卵巣出血は妊娠に影響がある

卵巣出血は妊娠に影響がある?出血が起こる原因と予防する方法



定期的に生理が訪れる女性は、突然の出血があっても生理日に近いようであれば、あまり気にしない人がほとんどではないでしょうか?

しかし、生理でないにも関わらず出血が起きてしまうと話は別です。身体に何が起こっているのか見えない分、不安になりますよね。

出血の直前に下腹部に強い痛みを感じた場合、その症状は卵巣出血の可能性が考えられます。

そこで今回は、

・卵巣出血って何?
・どうして卵巣出血は起こってしまうの?
・卵巣出血があると妊娠に影響がある?

といった方に、卵巣出血の原因や、妊娠に影響があるのかどうかについて、詳しくご紹介します。

卵巣出血とは?

卵巣出血とは

読んで字のごとく、卵巣出血は卵巣内で出血が起きてしまうことです。

もっと細かくいうと、卵巣内に何らかの原因で傷ができてしまい、卵巣内の血管が断裂することで腹腔内に出血が起きている状態を指します。

また、卵巣は左右に2つ存在する臓器ですが、この症状は卵巣の構造から右側の卵巣から出血することが多いといわれています。

左側の卵巣の傍にS状結腸があり、それがクッションのような働きをするために出血が起きにくいと考えられており、確率から見ても右側卵巣で起こる出血は全体の90%となっています。

卵巣出血はどんな症状があるの?

卵巣出血が起こる際には下腹部痛があります。これは主要な症状としても挙げられ、酷い場合には激痛を及ぼすこともあります。

また、卵巣出血という名前の通り、出血も症状の1つです。痛みに関しては、この出血の量や、その時の体調によって症状が左右されることもあり、人によっては軽い生理痛程度で終わってしまうこともあります。

ただし、出血が多い場合には激痛が襲うだけでなく、吐き気や貧血、下痢、最悪の場合には出血性ショックになってしまうこともあるので、注意するようにしましょう。

卵巣出血が起こりやすい年齢

卵巣出血が起こる年齢は、残念ながらはっきりとはわかっていません。卵巣出血が起こる原因はいくつかあり、それによって時期も異なります。

全体的な統計で確認してみると、20~30代の女性に発症しやすいという説もありますが、結局のところは、生理が始まる12歳頃から、閉経を迎える52歳頃まで年齢関係なく、生理周期全体を通していつでも起こる可能性が高いです。

年齢に関しては参考程度に考えておきましょう。

卵巣出血が起こる原因は?

出血量によっては、症状が酷い場合もあることを考えると、卵巣出血にならないように、原因に考えられることはなるべく避けるようにしたいところです。

しかし、体内にある卵巣が出血してしまうほどの原因とは一体何なのでしょうか?

卵巣出血は、その原因によって以下の3種類に分けることができます。種類によって、どんな原因が考えられるのでしょうか?

特発性出血

突然出血が起きてしまうと病気を疑ってしまいますが、卵巣出血が起きてしまう原因には、特定の病気や異常などではなく、生理的な原因によって起こる場合もあります。

そのような出血を特発性出血と呼び、生排卵時などに起こる生理的出血の重症化や、月経のメカニズムに何らかの原因が加わった場合に起こった出血などがあります。

この他にも原因をいくつか挙げることができますが、卵巣出血になる人の多くは、この特発性出血の場合が多くなっています。

内因性出血

特発性出血に対し、内因性出血は生理的なものではなく、出血を起こしてしまう因子を原因に挙げることができます。

血液を固まりにくくする抗凝固剤、排卵誘発剤の服用や血液凝固異常といった病気などがその中に含まれます。

また、子宮外妊娠や子宮内膜症、子宮頸がんといった病気をきっかけに出血を起こす場合も、この内因性出血に挙げることができます。

この場合、病気はきっかけであって、その病気から急性腹症(婦人科の症状が急激におこることで腹痛が発症すること)を引き起こすことで出血をしてしまうと考えられています。

子宮頸がんなどの病気は女性なら誰でも患う可能性があり、妊娠にも関わってくる場合もありますから特に注意したいところです。

外因性出血

内因性出血と対極をなすのが外因性出血です。この出血の場合、外部からの要因、例えば下腹部への強い衝撃や、卵巣へ直接外傷を与えてしまうことが原因です。

また、不妊治療を受ける際に体外受精を選択する人もいますが、その際に行う体外受精時の採卵も、この外因性出血の原因として挙げられます。

この他、内因性出血と同様に、子宮内膜症など他の病気で卵巣が傷付けられ出血に至った場合も、外因性出血の原因に挙げることができます。

卵巣出血の共通点

特発性、内因性、外因性とさまざまな原因が考えられる卵巣出血ですが、発症するにあたって共通点がいくつかあります。

その1つが、月経周期の黄体期にあたる15~28日に発症しやすい、もう1つが性交を24~48時間以内の間にしているというものです。

理由としては、卵巣出血の中でも黄体出血が多いこと、性行為をすることによる刺激、または元々できていた傷が広がることで出血を起こすことが考えられています。

どちらも90%と確率からみても高いので、発症しやすい年齢がはっきりしないことも踏まえ、以上の点には注意するようにしたいところです。

卵巣出血の名称はさまざま

卵巣出血は発症した時期によって名称が変わります。

例えば、もっとも発症しやすいとされる特発性出血でも、妊娠初期にあらわれる妊娠黄体出血や排卵をきっかけに出血しやすい卵胞出血などと呼ばれます。

他の病気のサインである場合も

他の病気のサイン

卵巣出血が起こった際の症状として、下腹部の痛みに伴う出血、症状が酷い場合には下痢、吐き気などの症状が見られます。

ですが、卵巣出血の症状は紛らわしい部分もあり、他の病気のサインである可能性もあります。卵巣出血に似た症状で考えられる病気についてまとめると、次の通りです。

虫垂炎

虫垂と呼ばれる、右下腹部にある盲腸から出た細長い器官が炎症を起こした状態のことで、主な症状としてみぞおち付近に痛みがあることが挙げられます。

その他、嘔気や食欲不振などの症状が見られることもあります。

卵巣出血と異なる部分は、時間が経過するごとに痛みが右下腹部へと移動していくことがあること、また卵巣出血にはない発熱の症状が見られるようであれば虫垂炎の可能性が高くなります。

また、卵巣出血が年齢がはっきりしないのに対し、虫垂炎の場合10代から20代の年齢層の発症が若干多いのも特徴。放っておくと痛みが悪化する恐れがあるので気を付けましょう。

チョコレート嚢胞の破裂

チョコレート袋胞とは、卵巣内に発生した内膜症のことで、子宮内膜症を原因とする疾患に挙げられます。

ちなみに、ここでいうチョコレートとは、生理の際の出血で作られる袋(嚢胞)の中にある経血が、時間の経過と共に酸化、それによってドロッと溶けたチョコレートのように見えることからです。

このチョコレート嚢胞は、破裂してしまうと卵巣出血のように痛みを伴うことがあります。痛みの感覚としてはじわじわっとした腹痛があり、虫垂炎と同様に発熱が生じる場合もあるので注意が必要です。

子宮外妊娠

子宮内膜に受精卵が着床することで妊娠が成立するのに対し、子宮外妊娠の場合、子宮内膜以外の場所で受精卵が着床してしまいます。

理由としては、卵管から子宮内へ移動する際に、何らかの理由で辿り付けなかったことが挙げられ、卵巣や腹腔内、卵管で発生します。

特に、卵管での子宮外妊娠は、放っておくと受精卵が細胞分裂を繰り返してしまうので、最終的には卵管が耐えられずに破裂してしまい、突然の腹痛に襲われることがあります。

子宮外妊娠に関しては卵巣出血と似ているだけでなく、放置することで母体の安全にも影響が出てしまうので気を付けるようにして下さい。

腹膜炎

肝臓や胃などの腹部の臓器を覆う外側、横隔膜や骨盤底などを覆う膜が炎症を起こしてしまう病気で、急性腹膜炎と慢性腹膜炎の2つに分類することができます。

症状としては、卵巣出血の酷い場合と同様に、急激な腹痛があります。人によっては我慢できないほどの痛み、未だかつてないほどの痛みを感じます。

痛みのあまり、動けなくなることもあるので注意が必要です。

また、虫垂炎やチョコレート嚢胞と同じように、発熱などの症状が見られる場合もあるので、これらの症状に心当たりがある場合には腹膜炎を疑ってみましょう。

4つほど卵巣出血と似たような症状をもつ病気を挙げましたが、挙げたもの以外でも卵巣出血と似たような症状を持つ病気は多くあります。そのため、痛みを感じた場合、我慢できるような痛みであったとしても、なるべく早めに病院を受診するようにして下さい。

卵巣出血かもと思ったら

卵巣出血が疑われる症状が見られた場合には、病院を受診することが大切になります。

受診した際には、妊娠の有無の確認の後、エコーによる出血状態の確認や、子宮と直腸の間で、腹腔内でももっとも下にあるダグラス窩に出血がないかどうか、妊娠検査が陰性、もしくは子宮外妊娠など正常な妊娠でなかった場合には、CTを使用した腹水の観察も行われることになります。

それらの検査を総合して卵巣出血なのか、他の病気なのか診断を下します。

妊娠に影響はないの?

妊娠に影響は

さて、もし万が一卵巣出血になってしまった場合、気になるのが妊娠への影響です。

卵巣は妊娠するにあたり欠かせない臓器の1つですから、そんな場所で出血が起こってしまうと、妊娠するのが難しくなってしまいそうなイメージがあります。

ですが、卵巣出血になってしまったとしても排卵機能に問題さえなければ、妊娠に影響が出ない場合がほとんどです。

ただし、卵巣出血の原因が内因性、例えば子宮頸がんなど、子宮内の悪性腫瘍が原因で出血してしまっている場合、症状の進行具合によっては妊娠に悪影響が出てしまう可能性が高いので注意するようにして下さい。

卵巣出血の治療法について

卵巣出血の治療法は、出血量が500ml以下とさほど多くなければ絶対安静が基本になります。

これは、その時の容体にもよりますが、ほとんどは短期入院、もしくは自宅療養になります。
短期入院の際には、それに加えて点滴を行うこともあります。

この治療法で80%の卵巣出血は改善するといわれており、これらの治療法を続け、経過観察を行いながら出血が自然に治まるのを待つ形となります。

出血量が多い場合は手術をすることも

ただし、出血量が500ml以上で血圧が下がるなど容体が危うい状態であれば緊急手術を行う場合もあります。

方法としては、腹腔鏡手術もしくは開腹手術の2つです。エコー検査、血液検査の結果を参考に手術を行うかどうかが決定します。

これらの手術の主な目的は止血を行うことで、最近は跡が小さくて済むということもあり、腹腔鏡手術が一般的になりつつあります。

手術内容に関しては、患者の年齢や出血量、また、今後の妊娠の希望などで決まります。そのため、手術をしたからといって必ずしも妊娠に悪影響が出てしまうわけではないので安心して下さい。

卵巣出血に予防法はある?

卵巣出血に予防法は

主に特発性出血の発症が多い卵巣出血は、これといった予防法がありません

出血の原因を元に対策を考えるとするなら、出血が起こりやすい黄体期(生理予定日の1週間前位)に性交を控えたり、体外受精など卵巣を傷付けてしまう恐れのある不妊治療をしない、ピルを服用して排卵を調整するということが挙げられますが、妊娠を希望しているのであれば、あまり活用できない予防法といえます。

そのため、予防は難しいというのを前提に、急激な腹痛など少しでも異変を感じたら病院を受診する、というスタンスでいることが望ましいといえます。

不安に思ったら病院へ!

妊娠を希望している場合、卵巣の出血はできるだけ避けたい症状です。

しかし、卵巣出血は生理的な要因で引き起こされる場合が多く、有効的な対策もあまりありません。

そのため、突然の痛みや吐き気など症状があった場合には我慢せず、病院を受診することが大切になります。

出血の量にもよりますが、基本的には手術をしなくても治療が期待できるものですから重症化する前に医師へ相談してみましょう。

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