の精度は羊水検査同様に高いのですが、こちらの検査も結果が出るまでに2週間程度かかってしまいます。またこちらの検査も1/100~1/300の確率で流産してしまうかもしれないリスクがあります。

スクリーニング検査は参考であり全てではない

スクリーニング検査は参考であり全てではない

スクリーニング検査をすることで赤ちゃんの異常の可能性を探ることはできますが、あくまで確率が分かるのみで確定はできません。

異常があると診断されていても、いざ生まれてきたら何の異常もなかったというケースも多々あります。

ですから診断の結果が思わしくなかったからといって過剰に落ち込みすぎたり、安易に命を捨てるような選択をするのは絶対にやめましょう。

確かに、このスクリーニング検査をはじめとした出生前診断を理由に悲しい選択を選ぶ方もいらっしゃいますが、できるならばこの検査だけを命の選択の理由にしないでください。

結果をきちんと受け止め、家族でしっかりと話し合って最善の答えを選択しましょう。

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監修:成田 亜希子(医師)

プロフィール:弘前大学卒業後、内科医として地域医療に従事。その傍ら、保健所勤務経験もあり、国立保健医療科学院での研修も積む。感染症や医療行政にも精通している。プライベートでは二児の母。

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