最近の女性は妊娠しても今までどおり自分らしいオシャレをしたいと考えている人が多いので、妊娠前からのファッションや趣味、美容習慣なども、妊婦さんになっても続けていることが当たり前のようになっています。
マニキュアに関しても、定期的にケアしたり、サロンに通ってネイルアートを妊娠中も楽しんでいる人がたくさんいます。
しかし、妊娠中はやはり通常の体の状態ではなく、お腹には大切な赤ちゃんがいるのですから、赤ちゃんに有害になるようなことは避けなければいけません。
そこで今回は、
・マニキュアを妊娠前のように使用して大丈夫?
・マニキュアを妊娠中に使うにあたって気を付けることは?
といった方に、妊娠中のマニキュアの使用について詳しくご説明します。
この記事の目次
妊娠初期とマニキュアの臭い
ネイルサロンや自宅で、自分でネイルアートするのが楽しみであるという女性は多いのですが、マニキュアを使うときは、マニキュアや除光液などの独特な、化学的な臭気が部屋中に漂います。
それだけ強い化学物質がマニキュアやネイルケア用品には使われているということです。
鼻を突くような強烈な臭いがあるので、妊娠初期のつわりの時期は症状を悪化させる場合があるので注意しましょう。
あまり無理をせずつわりで臭いを受け付けない場合は、つわりが落ち着くまでマニキュアの使用を止めましょう。
マニキュアの成分について
マニキュアは色々な有機溶剤が使用されています。有害物質と認められているものは基本的に使用されていませんが、既に使用した物質が新たに有害物質であると認められて、急遽商品回収になるという場合もあります。
妊娠初期は胎児の生命の基本となる臓器や神経機能が作られますので、マニキュアに含まれる物質には特に敏感になる必要があります。
アメリカの研究では妊娠13週までにマニキュアに含まれている「フタル酸ジブチル」という物質に胎児が影響を受けることで、奇形児や障害を持つ子供が生まれる危険があると発表されました。
また、世界各地で胎児の発達遅延などの報告があります。そのため、アメリカではマニキュアメーカーがフタル酸ジブチルの使用を自粛していますし、ヨーロッパでは化粧品配合禁止成分に指定されるほどです。
トルエンという物質もマニキュアに含まれていますが、大量に体内に吸い込むと流産のリスクが高まり、奇形児が増加するという指摘がされています。
妊婦さんはマニキュアしては駄目?
マニキュアに含まれる有機溶剤は大量に母体に入ることによって胎児の成長に影響することはありますが、マニキュアとして利用する量はたいてい微量です。
毎日マニキュアを塗るということもありませんので、体調が特に悪いという場合でない限り普通にマニキュアを使用する程度ならば、あまり心配せずにマニキュアを使っても大きな影響はないというのが一般的な専門医の見解であることが多いです。
どうしてもマニキュアをしたいのに妊娠しているという理由で普通にマニキュアを使えないという状況ではなさそうです。
しかし、世界中の研究結果がマニキュアに含まれる有機溶剤と胎児への影響について研究データがないために、影響があるとはされていないという背景も考慮する必要があります。
現に妊婦さんがマニキュアをすることに対して否定的な専門家も存在します。
結論としては、非常にあいまいですが、妊婦さんがマニキュアをすることによって胎児には影響はほとんどありませんが、お母さんが心配ならばなるべくマニキュアは、妊娠中は避けたほうがよいということがいえます。
ネイルサロンを利用する場合
ネイルサロンに入ると華やかな雰囲気がありながら、部屋の臭いはマニキュアや除光液、ジェルなど色々なものが交じり合った臭いがしますので、このような臭いの中では、つわりで体調が悪い人などは長時間施術してもらうのは無理です。
しかし、どうしてもネイルをしたいという場合は、なるべくサロンにいる時間が短くなるように、あらかじめ予約を入れておき、妊娠しているので臭いが辛いことなどを伝えておきましょう。
また妊娠後期になってくるとお腹が大きくなるので、長時間施術のために椅子に同じ施設で座っていることが腰や背中に負担になり、なかなかできなくなります。
施術内容にもよりますが、一回ネイルサロンで滞在する時間は1~2時間ほどです。お腹が大きな状態で1~2時間同じ椅子に同じ体勢で座るというのは妊婦さんにとっては大変なことです。
同じ体勢でいるとどうしても血流が悪くなりますので足がむくんだり、体調が悪くなりやすいのでお腹が張ってきたりもします。
調子が悪くなりやすいので、少しでも違和感があるときはスタッフに頼んで少しずつ体を動かせる状態にしてもらったり、休憩を挟んでもらったりしながらできるだけ短時間で帰宅できるようにしましょう。
足のマニキュア楽しむには?
夏場になるとサンダルなどを履くために、女性は足先にもマニキュアでカラフルにしてオシャレを楽しみます。
妊婦さんでも足のオシャレを楽しんでいる人が多くいますが、足にマニキュアを自分で塗るためには、お腹を圧迫した状態である程度の時間、かがんだ体勢を維持する必要があります。
妊娠中期のお腹のまだ小さい時期ならば可能かもしれませんが、妊娠後期になってくるとお腹が大きいので自分の足元が見えなくなるほどです。足にマニキュアを自分で塗るというのは至難の業ということになります。
どうしても足にマニキュアを塗りたい人は、ネイルサロンでゆったりした姿勢を維持しながらプロに施術してもらいましょう。
妊娠後期は足の血流も悪くなって足がむくみがちですので、ネイルケアと同時にフットマッサージをしてもらうと足が軽くなり楽になります。
ただし、足のマニキュアを了解している病院もありますが、出産が近くなってくると手だけでなく足のマニキュアも取っておくよう指示する病院もありますので気をつけましょう。
マニキュアよりジェルネイルの方が安全?
マニキュアが胎児に有害な有機溶剤を含むものが多いのに対して、ジェルネイルの中には、できるだけ有機溶剤を使用せずに作られているものもあります。
また、自分の爪に対しても優しいものがあるので、妊婦さんに向いていると考えられます。ただし、マニキュアを使用した場合に比べてジェルネイルは時間がかかる場合が多く、2時間以上施術にかかるというのは普通です。
時間がかかるということは妊婦さんにとって体への負担が大きくなります。同じ体勢を2時間以上続けるのは妊娠後期にはかなり辛いものです。
また、マニキュアが除光液で落とすのに対して、ジェルネイルはジェルネイル専用のリムーバーを使うので、緊急にネイルをとりたい場合などはマニキュアの方が簡単に落とすことができます。
妊娠中は急に体調が悪化することもあり、突然医療機器を装着することもあるので、爪先であっても人工的な物質が付いていると正確なデータが取れません。マニキュアでもジェルネイルでもどちらも一長一短があるので良く考えてから使うことも大切です。
自分で簡単にネイルを楽しむ
ネイルサロンに行くと、色んなネイルアートが楽しめるのですが、1回にかかる施術時間が2時間ほどかかりますので、その間の体調管理が大変です。
座っているだけでも同じ姿勢を続けているとお腹が張ってきますので、ネイルサロンに行かずに自分で自宅でネイルのセルケアをしましょう。
美容グッズが揃っているお店では、プロさながらのネイルケアの道具を買い求めることができます。爪に塗る美容液や爪の形を整える道具、マニキュアやネイルアートに使うストーンなども簡単に手に入ります。
なかなか自分で凝ったものはできませんが、ストーンを使う代わりに、絵柄がプリントされているシールなどを利用すると上手にできます。
マニキュアも速乾性の高いものがあり、ネイルを乾燥させる器械もあります。自分で自分の体調を考慮しながらネイルを楽しむのもよいでしょう。
体に優しいマニキュアを使う
マニキュアは値段が安いものから高いものまで色々ありますが、一般的には非常に安価なものは鼻を突くような強い匂いがあり、石油系の溶剤が多く入っているものが多いです。
このようなマニキュアは取るときも強い除光液がないとなかなか落ちないという悪循環があるのですが、はじめから有機溶剤を使用しないで作られたマニキュアや、有害な物質をできるだけ含まないものを選ぶと妊婦さんでも安心してマニキュアを使うことができます。
中には除光液さえも使用することなく水で落ちるものがあります。全く有機溶剤を含まないものから、有害なホルムアルデヒドやトルオール、フタル酸などを極力押さえた商品もあります。
つわりでもどうしてもマニキュアをしたいという人などは臭いもぐんと抑えられていますし、簡単に取ることができるので便利です。
有機溶剤は色々なものに入っている!
ネイルケアで使用するものはマニキュアだけではありません。除光液、美容液など色々な薬品を使います。
ネイルケア製品だけでなく、妊婦さんは日頃から化粧もしますし、シャンプー、リンス、コンディショナーなど多くの製品を使いますが、それらの中にも有機溶剤は多数使用されています。
マニキュアだけに注目するのではなく妊婦さんの身の回りの製品の成分に注目することも大切です。
気にしていると何も使えない状態になりますが、妊婦さんとして日頃から使っている化学物質には気を配る必要があります。
爪は健康のバロメーター
指先が華やかできれいに整えられていると見ている側まで気分がよいものですが、病院ではマニキュアで塗られた爪はあまり歓迎されません。
爪を見れば体調が分かったり、体の悪い状態を判断する材料になるので、マニキュアに覆われた爪ですと健康チェックができないからです。
妊娠7ヶ月辺りでは妊婦検診の回数が増えます。そのため病院に行く頻度増えますのでネイルアートを楽しむことがなかなかできなくなります。
もちろん病院以外の日はマニキュアの付いた爪でもよいのですが、妊婦検診ではマニキュアを落として来て下さいという病院が多いです。
妊婦検診の度に毎回ネイルを除光液を使って取ることを繰り返していると、除光液の成分が強いので本来の自分の爪が乾燥して痛んでしまいます。
出産の際にも、ネイルはもちろん、化粧なども全部取ってくださいといわれますので妊娠後期に入る頃には妊婦検診や出産に備えてマニキュアを常に塗らないようにしましょう。
もしも緊急搬送されたら?
妊娠中は普段は考えられないようなことで体調が悪くなったり、急にトラブルが発生することがあります。
そのような場合、救急車で搬送されることも珍しくないのですが、救急搬送されたときは、病院に着き次第色々な検査をします。
場合によっては緊急の手術になることもありますが、そのような時は指先からデータを取ることもあるので爪にマニキュアが塗られていたり、ネイルアートされていると簡単に外せないこともあるので時間が無駄になることもあります。
緊急性があるにもかかわらず、マニキュアやネイルアートが生命を脅かすことがあってはいけません。
普段のオシャレを楽しむことも大切ですが、妊娠中は普通の状態の体調でないということを良く認識しておきましょう。
育児中はなかなかできないネイルアート
妊娠中はマニキュアの成分を気にしたり、緊急時にマニキュアをした指先が医療対応できなくなるという心配がありましたが、出産後のネイルアートはどうでしょう?
出産後は有機溶剤を引き続きチェックしながらマニキュアを使用することができますが、立体的なネイルアートや長爪、先の尖った爪などは育児にはどうしても不向きです。
赤ちゃんの肌は繊細ですし、爪や色々な突起物で赤ちゃんにけがをさせてしまう恐れがあります。
妊婦さんのストレス発散
女性はきれいにすることによって嬉しい気持ちになったり、前向きな気持ちになります。特にネイルケアなどは心に余裕ができますし、でき上がりも美しいのでうっとりした気分になり、リラックスできます。
妊婦さんにとってマニキュアは時には気をつけて使用することも大切ですが、ゆったりとした気分で落ち着かせるということも大切です。
マニキュアをすることによって心が休まるのであればマニキュアを楽しむことに意義があります。ネイルしたいのに我慢してストレスが溜まるのであれば、我慢せずに積極的にネイルを楽しみましょう。