妊娠と分かった瞬間から、はじめての出来事に不安を感じるママはたくさんいます。そして、不安に感じる要因はそれぞれです。
そこで今回は、
・マタニティーブルーってどんなもの?
・どんなタイミングでマタニティーブルーになるの?
・マタニティブルーの予防法ってあるの?
といった方に、マタニティーブルーの症状や、なりやすいタイミング、そして後半では、マタニティブルーの予防法をご紹介します。
また関連する不安の解消法もあわせてご紹介していきます。
だれしも、妊娠や出産に大なり小なりの不安を抱えていますが、事前に不安要素を取り除くことができれば、安心して出産に挑むことができます。
この記事がそんな役目を果たしてくれたらと期待を込めてお届けします。
この記事の目次
マタニティブルーとは
妊娠して、出産の痛みに不安を感じる方もいれば、子育てに不安を感じる人、旦那さんとの関係に不安を感じる方など色々あります。
この妊娠期または出産後の気分の落ち込む症状をマタニティブルーと呼んでいます。
この原因は主にホルモンバランスの崩れと考えられていて、誰でも発症する可能性のあるものなのですが、単にそれだけでは片づけられない問題も多いものです。
一番そばにいるはずの旦那さんでさえこの気持ちを分かってくれず、余計落ち込むなんてことも少なくありません。
マタニティブルーの症状とは?
そもそもマタニティーブルーの症状とはどんなものなのでしょうか。
マタニティブルーの症状は、ホルモンの分泌の安定とともに自然とおさまるといわれていますが、当の本人からすればそんなに簡単なことではありません。人によって感じる症状もさまざまです。
マタニティブルーの主な症状
一般には産後などに発症することが多いとされていますが、妊娠中は主に妊娠初期と妊娠後期に発症しやすいとされています。
多くの方が経験したマタニティブルーの症状を見てみましょう。
・些細なことで涙が出たり、悲しくなる。
・イライラが収まらない。
・将来を不安に感じる
・何もやる気が起きない。
・体のだるさや眠気を常に感じる。
などです。
マタニティブルーに陥りやすい方とは?
人それぞれ、不安に感じるなど原因は異なりますが、性格などが要因となるとも考えられており
・まじめな方
・几帳面な方
・心配性の方
に多く発症するといわれています。
物事をきちんととらえ過ぎるあまりに、柔軟な対応ができなくなることもマタニティブルーの引き金になるといわれています。
マタニティブルーのきっかけ
このきっかけも人によってまちまちですが、主にきっかけとなる物事が存在することは分かってきています。主な発症時期を見てみましょう。
妊娠発覚時
生理が遅れていることが分かり、もしかして妊娠したのではと不安や悩みとなることがきっかけでマタニティブルーになることがあります。
病院で妊娠が分かった後でも、本当は喜ばしいことなのに、
・これからの生活が大きく変わることに不安を感じたり、
・薬やお酒を飲んでしまったことを後悔したり、
・中には今まで子供を可愛いと思ったことがないのに、自分が育てていけるのだろうかと心配したり
とさまざまな要因がきっかけとなりマタニティブルーを発症してしまいます。
産院の選び方で不安があれば妊娠したら早めに決めたい!失敗しない産院の選び方も参考にして下さい。
つわりがはじまった時
人によってこのつわりの症状は異なりますが、ひどい方だと家事ができないほどの吐き気に襲われることがあります。
月齢が上がれば、症状は落ち着くと分かっていても、毎日のひどい不快感に精神的に落ち込む原因の引き金となってしまうようです。
つわりがひどい場合は、「吐きつわり・食べつわり」辛いつわりを乗り切る対処法も参考にして下さい。
医師に「安静に」といわれた時
文字通り、切迫流産や切迫早産などが疑われるために、医師から安静と診断された時です。
この子はどうなるのだろう、無事に出産の日を迎えられるのかといった不安要素が数多くあるため、これをきっかけにマタニティブルーになる方も少なくありません。
自宅で安静という場合、家族のサポートを十分に受けることができるためひどくなるケースは少ないですが、入院安静ともなれば、状態も悪いことは必然となり、不安要素はますます大きくなり落ち込む方も多いようです。
経済的不安を感じた時
最近では、妊娠を機に結婚を決意する方も多く、十分に結婚の下準備ができていないことが引き金となってマタニティブルーを発症してしまう方が増えています。
出産費用の準備ができていない、検診に通う費用がない、育児にかかる費用が心配などの理由から、不安要因に火がついてしまうようです。
夫との関係が変わった時
夫婦の形はさまざまですが、自分の夫が急に態度を変えたら不安を感じるのも当然です。
良い方に変わってくれれば心配はありませんが、個人差もあり、相手の望む態度がとれない方もいれば、どう接していいのか分からない人もいることでしょう。
そうした夫の態度の変化を微妙に感じとり不安を覚える方も多いようです。ケンカや言い合いを重ねることでマタニティブルーが悪化することもあります。
妊娠後期
妊娠も終盤に差し掛かり、いよいよ出産を待つばかりという時期になって、分娩に対し不安を感じマタニティブルーになってしまうことがあります。
破水や陣痛への怖さなどから、自分は本当に出産できるのか、赤ちゃんが本当に元気で生まれてくれるのかなど考えてしまう方も多いようです。
今では、全国各地に陣痛タクシーと呼ばれるサービスがあります。陣痛タクシーについては、陣痛タクシーのサービス内容と全国の陣痛タクシーで詳しくご紹介しています。
また、陣痛や破水があったらどのうように対処すればよいのかは、初出産に挑むママの基礎知識「おしるし」と「陣痛」でご紹介しています。
その他
この他にも、さまざまな要因がきっかけとなりマタニティブルーとなることがあります。
旦那さんや姑の些細な発言から将来に不安を感じたために、マタニティブルーを発症するきっかけになることもありますし、周りにサポートしてくれる方がいないことから育児に不安を感じそれがきっかけとなることもあるでしょう。
また、仕事を辞める、休まなくてはならないため、仕事に将来復帰できるかということを不安に感じる方もいるでしょう。
仕事と育児を両立する9つのコツ!産後の職場復帰もこれで安心では、出産後も育児と仕事を頑張るママへ両立のコツをご紹介しています。
マタニティブルーの予防法
ここからは、マタニティブルーの予防や、不安の解消法をご紹介していきます。日常から実行したり、意識してみるとストレスの解消にもなることばかりです。
ママが楽しむ
幼少期に愛情をたっぷり受けていなかったり、旦那さんとの関係に疑問を感じたりすると、ママの心は不安定になり、マタニティブルーにもなりやすく、マタニティブルーになってしまった場合も悪化してしまいがちです。
家族や友達との時間を楽しんだり、自分の趣味や好きな音楽に没頭するなど有意義な時間を過ごすことで改善できることがあります。
精神が安定すれば、赤ちゃんへの母性も正常に機能しはじめ、自然と物事を受け入れることもできるようになるため改善策として効果が期待できます。
まずは、一人きりで悩んでいないで、自分の好きなこと、楽しむことを優先してみましょう。
話を聞いてもらう
妊娠すると体調不良などで自宅に閉じこもりがちになってしまいます。
パパとの会話の時間が持てればいいのですが、仕事で出かけていることの多いパパと会話ができない時には、友達や両親、兄弟、母親教室などで、自分の不安や疑問などをぶちまけてみてはどうでしょう。
人に聞いてもらいにくい悩みなどは、インターネットなどを利用して同じ境遇の方に相談してみましょう。
辛い気持ちを相談してみるだけでも気持ちが落ち着くことがあります。
各市町村の保健センターでは、保健師による相談窓口があり、母親教室以外でも随時、電話での相談もできます。母子手帳に各々の相談窓口が書いてありますので、気軽に相談しましょう。
妊娠・出産について調べてみる
不安を感じる原因であることは、インターネットなどを利用して調べてみるのがおすすめです。
書籍などで勉強してみるのもいいでしょう。同じ悩みの解決法が見つかることも少なくありません。
体調がすぐれない、外出する気分が出ない時でも、自宅に居ながら調べられる方法はいくらでもありますので、妊娠・出産について学んでみましょう。
経済的不安などの解決策もきっと見つかるかもしれません。
このサイト「妊娠育児の情報サイトココマガ」も妊娠や出産について不安のある方のお役に立てるよう、今後も有用な記事をお届けします。
将来についてパパと話そう
はじめての出産・育児をすべて自分で抱え込もうとすると、不安も大きくなりがちです。
子供は二人で育てていくもの、毎日パパも忙しくて時間がなかなか取れないかもしれませんが、一度将来について話合う機会を持ってもらいましょう。
すべての悩みを理解してもらうことはできないかもしれませんが、パパが真剣に考えていることや将来について考えていることを聞くことで、夫婦の信頼関係が深まるかもしれません。
反論やケンカになると関係が悪くなることもあるかもしれませんので、それぞれの意見を述べるだけに留めておきましょう。
実は、これから背負っていく妻と子の将来に不安を一番感じているのはパパです。パパも一年生。一緒に手をつなぐだけでも、不安を共有するだけでも心が軽くなります。
その時になってから考える
まだ、出産時期でもないのに分娩の痛みや破水のことなど不安になることも多いと思いますが、マタニティブルー解決の一番の方法は、不確かなことは神経質にならない、考えないことです。
元気な子が生まれてくるかなどは、事前検査などでも判明しないことも多く、心配したからといって元気な子が生まれてくるわけではありません。
全く心配しなくても元気に生まれてくれることもあると思うことが大切です。
今解決できることだけに目を向け、できない事は諦めると精神的にも楽になることが多いはずです。考え方の転換かもしれませんが、自分を追い詰めるようなことはやめるよう心がけましょう。
一日限定の日を設ける
妊娠中は、体重管理や食事制限など厳しい条件の中で生活を送っている方も多いのではないでしょうか。お酒好きの方は、お酒を飲めないことも、もしかしたらストレスの要因となっているのかもしれません。
こうした制限の数々がマタニティブルーの原因要素になっている場合があります。
きっちり管理して子供が健康に生まれてくれるよう配慮することも大切ですが、たまには好きなものを好きなだけ食べるといったストレス解消法を実践してみるといいかもしれません。
一日限定などと、しっかり決めていれば、体重が急激に増えることも心配しなくていいはずです。
体の不調原因を取り除く
つわりなどの妊娠に伴う体調不良をすべて取り除くことは難しいですが、症状を緩和することはできます。
肩や腰が痛い時には、マッサージにかかってみたり、エステにかかってみたりしてみましょう。最近では妊婦でも受けられるコースを用意している専門店が多くあります。
たまにのご褒美に「リラックスデー」を設けてみましょう。
また、栄養バランスの乱れからくる貧血や便秘、肌荒れなどのトラブルも妊婦さんのストレスをためる原因となります。
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サプリメントなどで不足しがちな栄養素を補い、妊婦さんの体の中からもケアしてあげましょう。
家事なども休業して、自分のためにだけ使う日を作ってみると精神的に落ち着くことも多いものです。
妊娠期の時間を有効利用
今までの独身時期は、仕事などにおわれ、やりたいことをやる時間も少なかったことでしょう。
しかし、結婚し、妊娠してからは仕事からも離れ、出産のために備える時期のため、時間が豊富にある方も多いものです。妊娠しているからといって、すべてを制限してしまってはストレスの引き金となってしまいます。
今までなかなかチャレンジできなかったことにトライしてみると精神的にも充実できます。
例えば、ガーデニングにチャレンジしてみたり、英会話を習ってみるのもいいでしょう。ゆっくり美容室に行ってみるのもいいかもしれません。
また、妊娠中しかできないオシャレを楽しむのも良いでしょう。
今まで時間がなくてできなかったことにトライしてみましょう。マタニティブルーの予防や対策に効果がありますよ。
時には泣くことも必要
家庭を持って、妊娠して、家事などに頑張りすぎている方もいるのではないでしょうか?
しっかりしなくてはなどと自分に言い聞かせ、毎日いっぱいいっぱいの妊婦さんも多いものです。しかし、そんな時は涙も良い解決策になります。
脳生理学者によれば、涙を流すことが直接ストレス解消につながるといいます。
名作といわれる物語を読んで涙を流すのもいいでしょうし、素敵な映画を見て泣いてみるのもいいでしょう。
高い抗ストレス効果がありますので、ストレス解消法として試してみましょう。
まとめ
妊娠だけに限らず、育児でもそうですが、人は新しいことをはじめるとき、新しい環境に身を置くときには誰でも不安を感じるものです。
これはホルモンのせいで、極端に症状としてあらわれていることかも知れませんが、ごく当たり前の感情なのです。
第一子の場合、夫婦関係もまだ始まったばかりという場合が多く、旦那さんはママの心情や感情を察知してくれないことも多いかもしれません。
ですが、こうした積み重ねがお互いを成長させ、信頼関係を築いてくれます。自ら、旦那さんにあなたの抱えている思いを話し、お互いに理解しあうことも時には必要です。
一人で悩まずに旦那さんのサポートも受けながら、ゆっくり時間をかけて妊娠や出産、育児と向き合ってみてはいかがでしょう。
これから数ある人生の困難をクリアしていける深い絆をきっと築けることでしょう。
photo credit: ルーク.チャン.チャン via photopin cc
監修:Etuko(産婦人科歴12年)
プロフィール:産婦人科医は「女性の一生の主治医である」と考える医師のもと看護師として12年勤務。述べ18万人の妊婦さんのサポートにあたる。筋肉、骨フェチで体幹バランス運動にて機能訓練をおこなっています。