妊娠中に脳梗塞

妊娠中に脳梗塞になる!?考えられる原因とできる対策とは?



日本人の死因の第3位である脳卒中。その中の1つである脳梗塞は、脳卒中全体の60%を占めているといわれています。

脳の血管が詰まってしまう病気として聞き馴染みのある人も多いのではないでしょうか。

医療の進歩もあって、発症後、亡くなってしまう確率は低くなってきているものの、未だ身体に障害が残ってしまうリスクが高いこの病気は、高齢者の病気というイメージが強いと思いますが、意外なことに妊娠中のママでも発症してしまう可能性があります。

そこで今回は、

・脳梗塞とは?
・妊婦さんが脳梗塞になってしまう原因は?
・妊婦さんが脳梗塞にならないようにするには?

といった方に、どうして妊娠中のママが脳梗塞になってしまうのか、対策や、事前に察知できる前触れの症状などについてご紹介します。

脳梗塞って何?

脳梗塞って何

脳の血管が詰まってしまう病気の1つである脳梗塞は、脳卒中に含まれる病気の1つです。

この他、脳卒中にはクモ膜下出血や脳出血という病気もあり、それぞれ虚血性脳卒中と出血性脳卒中の2つに分けることができます。

脳梗塞はその中の虚血性脳卒中に分類されるもので、脳の血管が詰まることで神経細胞に必要な酸素・栄養が行き渡らなくなり、結果、脳細胞が破壊されてしまうことで起こります。

高齢者に多い病気と考えられがちですが、若い世代でも発症することもあり、45歳以下で発症する脳梗塞を「若年性脳梗塞」と呼びます。

脳梗塞にも種類がある

脳梗塞と聞くと、脳の血管が詰まって最悪の場合、死に至ってしまう病気と考えられがちですが、脳梗塞は大まかに3つの種類に分けることができます。

その種類によって同じ脳梗塞でも症状が少しずつ異なります。脳梗塞の種類については以下の通り。

早期発見にも役立ちますので、確認してみて下さい。

ラクナ梗塞

脳の血管には、太いものから細いものまでさまざまな太さの血管が巡っています。

ラクナ梗塞と呼ばれる病気は、そんな脳の細い血管が詰まってしまうことで発症してしまう病気です。

脳梗塞の中でも日本人に一番多いタイプとされており細い血管が詰まるのみなのでダメージを受ける脳細胞の範囲も限られており、意識を失くしてしまうほどの大きな発作、主な症状である手足の痺れやマヒもまったく出ないことが多いのも特徴で、症状があったとしても短時間で改善することが多いとされています。

この点から、無症候性脳梗塞と呼ばれることも。

アテローム血栓性脳梗塞

ラクナ梗塞とは反対に、太い血管が詰まってしまうことで起こる病気です。

手足の痺れやマヒはもちろん、呂律が回らなくなったり、顔面麻痺、立つことができなくなるほどの眩暈や吐き気、嘔吐の症状出ることもあります。

中大脳動脈など、脳の中でも太く、張り巡らされた血管に起こりやすいことから別名「大血管病性脳梗塞」と呼ばれることもあり、最悪の場合意識を失うほどの大きな発作を起こしてしまうのも特徴です。

心原性脳塞栓用

今まで上げてきた脳梗塞と異なり、この病気は脳の血管ではなく心臓から始まります。

心臓は全身に血を巡らせる上で欠かせないものですが、この心臓に血栓ができてしまうことがあります。

その血栓が血管を通して脳へ流れてしまうことで、この病気が発症してしまうのです。

脳の血管内でできた血栓と異なり、心臓の血栓はサイズも大きくなりますから、脳の太い血管を簡単に詰まらせてしまいます。

そのため、アテローム血栓性脳梗塞よりもさらに重症化しやすく、死亡率も高くなります。また、治療が成功したとしても後遺症が残りやすい一面も。

妊娠中に脳梗塞になってしまう原因とは

妊娠中に脳梗塞になってしまう原因

妊婦さんの年代では脳梗塞を発症する人は少ないですが、妊娠中には様々な身体の変化が現れるため、妊娠前よりも脳梗塞を発症しやすい状態となっています。

クモ膜下出血や脳出血など脳卒中でまとめると、その数はもっと多くなります。

発症する頻度はそれほど多くないとされている中、何故、脳梗塞を発症してしまうことがあるのでしょうか?

考えられる原因としては、次のようなものが挙げられます。

妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週以降から分娩後12週の間に高血圧、もしくは高血圧と蛋白尿の症状が見られる病気のことです。
妊娠中毒症という呼び名で聞き馴染みのある人もいるかもしれません。

脳出血をはじめとした、脳の血管関係の異常を合併しやすいのが特徴です。

脳出血に比べると発症する可能性は低いですが、脳梗塞も脳内の血管関係の疾患に含まれるので注意が必要です。

さらに、ママだけでなく、赤ちゃんにも影響が出る恐れもあるので注意が必要です。

血栓症

血管の中に血液の塊(血栓)が作られて、血管を詰まらせて血液の流れを止めてしまう病気です。

主に足の部分、太腿や足のつけ根、下肢などの静脈に生じやすいのが特徴で、自覚症状がない場合も多いですが、人によっては片側の足が赤く腫れ上がったり、ふくらはぎに痛みを感じることも。

また、でき上がった血液の塊はほかの部位に流れてしまいやすく、全身どこでも血管が詰まってしまうリスクもあります。

特に飛びやすいのは肺の動脈ですが、脳に流れていって脳梗塞を発症することもありますので注意が必要です。

妊娠高血圧症候群や血栓症の原因とは?

妊娠中に脳梗塞になってしまう原因がわかりましたが、では、どうして妊娠高血圧症候群や血栓症が起きてしまうのでしょうか?

妊娠高血圧症候群、血栓症の原因として考えられるのは以下の通り。

ただし、妊娠高血圧症候群に関しては諸説あるだけで、まだ正確には解明されていません。

そのため、ここではもっとも有力とされている原因について取り上げますが、それも変わっていく可能性がある説として考えて下さい。

妊娠高血圧症候群の原因

繰り返しになりますが、妊娠高血圧症候群になってしまう原因は、はっきりしたものがわかっていないというのが現状です。

今のところ有力な説として挙げられているのは、妊娠15週目までの間に胎盤の血管が正常とは異なる作られ方をしてしまうというもの。

妊娠初期の頃は、母体と胎児の間でスムーズに血液が流れるよう、胎盤が作られる際に子宮の血管の壁の仕組みも作り直すことがわかっています。

妊娠高血圧症候群の場合、ここが上手く形成できないために血液の循環がスムーズにいかず、それでも身体は赤ちゃんに酸素や栄養を届けようと無理に血液を流し続けることから高血圧に繋がってしまうという説があります。

妊娠高血圧症候群になりやすい人の特徴

妊娠高血圧症候群になりやすい人の特徴として挙げられるのが、初めてのお産になる妊婦さん(初産婦)や母体年齢が35歳以上と高い人、もしくは15歳以下と低い人、妊娠前から肥満傾向にある人や血圧が高い人です。

さらに、自分の親が妊娠高血圧症候群を発症したことがあるという場合にも、遺伝の関係から発症する可能性が高くなることが分かっているので、気を付けるようにしましょう。

血栓症の原因

次に血栓症について見てみましょう。原因になるものとして挙げられるのは以下の通りです。

血液の凝固作用

妊娠すると、女性ホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が増加するのですが、その1つであるエストロゲンには血液を固まりやすくする作用があります。

妊娠中にエストロゲンを含め、女性ホルモンが増えるのは生理的なものなので仕方のないことではあるのですが、その凝固作用により血栓ができる可能性もあるので注意が必要です。

また、エストロゲンと似たような作用になりますが、妊娠後期に入ると出産に備えて血液が凝固しやすくなります。
これは、出産時の出血から母体を守るための機能ですが、血栓の作る原因にも挙げられているので覚えておきましょう。

水分不足

妊娠中のママは妊娠前に比べて体温が上がったり、つわりにより水分の摂取が難しくなるなどが原因で身体が水分不足に陥りやすくなります。

また、赤ちゃんに十分な栄養や酸素を送るために血液量が増えたり、羊水を作る時にも水分を必要とするのも原因に挙げられますす。

水分が不足すると血液はドロドロになりやすくなります。その結果、血液が濃縮してしまいやすく血栓を作りやすくなります。

運動不足

妊娠期間中、切迫流早産などのママは「できるだけ安静に」という指示を受けることがありますが、ここでまったく身体を動かさないでいると、血栓症のリスクが高まってしまうので注意が必要です。

確かに、早産や流産の危険性がある場合は絶対安静が必要ですが、そうした危険性がない限りは下肢を動かさないことで、むしろ血流が滞ってしまい、血栓ができるリスクが高まってしまいます。

また、妊娠中期以降に関しては運動不足だけでなくお腹が大きくなってくるため、それが腹膣内の静脈を圧迫し、結果、血流が悪くなってしまうことも原因に挙げられます。

脳梗塞にならないためにできること

脳梗塞にならないために

血栓症や妊娠高血圧症候群など、妊婦さんが脳梗塞になってしまう原因がわかったところで、次にそうなる前にできる対策について確認してみましょう。

脳梗塞の原因を予防するためにできる対策については以下の通りです。

効果には個人差がありますが、どれも継続していくことが大切です。自分に合った対策で予防していきましょう。

同じ姿勢で過ごさない

特に血栓症にいえることですが、同じ姿勢で長時間いると血液の流れが悪くなりやすく、脳梗塞の原因である血液の塊ができやすくなります。

そのため、なるべく同じ姿勢でいることは避け、合間合間で身体を動かしたりすることが大切です。

仕事中など、どうしても立ち歩くことが難しい場合は、下半身を伸ばしたり足先を動かしたりするなど、意識的に血液を巡らせるようにしましょう。

医師から「絶対安静」を言い渡されているわけでもないようであれば、日頃、散歩や軽いウォーキングなど身体を動かすことも予防になりますので、試してみて下さい。

水分の小まめな摂取

水分不足により血液がドロドロにならないよう、水分摂取を小まめに行うことも予防の1つです。

ただし、無理して飲むのは禁物。一気に大量の水分を飲むと吐き気などを引き起こす可能性が高く、心臓や腎臓に負担をかけることにもなりかねません。

また、つわりなど水独特の臭いで水分を摂るのが難しい場合には、他の飲み物を代用するのもアリ。

ですが、妊娠中は飲んで良い飲み物、避けた方が良い飲み物があるので、その際には事前に確認してから飲むようにして下さい。

その他

他に血液を詰まらせないためにできることとして、締め付けの少ない、ゆったりとした衣類を選ぶというものや、身体に負担をかけない座り方を心掛けるという対策方法もあります。

効果には個人差がありますが、継続していくことで脳梗塞の予防に繋がっていきますので、是非、自分が続けやすい対策方法を見つけてみましょう。

不安な場合には病院へ

  
いくつか対策方法を挙げてみましたが、妊娠したからといってすべての妊婦さんが脳梗塞になるわけではありません。

もちろん、事前に予防できるよう対策をとっておくことは大切ですが、気に病んでしまうのも身体の毒です。

元気に赤ちゃんを産むためにも、あまり神経質になり過ぎないようにして下さい。また、手足のしびれや脱力、めまいなど気になる症状があれば我慢せず、病院に相談することも大切になります。

特に、脳梗塞に関しては早期発見が重要ですから、自己判断せず、必ず病院を受診するようにしましょう。楽しく健やかなマタニティライフを送ってくださいね。

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監修:成田 亜希子(医師)

プロフィール:弘前大学卒業後、内科医として地域医療に従事。その傍ら、保健所勤務経験もあり、国立保健医療科学院での研修も積む。感染症や医療行政にも精通している。プライベートでは二児の母。

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