これまで旦那様と二人きりの生活だったところに赤ちゃんがやってくると、これまでの生活がガラリと変化します。
日中はお母さんと二人になることが多い新生児の赤ちゃん。一緒にいる時間はどのように接したら良いのでしょう。
遊んだらいいのか、お話したらいいのか、授乳以外の時間には、赤ちゃんとどうやって接したら良いのかよくわからないという新米ママもたくさんいます。
そこで今回は、
・新生児の赤ちゃんとの遊び方とは?
・新生児の赤ちゃんには何か特別な接し方がある?
といった方に、新生児の赤ちゃんとの遊び方や接し方をご紹介します。
この記事の目次
新生児の赤ちゃんの体について
お母さんのお腹の中で成長して産まれてきたとしても、新生児の赤ちゃんは未発達な状態です。
首や腰、手足の関節などの機能はまだ備わっていないので、首と腰は据わっていませんし股関節も開いた状態です。
おすわりやはいはいができるようになるのはもう少し先のことです。手や足の指もまだ自由には動きません。
手や指を使って物や人をつかむこともありますが、反射的な行動なので自分の思った通りに動かせているわけではないのです。
新生児の赤ちゃんは産まれたばかりで、大人や小さい子供と同じように体が動かせるわけではないということを覚えておきましょう。
赤ちゃんと遊んでいるつもりで無理に動かすと関節を痛めたり、脱臼したりする可能性もあります。体を動かすときには体の芯を支えて上げて、優しく動かすようにしましょう。
どんなおもちゃを使えばいい?
新生児の赤ちゃんの体はまだまだ未発達です。指先や手が自由に動かせないので、知育おもちゃやゲーム、ラトルなどのおもちゃを使えるようになるのはもう少し先です。
両手で拍手したり、指先を合わせるなどの動きができるようになるのにも数ヶ月はかかります。
赤ちゃん自身が自分の体をきちんと認識していないので、まずは自分の手を口に入れてしゃぶったりなめたりすることで、少しずつ感覚をつかんでいきます。
おもちゃを用意するのは少し待って、最初は赤ちゃんとのスキンシップから始めましょう。
産まれたばかりの赤ちゃんにも感情はある?
新生児の赤ちゃんは、自分から話かけたり何かを発信したりすることはほとんどできません。唯一の表現方法は泣くことです。
喜怒哀楽といった表情が出てくるのは1〜2ヶ月頃からです。しかし、お腹の中にいる胎児の頃から聴覚は完成しています。話しかけて反応することはほとんどないかもしれませんが、赤ちゃんにお母さんの声はちゃんと聞こえています。
抱っこやおむつ替えは赤ちゃんに声をかけながら行えば、それだけでもスキンシップになります。
新生児の赤ちゃんとのスキンシップには「特別なことは必要ない」といわれていますので、普段から赤ちゃんに話しかけてあげるなど、気軽にできるスキンシップをたくさん取り入れていきましょう。
月齢によって遊び方は違う?
赤ちゃんは日々成長していきます。月齢が大きくなるにつれて体の機能も備わってきて、できることも増えていきます。
ですので、新生児でも0ヶ月の赤ちゃんと3ヶ月の赤ちゃんでは遊び方が変わります。徐々におもちゃなどを使って遊べるようになってきますので、赤ちゃんの成長に合わせて、興味の出そうなものを増やしてあげましょう。
まずは赤ちゃんの欲求を満たしてあげる
新生児の時期はスキンシップよりも先に、生理的な欲求を満たすことが重要です。生理的な欲求というのは、「お腹がすいた」、「ぬれたおむつを交換してほしい」、「暑い・寒いなどの温度調節」など体に起こる不快感のことです。
赤ちゃんは欲求があるときに泣くことで要求するので、お母さんはこの欲求を満たしてあげることが大切です。
要求する・満たしてあげるを繰り返すこと自体が親子のコミュニケーションになり、これらの欲求を満たすことで脳や体の発育や発達に繋がっていきます。
スキンシップなどの赤ちゃんとの触れ合いは、まずはこの欲求を満たしてあげた上でプラスアルファで行います。
どのくらい遊べばいいの?
新生児の赤ちゃんは大人のサイクルとは違って3〜4時間毎に起きて生活します。しかし起きている時間も短いので、その時間内で赤ちゃんが疲れてしまわない程度に遊ぶようにします。
赤ちゃんが起きるタイミングは授乳の時間が多いため、最初はおっぱいをあげるときに声掛けなどのスキンシップから始めましょう。
授乳している時間自体は5〜10分ほどですが、徐々に起きている時間も長くなってきますので、初めは短い時間で少しずつ長めにスキンシップを取っていくようにします。
赤ちゃんとはいつ遊べばいいの?
産まれたばかりの赤ちゃんとの生活は、短いサイクルで授乳と寝かしつけの繰り返しとなり、お母さんも体力との戦いとなる大変な毎日です。赤ちゃんが何も要求していない間にできるだけ休まなくては体が持ちません。
赤ちゃんと遊ぶタイミングですが、お世話の時間を含めて「赤ちゃんと関わっている時間」が遊ぶ時間です。
赤ちゃんとのスキンシップのタイミング
・旦那様や家族が出勤・外出した後のお世話の時間
・昼間のお昼寝時間帯の前後
・旦那様や家族が帰宅した後
・家族がお休みの日
お母さんは授乳やオムツ替えなど、赤ちゃんと接する時間は一番長いですが、家族の帰宅後やお休みの日には、家族みんなで赤ちゃんと触れ合ってあげましょう。
日中の時間帯は赤ちゃんをお世話している時間も含めてスキンシップの時間です。特別なことをしなければいけないかもと身構える必要はありません。
新生児の赤ちゃんとの遊び方
赤ちゃんにとっても、この時期特に必要なのは「遊び」というよりも「スキンシップ」です。3〜4時間ごとに寝て起きてを繰り返しておっぱいを飲むことが、新生児の赤ちゃんの仕事ですし、起きている時間自体もあまり長くはありません。
スキンシップのタイミングは一日のうちに何度かありますが、お母さんはおむつ替えや授乳のときにスキンシップを取りましょう。とにかくたくさん話しかけてあげてください。
決まり事やルールはありません。好きなように好きな内容で話しかけてあげましょう。
赤ちゃんとの抱っこ遊び
新生児の赤ちゃんは抱っこされるのが大好きです。お母さんが抱っこしているとそのまま眠ってしまうこともよくあります。
抱っこしているときに、赤ちゃんに顔を近づけたり逆に遠ざけたり、抱っこしたまま話しかけたりしてみましょう。
抱っこのまま部屋の中を歩き回るなどのバリエーションがあっても良いです。歌いながら体をポンポンと軽く叩いてリズムをつけてあげるのも楽しいです。
オムツ替え時の「ながらべビーマッサージ」
オムツ替えは赤ちゃんの肌にたくさん触れるタイミングの一つです。オムツ替えのときに、一緒にベビーマッサージをしても良いです。やり方がわからなくても特に心配いりません。
力を入れずに赤ちゃんの肌をなでてあげるだけでもOKです。難しく考える必要はないので、くすぐってみたりお腹に顔を近づけてお母さんが口で音を出してみたり、赤ちゃんの肌にキスしてみたり、思いついたことで構わないのです。
オムツ替えをしながら、スキンシップを取ってみましょう。また沐浴のタイミングも赤ちゃんと触れ合うタイミングなので、たくさん触ってあげましょう。
積極的に挨拶をする
赤ちゃんへの声掛けは重要なスキンシップです。新生児のねんね期から積極的に声をかけてあげることで赤ちゃんは家族の声を覚えていきますし、この時期から「おはよう」と挨拶をすることで、赤ちゃんにも自然と挨拶の習慣が身についていきます。
「おはよう」、「おやすみ」、「いただきます」、「ごちそうさま」など、赤ちゃんにも毎日挨拶してあげることで大きくなったときのしつけにも繋がります。
挨拶以外にもたくさん話しかけてあげましょう。授乳中なら「おっぱいたくさん飲んでね」、オムツ替えなら「新しいオムツは気持ちいいね」、それ以外にも「今日はあったかい日だね」など内容はなんでもOKです。
できればポジティブな言葉にしましょう。返事はできなくても、赤ちゃんはお母さんの言葉をちゃんと聞いています。
優しくあたたかい言葉は赤ちゃんを幸せな気持ちにしますし、お母さん自身も明るい気持ちになれます。
特別なスキンシップは不要
このように、新生児の赤ちゃんへの特別なスキンシップは必要ありません。普通に抱っこしたり、体を撫でてあげたり、目を見つめてあげるだけでも十分です。
赤ちゃんの聴覚は胎児のときに完成しているので、特に音や声はよく聞こえているはずです。他にも触覚は発達しているので、肌の触れ合いを楽しみましょう。
ほっぺを触ったり手を握ったり、肌への刺激がそのまま脳への刺激になり成長を促します。余裕があればベビーマッサージなどをしてあげながらのスキンシップがより効果的です。
「何かしないと・・・」と構えずに気楽に赤ちゃんと接してあげるだけで良いのです。
生後0ヶ月の赤ちゃんに絵本や歌はまだ早い?
産まれたばかりの新生児の視覚はこれから完成する器官です。新生児だと視力は0.02くらいで、2ヶ月頃になってようやく0.05くらいになります。そのため、0ヶ月では30センチくらい離れたものはぼんやりとは見えている程度です。
しかし、聴覚はすでに完成しているので、絵本の絵は見えなくても物語は聞こえています。挨拶と同じように新生児の頃から少しずつ絵本を読んであげることで、大きくなってから進んで本を読む子に育ちやすくなる傾向があります。
絵本は寝かしつけのためのものと思いがちですが、0ヶ月の赤ちゃんにもぜひ読んであげましょう。絵本の選び方ですが、最初は自分で読めるようになったときのことも考えて選ぶようにします。
絵本の選び方
・対象年齢が書かれてあるのでそれを目安にする
・色彩がカラフルではっきりとした色使いの本
・舐めたり投げたりしても壊れない装丁や表紙がしっかりとした厚手の本
・いろいろな擬音が出てくる本
・お母さんが読んでいて飽きない本
インターネットで赤ちゃん向けの絵本のレビューを参考にしたり、書店で購入する場合には店員さんに売れ筋を聞いてみましょう。
また、聴覚に働きかけるのであれば、0ヶ月の赤ちゃんへは子守唄を歌ってあげたり、赤ちゃんが出す声を真似して声かけするのも良いです。
外遊びはいつから始めればいい?
新生児の赤ちゃんは、1ヶ月健診が終わるまではほぼ外出しない方が良いです。体の器官や機能が十分に発達していないため、免疫力の低い赤ちゃんは不要な外出で感染症などにかかる可能性もあります。
健診が終わってお医者様からの許可がおりたら、最初は抱っこで庭や玄関先に出ることから少しずつ外の空気に慣らしていきます。
公園に行ったりお散歩ができるようになるのにはまだ時間がかかるので、最初は室内でできるスキンシップから始めましょう。
赤ちゃんと反射遊びをしてみよう
新生児の赤ちゃんは、まだ自分の意思では体を動かしたりすることはできませんが、体が持っている反射の機能は働きます。
刺激によってお母さんの手を握り返したりする反射にはいろいろな種類があるので、この反射を使って赤ちゃんと遊んでみましょう。ただし遊びすぎて赤ちゃんの関節を痛めないように注意してください。
把握反射(はあくはんしゃ)
手を握ると赤ちゃんからも握り返してくれる反射です。手の指だけでなく足でも反射するので、足の裏や指をくすぐってみましょう。
くすぐったいときは赤ちゃんも反射で体を動かすかもしれません。嫌がるようならやめてあげてください。
吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)
吸啜反射は赤ちゃんの口に入ってきたものを強く吸う反射です。母乳を飲むために乳首を吸うための反射機能です。
そろそろ母乳の時間だな、という頃にほっぺたをつつくと反射が起こることがあります。
モロー反射
赤ちゃんが急な大きな音や刺激に対して驚くことで起こる反射です。手足を大きくびくつかせて、抱きしめるような格好になります。
モロー反応も原始反応の一つで、この反応を知らないお母さんは赤ちゃんが突然前触れもなくビクッとすることがあり驚くことがあります。
寝ているときに行うと起こしてしまうため、赤ちゃんが起きているときに、耳元で指を鳴らすなどの音を出して遊んでみましょう。あまり大きすぎる音はびっくりさせてしまうので注意してください。
足踏み反射
赤ちゃんの脇の下をしっかり支えてあげます。両足で軽く地面に立つような恰好になると、足を交互左右に踏み出して歩くような仕草を見せる反応が、足踏み反射です。
新生児の赤ちゃんは首や腰が据わっていないので、しっかりと支えてあげましょう。お母さんで不安なときはお父さんが抱っこして支えてあげるようにします。
非対称性緊張性頸反射(ひたいしょうせいきんちょうせいけいはんしゃ)
あまり聞いたことのない名前ですが、仰向けに寝ている赤ちゃんの顔を横向きにしたときに起こる反射です。顔が向いている方向の手足は伸び、逆の手足は曲がるという動きをします。
この反射は赤ちゃんが興味のあるものに手を伸ばして触る動作へと発展する大切な体の機能の一つとなります。
他にも赤ちゃんの原始反射はたくさんあります。詳しくは新生児の原始反射について知りたい!どの赤ちゃんにも起きる?の記事にてご紹介しています。
難しく考えずまずはスキンシップを大切に
なかなか接し方のわからない新生児の赤ちゃんですが、難しく考える必要はありません。普段のお世話の中での触れ合いや、朝起きたとき夜寝るときの挨拶など、特別なことではなく日常で赤ちゃんとスキンシップをとることを大切にしてください。
赤ちゃんもお母さんの声がいつも聞こえていることで安心しますし、刺激があることで体の発育や発達も早まります。
赤ちゃんは日々成長して大きくなっているので、すぐに遊び方も増えてきますよ。