妊婦さんはあせもができやすい

妊婦さんはあせもができやすい?妊娠中にできるあせも対策!



あせもと聞くと、子供の病気と思っていませんか?

子供は汗をかきやすいものの汗管(汗が出る管)が細いため、あせもができやすいものですが、妊娠中にあせもができてしまう方も実は少なくありません。

妊娠は10か月と長い期間続くため、季節によっては汗をかくことも多く、あせもとなってしまうことがあります。

そこで今回は、

・あせもとは?
・妊娠中にあせもができるのはなぜ?
・妊娠中のあせも対策が知りたい!

といった方に、妊娠中の不快な症状あせもの原因と、その対策について詳しくご紹介します。

あせもって?

あせもって

あせもは、汗が出てくる汗管に汗が詰まって塞がれてしまい、汗が排出されることができずに炎症を起こしてしまう皮膚の病気です。

大量に汗をかいた時などに起こることが多く、小さな発疹が出るのが一般的ですが、あせもには3つの種類があります。

水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)

皮膚表面の角質層に近い部分が詰まる、白い汗疹です。

直径1~3mm程度の小さな水疱ができてしまいますが、かゆみや痛みなど特に目立つ症状はありません。

紅色汗疹(こうしょくかんしん)

角質層の深層にある表皮内で汗管が詰まる汗疹です。
赤い盛り上がりのある湿疹がたくさんでき、軽いかゆみや痛みがあります。

肘や膝の裏、首、脇など汗のたくさん出る部分などに見られることの多いあせもです。

深在性汗疹(しんざいせいかんしん)

真皮と呼ばれる、肌の奥深くで汗管が塞がれてしまうタイプの汗疹です。

発症した部分の汗が排出されなくなってしまい、青白い盛り上がりのある湿疹が見られます。

長時間暑い場所などで作業している方などに多く見られるあせもで、熱中症などの危険が伴うとても恐ろしいあせもです。

妊婦さんのあせも

これらのあせものうち、妊婦さんによく見られるのは水晶様汗疹と紅色汗疹です。

大した症状ではないため軽視する方も多いですが、あせもは放置すると細菌感染を引き起こし、内部に膿が溜まった膿疱性汗疹などに進行する可能性があるため注意が必要です。

膿疱性汗疹になってしまうと、引っ掻くことで細菌感染が周囲に広がって伝染性膿痂疹(のうかしん:とびひ)になったり、重度な炎症によって大量の膿が溜まる汗腺膿瘍(のうよう)になったりしてしまうことがあります。

このような状態になると強い痛みや発熱などを引き起こし、完治まで長い時間かかってしまうことも少なくありません。こ
のため、汗疹はできるだけ早く対策を行って重症化するまでに治すことが大切です。

妊娠中のあせもはどうしてできるの?

妊娠中は黄体ホルモンの働きもあって、体温の高い時期が続きます。
体温が妊娠前と比べ高くなりますから、当然汗をかきやすくなります。

また、同時にホルモンの影響で皮脂の分泌も増えるため、汗腺が詰まりやすくなることで汗疹ができやすい状態となります。

特に妊娠中は胸やお腹周りが大きくなるため、洋服のサイズも小さく感じるようになって、妊娠以前から着ていた服のままでは密着度が高いことも。

そうすると、汗が溜まりやすくなってさらに汗疹ができやすくなる…ということも少なくありません。

また、お腹が大きくなってくると腹帯をする妊婦さんも増えます。
腹帯はお腹を支え妊婦さんの手助けをしてくれる便利なアイテムですが、この腹帯の内部はより高温となりますので汗をかきやすくなります。

このように、妊婦さんはあせものリスクが高い状態にあるのです。

胸の下もあせもができやすい場所の一つ

妊娠すると、授乳に備えて乳腺が発達し、胸が大きくなっていきます。
胸が大きくなってやや垂れた状態になると、胸とお腹の皮膚が密着しやすい状態となって汗が溜まりやすくなり、あせもができやすくなります。

また、サイズが合わなくなっても妊娠前から使用しているブラジャーを着用していると締め付けが多くなって胸の中はより一層高温状態になってしまい、汗をかきやすい状態になってしまうのです。

ワイヤー部分など肌に強く密着しているところは、汗が溜まりやすくなるので胸の下にあせもができる妊婦さんも少なくありません。

アンダーに余裕のあるマタニティブラジャーなどに切り替えると、あせもができるリスクも抑えることができます。

腹帯に限らずガードルなどを使用している場合

腹帯の代わりに妊婦ガードルを使用している方も多いですが、ガードルはお腹部分だけでなく、腰やおしりなどもきつく覆ってしまうため、汗が溜まってあせものリスクが増すことになります。

また、ガードルは直接履くパンツなどと違い、毎日洗濯しないことも多々あります。

腹帯も同じですが、汗が2、3日しみ込むことになりますので、不潔になり、できたあせもに細菌感染が生じるリスクも高くなります

ガードルは暑いのに無理に履く必要もないので、季節に応じて、薄手の腹帯などと使い分けすることも大切です。

夏場は特にあせもに注意

汗はたくさんかいたからといって、すぐにあせもになるわけではありません

あせもは汗が長時間留まったり、皮脂などの汚れで汗腺が詰まったりしてしまうことが原因で引き起こされます。
つまり汗や皮脂はこまめに拭くことであせもになるリスクを取り除くことができるのです。

しかし、一日中汗をかいてしまうような場合、拭いても汗がどうしても停滞してしまいます。
そのため汗が溜まりやすい部分にあせもができてしまいます。

妊婦さんは妊娠初期から妊娠後期まで、暑いと感じ続ける方も多く、汗が大量に出てしまう方も少なくありません。

特に夏場など普段でも汗が流れてしまうような季節は、妊婦さんにとってあせもの危険性が高まる時期です。

体に悪いから体を冷やしてはいけないと、クーラーなども控えている方も多いですが、それがかえってあせもの原因になります。

夏場のあせもは妊婦さんにとって悩みの一つとなっています。特に暑くなる季節は適度にクーラーを利用してあせもに十分注意するようにしましょう。

あせも跡は色素沈着してしまうことも

あせもはできるだけ早く治すことが大切ですが、治るまでに時間がかかってしまうようなあせもができてしまった場合、クレーター痕が残ったり、茶色い色素沈着を起こしてしまったりすることがあります。

妊娠後、鏡を見たら肌にぼつぼつとデコボコのある茶色の斑点だらけ・・・なんてことは避けたいものです。

妊娠中は色素沈着の元となるメラニン色素が些細な刺激で産生されやすくなっているため、掻いたりすることで色素沈着しやすい状態なのです。

このような痕を防ぐためにも、あせもはできるだけ早く治しましょう。

妊娠中のあせも対策とは?

妊娠中のあせも対策

あせもは作らないこと、あせもができてしまったらできるだけ早く治すことが大切です。そのためにも、汗をかいた状態を放置せず、肌を清潔に保つようにしましょう。

具体的には、どのような対策をとっていけばいいのでしょうか?

かいた汗はすぐに拭き取る

あせもは長い間汗を放置することで発症してしまいます。
妊娠して汗をかきやすくなりますので、できるだけ汗を吸い取りやすい肌着を選び、溜まった汗はすぐに拭き取るようにしましょう。

もちろん外出先などでは体の中などを拭くことはできませんが、首周りや肘、膝の裏などはハンカチですぐに拭き取ることができますので、汗を放置しないよう心がけましょう。

汗を良く吸収してくれるタオル生地のハンカチや、小さめなハンドタオルを持ち歩くようにしてみましょう。

ウェットティッシュも便利なアイテム

汗を放置することもあせもの原因となりますが、皮膚を不潔な状態にしておくこともあせもの引き金となります。そんな時に便利なのがウェットティッシュです。

一般的に売られているウェットティッシュには殺菌効果のあるものもあるので汗をかいた部分を拭けば、皮膚を清潔な状態に保つことができますので、あせもを予防することができます。

外出先でもトイレなどであれば洋服で隠れている部分まで拭くことができますので、バッグに入れておきましょう。

汗拭き専用のものを使えば清涼感を得られたり、臭いまで取り除いたりすることができますので、そのようなウェットティッシュを使ってみるのもおすすめです。

小まめに汗を流す

やはり一番有効なのが、汗をかいたら流すことです。湯船にわざわざ浸からなくても、暖かい季節であればシャワーで十分事足ります。

外出先で汗をかいたら、帰ってすぐにシャワーを浴びるようにしてみましょう。

ただし、あせもがすでにできている場合には、シャワーやお風呂もぬるめの温度に設定しましょう。

熱い温度にしてしまうと、かゆみがぶり返してきてしまうからです。症状を早く回復させる、二次感染を防ぐためにも、入浴のたびに石鹸などできれいに皮脂を洗い流しましょう。

あせもの時には肌への刺激が少ない石鹸がおすすめです。また、石鹸の成分を残さないよう良く洗い流すことも忘れないでください。

下着などを着替える

あせもは汗をそのままにすること、不潔な状態にすることで発症します。そのため、下着をこまめに交換することでも防ぐことができます。

汗をかいて下着が濡れてしまったようなときには、面倒がらずに新しい清潔な下着に着替えましょう。

肌に潤いを与える

肌のバリア機能を高めるためにも、夏場でもしっかりスキンケアを行いましょう。

顔と違って体を保湿することは、身動きも自由にならないお腹の大きな妊婦さんにとっては大変なことですが、肌トラブルを防ぐことにもつながります。

妊娠線や妊娠期特有の肌荒れも防ぐことができますので、保湿を忘れず行うようにしてください。

吸水性や速乾性に優れた衣服を選ぶ

最近では、色々なマタニティウェアが販売されています。

汗をかきやすい季節などは特に吸水性があり、速乾性に優れた服装を選ぶようにしましょう。

ポリエステルなどの、吸水性の低い洋服は汗をかいても吸い取ってくれないため、あせものリスクを高くしてしまいます。綿などの吸水性の優れた洋服を選ぶようにしてみましょう。

また、速乾性のある素材を使った下着なども多く売られていますので、そうしたものを購入してみましょう。風通しの良い麻などの素材を暑い季節は選んでみるのもおすすめです。

あせもは掻かないことも大切

あせもができてしまうと、かゆみを伴うため、ついつい掻きたくなってしまいますが、あせもでできた炎症部分がより悪化してしまいます。

できることであれば、掻かないようにすることが大切です。寝ている間など無意識に掻いてしまうこともありますので、爪を短く切って、掻いてしまっても傷をつけにくくしておくと安心です。

また、指先などはできるだけ清潔な状態にしておきましょう。

かゆみはストレスになる!早めの治療を

あせもは、直接お腹の子に影響を与えるわけではないからと、病院の受診を後回しにしてしまいがちですが、かゆみを伴うあせもは妊婦さんのストレスになります。

ストレスはみなさんご存知の通り、赤ちゃんに良い影響を与えるものではありません。

血行や血圧、自律神経などにも悪い影響を与えます。
血流が滞ってしまうということで肩や首のコリなどを引き起こし、頭痛の原因になることも少なくありません。
また、下半身が冷えてお腹の張りにつながることもあります。

できるだけ早くかゆみを取り除き、赤ちゃんにストレスの影響を与えないよう、きちんとあせもの治療を行っていきましょう。

あせもになったら薬を付けていい?

かゆみなどを伴うあせもは無意識の内に掻いてしまい、その結果二次感染を引き起こしてしまうこともあるため、自然に治るのを待つのはあまりおすすめできません。

そうなると薬の力を借りて治すことが必要になります。しかし、妊婦さんが市販のかゆみ止めなどを使用しても問題はないのでしょうか?

結論から言うと、市販の薬で治すことは避けましょう

一般的にあせもの場合、薬を服用するのではなく、外用として使用するため胎児への影響はあまり心配ないとされていますが、やはり妊娠時期はホルモンなどの影響で肌が過敏になっています。

「妊婦の使用は避けること」と明記されていない、子供でも使用できるあせもの薬でも、肌トラブルを起こしてしまうことがあるからです。

妊婦さんが使用するのであれば、病院で処方された薬を使うのがベストです。

ステロイド入りの薬は使っても大丈夫?

あせもで病院を受診した場合、妊娠中なのにステロイド入りの塗り薬を処方されることがありますが、「使っても、大丈夫なのか?」とつい心配してしまうものです。

ステロイドは妊婦さんにとって決して良いといえるものではありませんが、外用(塗り薬)として使う分にはほとんど問題はありません

短期間、外用として使用するのであれば、あせもに効果的に働いてくれますので、使っても良いといえます。

あせもは暑い季節にできることが多く、毎日の汗で悪化してしまうこともあるため、早く完治させるステロイド入りの塗り薬が効果的です。

ただし医師が処方してくれるものだけにしてください。

まとめ

まとめ

妊婦さんは、体温も高く暑さを感じることも多いです。そのせいで汗をかく機会も多くなります。

特に、妊娠時期は10か月と長期にわたりますので、暑い夏を妊娠して過ごす方も少なくないはずです。

そのため、あせもは妊婦さんの肌トラブルの第一に挙げられるほどです。

あせもの原因は汗の放置と、肌の細菌の繁殖です。肌に汗を長時間触れさせないためにも、肌を清潔に保つためにも、拭く、洗う、着替えるなどを行って、発症しない対策をとっていくようにしましょう。

また、肌トラブルの多い妊婦期でもありますので、しっかり保湿して肌のバリア機能を高めるようにしましょう。肌のバリア機能を高めておけば、あせものリスクも軽減できます。

保湿は妊娠線や他の肌トラブルを防ぐためにも大切なこと。暑いと感じる妊婦期を楽しく過ごすためにも、健やかな肌を維持していきましょう。
また、万が一発症した場合は悪化する前に病院で相談するなど適切な対処を行いましょう。

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監修:成田 亜希子(医師)

プロフィール:弘前大学卒業後、内科医として地域医療に従事。その傍ら、保健所勤務経験もあり、国立保健医療科学院での研修も積む。感染症や医療行政にも精通している。プライベートでは二児の母。

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