陣痛シミュレーション

妊娠中は目やにが増える?目やにのメカニズムと考えられる病気



妊娠中はホルモンバランスが崩れたり、免疫力が低下したりと身体にさまざまな変化が起こります。

その中で、目やにが増えることがあります。今までなかったトラブルに心配してしまうこともたくさんあるかもしれませんが、症状と原因を知って適切に対処することが重要です。

そこで今回は、

・妊娠してから目やにが増えた!
・目やにの状態によっては病院に行くべき?
・妊娠中に目のトラブルが多いのはなぜ?

といった方に、妊娠期間中に起こる目のトラブルのうち、目やにのメカニズムと、考えられる病気について詳しくご紹介します。

意外と多い妊娠中の目のトラブル!?

風邪をこじらせたり何かの病気にかかったりすると、お腹の中の赤ちゃんにも影響する恐れがあるだろうと、すぐに病院へ行くべきであることが妊婦さんにも判断しやすいですが、そうではないちょっとした不調の場合では、病院に行くべきかどうかなかなか決断しにくいものです。

目にまつわる症状も、妊婦さんを悩ませるそんなマイナートラブルの一つ。妊娠期間中に目の疲れを感じる人は意外と多く、普段から目が疲れやすい人や、疲れの溜まりやすい環境にいる人でなくても、妊娠中には眼精疲労・目の充血・目やになどに悩まされる妊婦さんの声をよく聞きます。

普段はあまり疲れ目ではない方なのに、いつもと違うなと感じるようなことがあれば、それは妊娠による影響かもしれません。

妊娠中に多い目やにのトラブル

目のトラブルといってもさまざまな症状がありますが、「朝起きたら目の周囲に目やにがびっしりついていてびっくりした」という妊婦さんの声をよく聞くことがあります。

妊娠期間中に起こる、普段とは違う目の異常の一つに、目やにが増えるという症状があります。

その量も、驚くほどの量で、目やにで目が開かない状態になっていることが多いため、「何かの病気ではないか?」と心配になるのでしょう。

目やにって一体何?

目やには専門的な言葉で「眼脂(がんし)」といいますが、その言葉でわかるように、皮膚の垢や余分な脂分が分泌されることです。

目やにが出るメカニズムは、一つに角膜・結膜の古い細胞や角質などを、まぶたの裏側から出る粘性の液体で包み、排出する代謝活動としての働きがあります。

もう一つは、ゴミやウイルスなどの菌が目の中に侵入し、それらを体外に排出する免疫機能としての役割です。

免疫が働いた結果として、目やにが出る場合は、ゴミやウイルスなどの異物を分解するために体内で戦ってくれた白血球の死骸も含まれます。

つまり、目やにとは目から分泌された液体や、白血球に包まれて排出された、ゴミ・ウイルス・古い細胞などの異物です。

目やには病気ではない?

代謝活動であり、免疫機能・防衛反応で身体の正常な働きなので、そもそも目やにが出るのは病気ではありません

また、起きている間は目も活動していますので、まばたきすることによって目やにがまぶた裏から涙と一緒に鼻へと繋がる鼻涙管を通り、鼻垢や鼻くそとして体外に排出されているのですが、夜寝ている間は目もお休み中で、まばたきをしないために目やにが鼻へと流れることなく目の周囲に残ってしまった状態なのです。

朝起きて、目の周りに目やにがついていたとしても少量であれば、身体の自然な機能だと考えて問題ありません。

目やにの色によっては注意が必要

ただし、どのような色の目やにが出ているかによっては注意しなくてはいけないことがあります。

目やには身体の代謝機能・免疫機能の一環ですから、毎日出ていても基本的には問題ありません。しかし、目やにの色によって健康の状態(どんな目やにが出ているのか)が異なります。

白色や黒色の目やに

目やにの色が白色や黒色の場合であれば、通常の身体の代謝機能・免疫機能が働いているものなので心配する必要はありません。

このような色の場合、目やにの状態は恐らく粉のような状態であったり、ポロポロとした乾燥状態のはずです。

もし、正常な色をしていても粘着質であったり、糸をひくような場合には、アレルギー性結膜炎の可能性があります。

目やにが出るだけでなく、同時にかゆみもあらわれているはずなので、眼科に相談してください。

黄緑色の目やに

もし目やにの色が黄緑色をしている場合には、ウイルスや細菌に感染している可能性があります。

恐らく目やにの状態も、乾燥しているというよりはドロドロした水分の多い目やにのはずです。細菌感染以外の目の病気の可能性もありますので、医師に相談してください。

透明や白色

白色の目やには、通常は心配のいらない目やにですが、その状態がサラサラしている時は、花粉やアレルギーによる炎症を起こしている可能性があります。

元々アレルギーの自覚症状がある人は、目やにが出ていることで症状の悪化も考えられますので、一度かかりつけ医に診てもらいましょう。

また、目やにが水っぽくドロドロしている時は、ウイルスや細菌に感染している可能性があります。

色だけでなく状態もあわせて総合的に判断することが大切です。

目やにの色や状態に異常がある時はどんな病気が考えられるか?

もし目の周囲に出た目やに色や状態が、白色や黒色で乾燥しておらず、異常な状態だった場合、具体的にはどのような病気を発症していると考えられるでしょう。

目の病気の原因として挙げられるものをご紹介します。

細菌性結膜炎

細菌性という名前の通り、細菌に感染することで起こる結膜炎です。まぶたの裏側と眼球の前方を繋いでいる薄い膜「結膜」が炎症を起こしている状態を「結膜炎」といいます。

この結膜が充血して、目の中に異物感(ゴロゴロした感じ)がある症状です。黄緑色の目やにが出ている人は細菌性結膜炎の可能性があります。

ウイルス性結膜炎

透明や白色のサラサラした目やにが出ている人は、ウイルス性結膜炎の可能性が高いです。細菌性との違いは、ウイルス性結膜炎の方がその症状が強くあらわれるところです。

そもそもウイルスは細菌よりも小さい微生物であるため、他の生物の細胞に侵入しやすく、侵入しやすいことで増殖する確率も高まります。

結膜以外にも、咽頭など感染しやすい部位があるので注意しなくてはいけません。ウイルス性結膜炎になると結膜が充血するだけでなく、まぶたの腫れ、まぶた裏にブツブツができる、目のゴロつきなどの症状があらわれます

目やにが多く出るようになるのもウイルス性の特徴です。他にもリンパ節が腫れるため、異常がある時には、目やにの状態の他に、どのような症状があらわれているか確認しておきましょう。

アレルギー性結膜炎

アレルギー性結膜炎を引き起こしている人の目やには、色も透明や白色ですが、粘質で糸をひくような状態であることが多いです。

アレルギー性なので、花粉など植物が原因の場合、動物、ほこりなどのハウスダストと、アレルゲンの原因はその人によってさまざまです。

結膜が充血する以外に目やに、目のかゆみ、まぶたの腫れなどの症状が出ます。

春季カタル(しゅんきかたる)

カタルというのは目の粘膜表面の炎症のことです。アレルギー性結膜炎の一種ですが、アレルギー性結膜炎が悪化したと考えても構いません。

症状が強く「春季カタル」という名前は、特に春から夏にかけて悪化しやすいためにつきました。

粘り気のある目やにが出ている時には悪化している可能性が高く、春季カタルの場合であれば、角膜にも炎症や潰瘍が起こります。

潰瘍で角膜が傷つくだけでなく、かゆみが強いため手でかいてしまうことで角膜が傷つきやすくなります。

涙嚢(るいのう)炎

涙嚢炎とは、涙の通り道が何らかの原因で塞がれてしまい、涙を溜める袋である涙嚢で炎症が起こる疾患です。

目やにが多く出るのが特徴で、目頭付近の痛みや腫れに強い痛みを伴うことがあります。

妊娠中に目のトラブルが多い理由

妊娠中に目のトラブルが発生しやすい理由ですが、妊婦さんは妊娠したことによってホルモンバランスが変化し、身体の免疫力が低下します。

また血圧変動もあり、体調もなかなか安定しない日があるため、いつトラブルが起こってもおかしくない身体の状態にあることの方が多いのです。

つまり、妊娠したことの影響が、間接的に目のトラブルとしてあらわれているということです。

免疫や抵抗力が落ちているのでウイルスに感染しやすくなったり、アレルギー反応が出やすかったり、また妊娠していない人でも、体調を崩しやすい季節の移り目などで一気にトラブルを抱え込みやすくなってしまいます。

目やにが大量に出る、というのは、その症状の一つであると考えられます。

目やにについては身体の機能が正常に働いている証拠でもありますので、特に心配ないことも多いですが、妊娠期間中はこうしたマイナートラブルが積み重なることで、ストレスを抱える可能性もあります。

万一悪化した時には薬が飲めない分、治療ができず回復に時間がかかるかもしれません。目のトラブルがあらわれた時には放置せず、悪化する前に医師に相談しましょう。

妊娠中の目のトラブルに目薬は使ってもいいの?

妊娠中は基本的に市販されている薬は飲めません。医師に相談の上、適切に処方された薬のみ使用方法や容量を守って服薬可能です。

目のトラブルといえば目薬ですが、目薬に関しては一般的な市販薬であったとしても成分的には身体に害のないものが使用されているので、用量・用法を守って正しく使用すれば問題ありません。

目薬を使ったとしても点眼量は日に数滴と、多くはないので、ほぼお腹の中の赤ちゃんに影響はありません

しかし、確実に「影響しない」とは言い切れないので、不安な方は医師から処方を受ける方が確実です。

ものもらいや花粉症などで使用するフルメトロン点眼液という目薬には、ステロイドの「フルオロメトロン」が入っていますが、妊娠中は「長期にわたり何回も使用しないこと」とされおり、禁止されているわけではないので、用量・用法を守って正しく使用しましょう。

妊娠中は使えない目薬もある

病気の症状や目の健康状態によって、使う目薬は異なります。正確には目薬に含まれる成分が症状によって違うので、今起こっているトラブルに対して適切なものを選ぶようにしなければなりません。

そしてその中で、成分チェックを行う際に、妊婦さんが気をつけなければいけないものが一つあります。

それが「プラノプロフェン」です。プラノプロフェンには、目の炎症・痛み・腫れを抑え、異物感を取除きアレルギーの軽減や目やにの状態を正常に戻す成分が含まれています。

このように効果はお墨付きなのですが、妊婦さんへの安全性はまだ確立されていないのです。

プラノプロフェンを使用した動物実験は、出産が遅れるなどマイナスの作用が報告されていることもあり、使用には注意が必要な成分ですので、プラノプロフェンが入っている目薬は避けた方が安全です。

また、プラノプロフェンが入っていない商品であっても、念のため薬剤師に妊娠中の使用が可能かどうか、用法をしっかり確認してから選ぶようにしましょう。

妊娠中の目のトラブルは何科へ行けばいいの?

妊娠中の身体の不調は、基本的には産婦人科で受診します。しかし目のトラブルの場合、原因は目であり、胎児の関係する身体の臓器内のことではありません。なので、何科にかかればいいのか迷ってしまう妊婦さんもいるかもしれません。

直接妊娠に関わるトラブルの内容ではないため、はじめから眼科へ行って、妊娠中であることを伝えれば問題はありませんが、産婦人科でも相談にはのってくれます。

場合によっては紹介状を書いてくれる産婦人科医もいるので、どの病院に行けば良いかや、診察にあたって不安のある方は、まずはいつも診てもらっているかかりつけの産婦人科で相談してみましょう。

専門外であったとしても、相談に対してアドバイスを返してくれるはずです。

妊娠中は目やに以外の目のトラブルにも気をつけて!

今回は妊娠中の目やにについて、そのメカニズムや考えられる病気などをご紹介していきましたが、目やに以外にも疲れ目・眼精疲労、かゆみ、目の痛みなど、目のトラブルは数多くあります。

特に疲れ目や眼精疲労は、血流を悪くし、肩こりや頭痛などの症状を併発するだけでなく、血流が悪くなるによって子宮への血の巡りが悪くなり、最悪の場合は胎児への栄養供給が滞る恐れがあるなど、大きなトラブルをもたらす危険性があります。

また、目の疲れによって頭痛が起こった場合、妊娠中につき頭痛薬や鎮痛剤が飲めない状態で、痛みを我慢しないといけないためストレスの原因にもなります。

ストレスは自律神経を乱し、睡眠への影響、冷えやむくみなど様々なマイナートラブルを引き起こす一因ともなります。自律神経は子宮の動きや作用に深く影響しますので、乱れが生じることで流産や早産などの危険性も高まります。

このように、一つのマイナートラブルが原因で大きなトラブルを引き起こす可能性があることを視野に入れ、妊娠期間中は健康に配慮し、目を酷使しないようにするなどの努力をしていきましょう。

そして「目やにが多いな」と感じた時には、他にも症状があらわれていないか確認し、妊娠中であっても放置せず治療を行うようにしていきましょう。

育児が始まってからだと、なかなか病院に行く時間もなくなり、症状が悪くなってしまうかもしれないので気をつけてくださいね。

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