新生児が成長していき、よちよちと歩き始めるのは、お母さんにとってもお父さんにとっても非常に喜ばしいことです。
ですが、同時にちょっとでも目を離すのが怖くもなってしまいます。
実は、新生児の死亡原因として事故というのは意外と多いものになっています。厚生労働省の新生児の死因調査では、事故は4位になっています。
そこで今回は、
・新生児が起こす事故とは?
・赤ちゃんの事故を防ぐには?
といった方に、新生児をはじめとした赤ちゃんの事故の原因についてご紹介します。お母さんとして、事前に新生児の事故につながる事案を知り、予防しましょう。
この記事の目次
赤ちゃんが遭遇する事故とは
赤ちゃんが起こす事故とは、私たち大人ではちょっと想像できないところにも潜んでいます。まずは、どのような事故を起こしてしまうのか確認しておきましょう。
多いのが窒息や誤飲
新生児の死因として多いのが窒息です。特に、生まれてから間もない時期の子どもは呼吸する力も弱く、タオルケットが顔に掛かるだけでも危険な状態です。
また、4歳までの子どもに関しては歯がしっかり生えておらず、硬いものを噛む力が弱いです。
プチトマトや氷などを飲み込んでもかみ砕くことができないため、喉をつまらせてしまうことがあります。他にも大きな肉やソーセージ、キャンディーなども同じように危険です。
窒息と同じく誤飲にも注意が必要です。歩き始めて何でも手にする時期になると、とりあえず口に含んで試そうとします。
そのとき、タバコなどを誤飲して大きな事故につながるケースが非常に多いです。タバコを口に含むと、最悪の場合は死に至ります。
他にもお酒やボタン電池、ビー玉やブロックなどを飲み込んで窒息死してしまうケースが報告されています。
転倒・転落などの事故にも注意
新生児が寝返りなどを始めると、ベビーベッドからの転落事故などが発生するケースがあります。
また、つかまり立ちを始めた子どもも、ベッドから出ようとして落下するケースがあるので注意が必要です。
ほかにも、ハイハイを始めると、階段などの段差から落ちて事故死となってしまうことも多々あります。
赤ちゃんの頭は非常に重く、首や体でバランスを取るのがまだ難しいです。そのため、転落するときは頭から落ちてしまいやすいので非常に危険です。
死に至らなくとも、壁やテーブルにぶつかることも多々あります。
また、赤ちゃんが歩き始めたときは転びやすく、転倒事故が多くなってきます。元気に走り回る赤ちゃんを見るのは非常にかわいらしいのですが、どこかヨタヨタしていて危なっかしいです。
ですので、家の中ではすべりやすい靴下などは履かせないほうが得策です。フローリングや浴室などでも急に滑ってこけることもありますので、目を離さないようにしましょう。
外などでも道が凸凹していると転びやすいで、しっかり手を握って一緒に歩いてあげてください。
何でも触る、どこにでも行く赤ちゃんは危険
赤ちゃんは歩き始めると、とにかく何にでも興味を持って触れようとします。
そのため、熱いやかんだとわからずに触ってしまいやけどをすることが頻繁に起こっています。
ほかにもストーブや熱いお鍋、スープや汁物をこぼす、炊飯器の蒸気に触ってもやけどしてしまうほど、赤ちゃんの体はまだまだ未発達です。
また、赤ちゃんはどこにでも歩いていこうとする性質を持っています。そこには危険意識がないので、水などがたまった場所に近づいて、溺れてしまうケースもあります。
特に、お風呂の残り湯に誤って入ってしまい、溺れてしまう事故は多くあります。
お風呂は蓋をするなどの事前策を講じて、水の事故を起こさないようにしておきましょう。一緒にお風呂に入るときでも、目は離さないようにしておきましょう。
家の何気ない場所も新生児にとっては危険
新生児はまだ体が未発達で、小さいだけでなく体のつくりも弱いです。そのため、リビングなどのテーブル1つとっても、子どもにとっては危険が潜んでいます。
赤ちゃんはとにかく元気に動き回り、距離感もわからずに走ることもあります。
また、前方を注意せずに走ることもありますので、リビングテーブルの足にぶつかって転倒することも考えられます。
子どもがぶつかった拍子にテーブル上のものがひっくり返り、さらなる二次災害が起こることだってあるのです。また、イスの角などにぶつかって目をケガすることもあり得ます。
寝室のベッドで寝かしていれば、そこから出ようとして転倒することもあります。また、不意な寝返りが大きな事故を引き起こす可能性もありますので、十分な安全対策を考えておきましょう。
キッチン・お風呂は特に注意!
新生児を育てる上で特に注意したいのが、キッチンやお風呂回り。キッチンには包丁をはじめ、新生児にとっては危険なものがたくさん並んでいます。
新生児が何かのタイミングで危ない調理器具を手にしないように、絶対に手が届かないところへ保管しておきましょう。
また、何かの事故で危険物が落ちてしまったときも、新生児が手にできない状態にしておくことがベストです。
キッチンと同様に、お風呂場や洗面台への配慮も必要です。まずは、新生児がお風呂場で溺れないにしておくことが必須です。
小さい子どもは、私たち大人が思っている以上に簡単に溺れてしまいます。また、水難事故だけでなく、シャンプーや洗剤などの保管もしっかり考えておく必要があります。
誤って新生児が誤飲しないように注意を払っておきましょう。
0か月~3か月の間は窒息に注意
新生児に多い事故としてトップに上がるのが窒息事故です。寝て過ごすのでほとんど心配がないように感じますが、生まれて間もない時期は呼吸器官が未発達で非常に弱々しい状態です。
日本だけでなく海外でも新生児の窒息しは多く、その原因にはタオルケットやクッションを使ったものが多くあげられています。
新生児の呼吸器官は弱いため、実はタオルケットが顔に掛かっただけでも呼吸ができなくなってしまいます。
同じくブランケットやクッションも同じで、顔をうずめてしまうと呼吸ができなくなってしまうのです。
対策としては硬めのシーツや布団を使うことや、ぬいぐるみも置かないこと。硬めの布団で不安なときは、厚めのスイーパーなどを利用する手があります。そして、必ず仰向けに寝かせましょう。
はじめのうちは抱っこに慣れず、落としてしまうことも
新生児の事故として多いのは、実はお母さんやお父さんが子どもを誤って落下させてしまうケース。
自分には絶対に起こらないと思っている方も多いかもしれませんが、柔らかくて体にあまり力の入っていない子どもを抱き上げるのは、想像以上に難しいです。
そのため、軽々と抱っこしてしまい落してしまうケースもあります。
新生児を抱っこする場合は、体全体で小さな体を包み込むように抱っこしてあげましょう。
また、慣れない場合や落としてしまう危険性があるときは抱っこ紐を利用するのがおすすめです。
ソファで寝かせるのは危険
家事や育児の合間に、新生児をちょっとソファなどに寝かせることがあります。しかし、寝返りを打ちはじめた子どもは、ソファから転落してしまうこともあるので注意しましょう。
ちょっと寝かせたい場合でもベッドに移すか、床に昼寝用の布団を敷いてあげたほうがリスクは減ります。
転落事故の場合、新生児は頭から落ちて大きなけがにつながることがあります。思わぬ事故につながることもありますので、ソファに寝かせず子どもの安全を優先してあげてください。
3か月ごろになると転落も危険
新生児が育ってくると、寝返りを打つようになります。体が少しでも動き始めると、ベッドから転げ落ちるなどの転落事故が発生してしまいますので注意しましょう。
ベッドの手すりなどはしっかり固定し、隙間から落ちないかどうかもチェックしておくのが望ましいです。
また、寝返りを打つことで窒息死が起こる可能性もあるので目を離さないようにしましょう。
できるだけ仰向けにすることを心掛けて、寝返りを打って危険があれば直してあげるようにしてください。
6か月から8か月では、行動範囲が広がります
生後6か月頃を迎えると、赤ちゃんはおすわりができるようになってきます。おすわりをすることで視野が広がり、目に入るものすべてに興味が出る時期です。
その興味を持ったものに近づこうと体を動かそうとするので、座ったままで動こうとして転がったりします。そのとき、頭をぶつけるなどの事故は発生します。
また、手を変な付き方をするなどの事故も多いため、子どもの周りに危険なものは置かないようにしましょう。
目に入るものに近づかないように、ベッドの中に入れると共に、柵にもクッションを付けてケガしないような配慮をしておきましょう。
また、子どもが体を動かして興味の対象へ近づいたとき、絶対に手が届かないようにしておく必要があります。
はいはいをし始めると、本格的に目が離せない
赤ちゃんが8か月目を迎えると、ハイハイをするようになり、行動範囲が一気に広がっていきます。
どんどん動いていくので、お母さんがちょっと目を離した隙に危険な場所へ向かっていることが多くなります。
子どもが8か月を迎えた頃には、絶対に目を離さないように心がけておきましょう。
ハイハイができると、階段や段差からの転落や、ベランダ・お風呂場への浸入などが考えられます。
こうした場所に子どもが向かうのは危険なので、戸締りや子どもが入れないような対策をしておくことが必要です。
また、事前にベビーサークルを作って子どもが動ける範囲を決めておくのも得策です。
ハイハイで近づいた先で様々なものを口に入れたり、手を出したりするのも、この時期特有の行動です。
コンセントに指を突っ込もうとすることもあれば、扉やふすまの隙間に指を入れようとすることもあります。
どんな小さなものも口にいれる時期でもありますので、危険物や小さいものを絶対に床や机に置かないようにしましょう。
安全面を考えれば、この時期は引き出しや扉に簡易ロックを施すことも必要です。
11か月から1歳は、危険だらけの時期
赤ちゃんが生まれてから11か月もすれば、座るだけでなく立とうとしてつかまり立ちを始めます。
つかまろうとさまざまなものに手を伸ばすので、コードや机、いすにもたれようとします。その際、子どもの体重によってイスなどが転げてしまうと、子どもも一緒に転倒するので非常に危険です。
子どもが手に取って引っ張る・体重を掛けて立ち上がろうとするものは、できるだけ隠しておきましょう。
また、ドアに手を挟みやすい時期でもありますので、ロックなどは厳重にしておきます。
歩き始めたとき、嬉しさと同時に危険度もアップ
赤ちゃんが1歳にもなれば、いよいよ家中を歩き始めます。子どもの成長は非常にうれしいところですが、同時に危険度がもっとも上がる時期といっても過言ではありません。
キッチンの棚を開けてしまう、洗面所で歯磨き粉を誤飲する、コードを引っ張って電子機器の下敷きになるなど、さまざまな事故が想定されると共に、私たち大人では想像もできないようなトラブルも巻き起こしてくれます。
大き目のイスによじ登り、誤って転落することもあります。
子どもが1歳になって家じゅうを歩き始めたときは、お母さんもお父さんも本当に目が離せない時期となります。
とにかく危険な場所にクッションを置くと同時に、転落事故につながるようなものを撤去していきます。
それと同時に、危険なものをテーブルなどには絶対におかず、手の届かない場所で保管しておきます。
かなり大変な時期ではありますが、歩き回ってさまざまなものに興味を持つのはすくすくと子どもが成長している証拠です。
温かい目で見守ってあげると共に、危険なものを取り除いてあげましょう。
まとめ
新生児をはじめとして、子どもに巻き起こる事故は多く、死因としても非常に大きなものになっています。
私たち大人では想像できないようなことでも赤ちゃんにとっては危険で、細心の注意を払う必要があります。
0歳児のときは呼吸器官も弱く、タオルケットが顔にかかるだけで窒息死に至るケースがあります。
他にも、寝返りによる窒息死もケースとして報告されているので、しっかりと目を光らせておきましょう。
子どもが座ったり歩き始めたりすると、家のあらゆるところに事故の危険性が潜んでいます。子どもの目線にお母さんがなってあげることで、未然に事故につながる場所を取り除いてあげることができます。