妊娠と甲状腺の関係

妊娠と甲状腺の関係とは?バセドウ病や橋本病ってどんな病気?



甲状腺の病気があると、妊娠しにくかったり、仮に妊娠した場合にも、流産や早産のリスクが増えるといわれています。

また妊娠後、甲状腺の病気だと突然宣告されてしまう方も少なくありません。

甲状腺は内分泌臓器と呼ばれ、脳下垂体や、卵巣、精巣などと同じくホルモンを作り、分泌する働きがあります。

そのため、妊娠とも深い関係があるとされています。

そこで今回は、

・甲状腺って何?
・甲状腺の病気とはどんなもの?
・甲状腺の病気は妊娠にどんな影響を及ぼすの?

といった方に、甲状腺と妊娠の関係について詳しくご説明します。

甲状腺とは

甲状腺とは

甲状腺とは、首の前側に位置し、喉仏の下にある小さな臓器です。気管で結びつくように左右対称に広がっており、例えるなら蝶のような形をしています。

甲状腺は非常に柔らかい組織でできているため、自分で確認することは難しい臓器ですが、痩せている女性の場合、触って確認できることもあります。

甲状腺は主に、甲状腺ホルモンやカルシトニンを生成し、血液を通じて分泌しています。

ここから分泌される甲状腺ホルモンには、体の新陳代謝を正常に保つ働き、つまり、全身の活動を支える働きがあります。

体にある細胞のほとんどが、甲状腺ホルモンに反応して活動していることから、生きていくために不可欠なホルモンともいわれています。

こうしたホルモンの分泌を役目とする臓器は、内分泌臓器と呼ばれており、脳下垂体や卵巣、精巣など、妊娠と深く関係する臓器も同じ役目を担っています。

ホルモンと密接な関係がある臓器ということもあり、妊娠とも関係性の深い臓器なのです。

甲状腺の病気とは?

甲状腺から分泌されているホルモンが正常に分泌されない場合、甲状腺の病気と診断されます。

甲状腺ホルモンはたくさん出すぎても、少なすぎても良くありません。そのため、主に2種類の病気が代表的な病気として挙げられます。

甲状腺ホルモンが多く出すぎてしまう病気を、甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)と呼んでおり、甲状腺ホルモンの分泌が少ない病気を甲状腺機能低下症(橋本病など)と呼んでいます。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)とは

甲状腺から甲状腺ホルモンが大量に分泌されることで、さまざまな症状を引き起こす病気です。

甲状腺機能亢進症のうち8割も、バセドウ病が占めるといわれています。

体の新陳代謝が活発になりすぎるので、大量の汗をかく、寝付きが悪い、動悸や手足の震え、疲れやすいなどの他、甲状腺腫や頻脈、眼球突出などを発症することもあります。

およそ10人から20人に1人が発症し、そのほとんどが女性ということもあり、女性の疾患として頻度の高い病気です。

そのため、妊娠に与える影響も懸念されています。

体の中のホルモンバランスが乱れてしまうため、妊娠に関係の深い性ホルモンの働きにも異常をきたすことがあり、生理不順や無月経になるだけでなく、妊娠自体を困難なものにさせます。

また、妊娠8週から12週ごろには一過性の機能異常としてあらわれることがあります。

妊娠前から甲状腺機能亢進症を患っており、無事に妊娠した後も、流産や早産、妊娠中毒症になるリスクが高いため、注意が必要な病気です。

血液中の抗体(抗TSH受容体抗体:TBII)値が高いお母さんが妊娠した場合、胎盤を通じて胎児の甲状腺にも影響を与えることがあり、胎児も甲状腺機能亢進症を持って生まれてくることがあります

先天性の要因が強い病気ですが、最近では、ストレス性の甲状腺機能亢進症も増えてきています。

甲状腺機能低下症(橋本病など)とは

甲状腺ホルモンの分泌が低下することで、全身の代謝が下がってしまう病気です。

主に、橋本病(慢性甲状腺炎)という、甲状腺の腫れや、甲状腺機能に異常が起こることがある方の約3割に、甲状腺機能低下症が見られます。

症状としては、むくみや倦怠感、体重増加、便秘、声のかすれなどが見られ、体の機能の低迷が主な症状となっています。

しかし、軽い方の場合自覚症状がないことも多く、発見の難しい病気です。

妊娠との関係性も深く、黄体機能の低下や排卵が起こらないといった問題を抱えますので、不妊の要因となります。

ですが、症状が軽い方の場合、妊娠前にはまったく気が付いていないケースも多く、検診を受け、初めて病名を宣告される女性も多くいます。

早産や流産のリスクも甲状腺機能亢進症同様高く、胎児の知能低下にも影響を与えると、イギリスの医学チームによる研究結果が報告されています。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)と不妊

甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症の中でも多くを占めるバセドウ病は、女性の割合も多く、男性の約4倍もの発病頻度があります。

不妊治療で甲状腺ホルモンの分泌異常が見つかった場合、その症状を回復させ、妊娠につなげるために服薬治療が行われます。

薬の力を借りてホルモンを抑え、正常値に保つ治療です。それでも、症状の回復が見られない場合には、放射性ヨード治療や外科手術を行うこともあります。

しかし、妊娠となると、特にバセドウ病の場合は、もちろん他の方より注意は必要ですが、症状が落ち着くことが多くなっています。

ホルモンの管理を行わない場合、妊娠高血圧症候群などのリスクが高くなることが分かっていますが、治療を行っていけば無事出産を迎えることができます

妊娠後に発見される甲状腺機能亢進症

また、もともと甲状腺にまったく異常がない場合でも、妊娠初期に一時的に甲状腺機能亢進症を発症することがあります。

つわりなどの症状がひどくある場合には注意が必要です。

hCGという、胎盤から出るホルモンが甲状腺を刺激し、甲状腺ホルモンの分泌を増やすことが原因となっていますが、妊娠週が進めば改善されていきます。

症状が改善されないと治療が必要となることもありますが、そのような場合、無機ヨードを使った治療が行われます。

甲状腺機能亢進症と妊娠

甲状腺機能亢進症は、妊娠すると症状が軽減されることが多く、薬の量が減らされたり、中止することもあります。

甲状腺ホルモンの経過観察は必要となりますが、基本的に治療が必要でなくなるケースが多く、医師と様子を見ながら妊娠中を過ごすことになります。

流産や早産、妊娠中毒症のリスクはありますが、甲状線ホルモンの値が安定していれば、問題はありません。

そのまま症状の改善が見られれば、妊娠中も病状が急激に悪化することもあまりありません。

ただし、病状が悪くなってしまった場合、分娩中に甲状腺クリーゼを併発することがあります。

甲状腺クリーゼは、基礎疾患である甲状腺機能亢進症があるにもかかわらず、治療不足と体への強いストレスが原因で突如現れる難病です。

妊娠中や分娩時に起こることがあります。38度以上の熱が出たり、けいれんや頻脈、不整脈、心不全などを発症するため、治療が遅れると死に至る重大な事態となります。

過去5年間行った調査によれば、死に至る危険性は10%を超えており、妊娠中から出産までの甲状腺ホルモンのコントロールが極めて重要になります。

医師と連携を取り、出産まで正常値で甲状腺ホルモンの分泌を維持させることが大切です。

赤ちゃんに影響があるからなどと自己判断で服薬をやめたり、治療を中止しないようにしましょう。

甲状腺機能亢進症の赤ちゃんへの影響は?

甲状腺機能亢進症の疾患のあるお母さんから生まれた赤ちゃんには、胎盤にいる間にお母さんから影響を受けてしまうことがあるため、甲状腺機能異常が見つかることがあります

特に血液中の抗体(抗TSH受容体抗体:TBII)値が高いお母さんの場合は、注意が必要です。

母体のコントロールをしっかりとっている場合には、こうした出生時への発症は少ないのですが、バセドウ病で抗TSH受容体抗体 (TRAb) の赤ちゃんへの移行が極めて高い場合には、出生後に一過性の甲状腺機能亢進症が見られることがあります。

甲状腺機能低下症(橋本病など)と不妊

甲状腺機能低下症の場合、甲状腺ホルモンの分泌量が低下してしまいますので、卵胞の成長などにも影響があらわれ、排卵が起こりにくくなります。

そのため不妊になり、妊娠が難しくなります。

仮に甲状腺機能低下症を患っているにもかかわらず排卵を行えたとしても、甲状腺ホルモンの分泌が少ないとTRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)が増え始め、妊娠のために必要となる黄体ホルモンの働きを下げる作用のあるプロラクチンというホルモンが増えてしまいます。

そのため、妊娠を維持することが困難となります。

この甲状腺機能低下症は不妊症女性の10%以上にもなるといわれており、頻度の高い病気です。

妊娠を成功させ、妊娠を継続させるためには、甲状腺ホルモンの安定が必要となりまs。

主に甲状腺ホルモン量をコントロールする治療が行われて、服薬を継続し、赤ちゃんの誕生を待つことになります。

甲状腺機能低下症と妊娠

甲状腺機能低下症が確認される場合、妊娠ができた後でも、妊娠の維持が難しく、流産などのリスクが高まることもあり、甲状腺ホルモンのコントロールが不可欠となります。

甲状腺機能低下症の度合いにより、治療が必要なケースと、様子を見ながら経過観察していく場合とがありますが、甲状腺治療が必要かどうかは、TSHの値で判断します。

TSHとはいわゆる甲状腺刺激ホルモンで、甲状腺ホルモンであるT3とT4を刺激し分泌を促します。

甲状腺ホルモンがきちんと分泌されると、このTSHの値は少なくなります。そのためTSHの値が10を超えているかどうかが治療の判断基準となります。

治療が必要な場合、甲状腺ホルモン剤を服用していきますが、妊娠中に処方される薬はレボチロキシン(チラーヂン)薬が主体となります。

比較的安全な薬で、胎児などへの悪影響も報告されていませんので、安心して使うことができます。

妊娠して薬を服用し続けることは抵抗があると方も多いですが、甲状腺機能低下症の場合、妊娠だけでなく、妊娠を維持することも難しくなりますので、個人差もありますが、服用治療を続けながら出産を迎えることが大切です。

仮に治療を行わない場合、早産や流産などを起こすリスクが高まります。

甲状腺機能低下症の赤ちゃんへの影響は?

お母さんから出る甲状腺ホルモンは、胎盤を通じて胎児に移行します。

甲状腺ホルモンは妊娠初期の胎児の脳の発育を担っていることが分かってきており、そのため、妊娠中適切な甲状腺ホルモンの治療が行われない場合、知能や精神に問題のある赤ちゃんが生まれる可能性があります。

イギリスの医療チームが行った研究では、母親が甲状腺ホルモンのコントロールを行いながら生まれた赤ちゃんと、まったくお母さんが治療を行わず生まれた赤ちゃんのIQテストをいくつか実施したそうですが、その結果、甲状ホルモンのコントロールを行わなかった赤ちゃんの方が、しっかり治療を行ったお母さんから生まれた赤ちゃんと比べIQ値が7も低かったそうです。

すべての赤ちゃんにこうした結果が出るとはいえませんが、脳の発育に何かしらの影響を与えることが証明されたと考えることもできます。

胎児の脳の発育には、甲状腺ホルモンの中でもT4の働きが重要なことから、甲状腺機能低下症のお母さんが妊娠した場合には、このT4を多めに処方するケースが多くなっています。

適切な治療を続けていくことで赤ちゃんへのリスクを回避することができるとされています。

甲状腺異常は遺伝するの?

甲状腺異常は遺伝するの

甲状腺の異常が見つかった場合でも、しっかりとした治療と管理が行われれば、赤ちゃんを産むことは難しいことではありません

しかし、せっかく授かった命ですから、何の病気もなく生まれてほしいと誰もが思うものです。

そこで心配になるのが、赤ちゃんへの甲状腺異常の遺伝です。遺伝する確率は高いとされていることもあり、お母さんにとっては心配の種です。

甲状腺異常は遺伝し、赤ちゃんに発症してしまうかどうかは、実は明確になっていません

同じ遺伝子を持って生まることで知られる一卵性双生児でも、双方の赤ちゃんが発症する確率は半分以下といわれています。

そのため、遺伝すると考えるのは不自然といえるかもしれません。また、バセドウ病などは女性が多く発症する病気でもあるため、男児が生まれた場合、遺伝しない可能性は極めて高くなります。

お母さんがバセドウ病で女児を出産した場合、病気の確率は一般の妊娠の6倍から10倍といわれていることもあり、何にも病気を持たない母親の出産と比べれば、確かに多い確率ではありますが、自分の子どもが、必ずしもバセドウ病になるわけでもありません

バセドウ病は小さい頃に発症するケースが少ない病気です。15歳未満でバセドウ病を発症するケースは3%程度となっていますので、あまり深刻に考える必要はありません。

まずは無事出産できるよう、甲状腺疾患の管理を行い、出産と子供への影響を最小限に抑える努力をしていきましょう。

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