妊婦さんが手足口病にかかると

妊娠中に妊婦さんが手足口病にかかると?赤ちゃんに影響は?



手足口病と聞くと、夏になると小さな子供がかかる病気ですが、子供のいない妊婦さんには馴染みがない病気かもしれません。

しかし、手足口病は大人でも感染することがあります。手足口病に妊娠中の妊婦さんがかかると、胎児に影響があるのでしょうか?

そこで今回は、

・手足口病ってどんな病気?
・妊婦さんが手足口病にかかると赤ちゃんに影響ある?
・手足口病を予防するには?

といった方に、手足口病はどんな病気なのか、妊婦さんがかかった場合や予防法について詳しくご紹介します。

手足口病って何?

手足口病って何
手足口病はウイルス性の感染症で、コクサッキーウィルスやエンテロウィルスなどが原因で発症し、口の中や手のひら、足の裏などに、ポチポチと小さく水ぶくれのような発疹があらわれます。
これらのウイルス経路はさまざまで、飛沫感染も経口感染も接触感染もするため、幼稚園や学校などの集団生活の場で大流行することがあります。
感染者の多くは、免疫を持たない子供で、患者数の半数は二歳以下です。

一般的には例年7月の下旬に流行のピークを迎えます。症状としては、手、足、口の中に赤い水疱ができます。熱が出ることもありますが、38度以下の微熱に止まることがほとんどで、半数以上は発熱が見られないとされています。

手足口病に特化した治療薬はないので、熱が下がって、発疹が消えるまで安静を保つようにします。
通常は手足口病にかかると免疫が付きますが手足口病の原因となるウイルスは複数存在するので、他のウイルスに感染して手足口病を何度も繰り返すことも少なくありません。

このため、子供の頃に感染していたとしても大人になって抗体を持たないウイルスには感染し、手足口病を発症する可能性は誰にでもあるのです。

手足口病の症状は?

手足口病のウイルスに感染すると3~5日してから、口の中、手のひら、足の裏などに水疱が出ます。
くっきりと赤くなりはっきりとわかる水疱が出ることもありますが、個人差があり、うっすらとしか出ない場合もありますし、水疱自体でないこともあります。

約1/3でのケースでは発疹と同時に熱が出ますが、あまり高熱にならないのが一般的です。
水疱自体は1週間ほどで自然になくなりますが、水ぶくれになっているものを潰してしまうと、潰瘍を形成して回復が遅れることもありますので注意しましょう。

大人が手足口病にかかったら?

子供が手足口病にかかっても、熱は出るものの、比較的軽症で済むことが多いです。

しかし、大人が感染してしまうと、重症化することがあるので気をつける必要があります。

重症化すると高熱が出るだけでなく、水疱が多発して強い痛みやかゆみを引き起こすことがあります。

子供が手足口病になったら?

初産の妊婦さんは、子供と接する機会が少ないケースが多いので、手足口病にかかる可能性が低いですが、保育園や幼稚園など集団生活をしている子供がいると、手足口病を子供からもらってしまう可能性があるので注意が必要です。

感染経路が飛沫感染、経口感染、接触感染ですので、同居している家族でも小さな子供から順番に感染することがあります。

大人も、抗体がない場合は体調が悪かったり、抵抗力が下がっていると簡単にうつってしまいます。

妊婦さんは、できるだけ子供から感染しないようにマスクをしたり、タオルを分けたり、食事の時に子供の残ったものを食べないなど、ある程度は注意がする必要があります。

手足口病は熱が下がって発疹が消えても、ウイルスが唾液や鼻水などから1~2週間、排泄物から3~5週間ほどかけて排出されます。

手足口病の感染力が完全になくなるまでは1ヶ月ほどの時間がかかるので、水疱が消えても油断せずに感染対策しましょう。

もし妊娠中に手足口病になったら?

妊娠していると、体の抵抗力が下がります。このため、家族が手足口病にかかると、大人である妊婦さんもうつってしまうことがあります。
妊娠中に手足口病にかかるとどうなるかということについてですが、日本産婦人科医会は直接胎児の健康に悪影響を与えることはほとんどないとしています。
そのため、手足口病にかかった場合、対処療法や経過観察だけでよいと考えられているのです。

一方、非常にまれなケースですが、流産や死産や胎児水腫の危険もあるとしています。
妊婦さんが高熱を出したり、水疱が出ると、妊婦さん自身がつらい思いをするだけでなく何かしらの形で胎児の成長に影響がある場合もゼロとはいえないので、妊婦さんは手足口病にかからないように注意する必要があります。

手足口病には治療薬がない!

手足口病にかかると、治療薬がないので症状が消えるのを待つしか治療法がありません。

手足口病になっても、治療薬も特効薬もないので自然治癒を待つしかありません。

熱が高い場合は解熱剤、水疱に痒みがあれば痒みを抑える薬で対処しますが、根本的に手足口病を治療する方法はありません。

安静にして栄養や水分、睡眠を取ってゆったりと過ごしていることが一番の治療方法で、1週間ほどで症状が治まります。

手足口病が疑われる時は産婦人科に相談する

家に子供が同居していて、その子供が手足口病にかかったあとに、妊婦さんがに水疱や発熱が見られたらほぼ手足口病に感染したと判断できます。

妊娠中なので、病院に行って早く治療をしたいと考えてしまいますが、手足口病は簡単に感染し、抵抗力の下がっている妊婦さんの集まる産婦人科に感染者が行くと、病院で感染が拡大しまう可能性がありますので、病院に行く前に必ず電話で症状や状態を説明して対処を相談するようにしましょう。

また、手足口病にかかった子供は、1ヶ月ほどは他に感染を広げる可能性があるので、容易に産婦人科の外来などに連れて行かないようにしましょう。

手足口病にかからないように予防する方法

予防する方法

妊婦さんが手足口病にかかっても、深刻なことにはならないことが多いのですが、妊娠中は何があるか分かりませんので、できるだけ病気にはかからない方が良いですし、熱を出さないようにすることが大切です。

このことから、妊娠中は手足口病にかからないようにあらかじめ予防することが、何より大切です。

手洗いを徹底する

どんな病気でもそうですが、外から帰ってきたら、石鹸でしっかり手を洗って乾燥させることが大切です。

手足口病の場合、感染経路が広いので、なかなか手洗いうがいだけでは対処できない面もありますが、あらゆる感染症から体を守るためにも、手洗いを徹底しましょう。

もし、家族に手足口病が出た場合は、手を拭くタオルなどは同じものを使用しないようにしましょう。

マスクをする

子供が手足口病になった場合は、家の中でもマスクは着用するようにします。

また、手足口病は夏の時期に幼稚園や保育園で感染が広がるので、送り迎えの時も必ずマスクをするようにしましょう。

オムツ替えには注意

感染している子供の排泄物にもウイルスが含まれていますので、子供が手足口病にかかったらオムツ替えには注意が必要です。

汚物が付いたオムツは、ナイロン袋などにしっかりと入れて封をします。使い捨ての手袋、マスクを着用するようにしましょう。

そして、オムツ替えしたあとはしっかりと石鹸で手を洗い、できれば消毒液などを利用して徹底しましょう。

子供と同じものを使用しない

食器やコップ、お箸などは、つい子供の使ったあとに使ってしまうことがありますが、感染する可能性があるので、使用するものは別にしましょう。

食べ残しも食べないようにします。

規則正しい生活をする

早寝早起きなど、しっかりと規則正しい生活をしましょう。

生活リズムが乱れて疲れやストレスが溜まると、免疫力も下がってくるので、いろいろな病気にかかりやすくなります。

昼寝をしたり、お茶を飲んだりしながら、できるだけ心にゆとりをもって生活をすること、病気にかかりにくい体になります。

栄養をしっかりととる

免疫力を落とさないためには栄養をしっかりとることも大切です。ビタミン類などをしっかりとると免疫力があがりますので、野菜や果物などを食べましょう。

また、バランスの良い食生活も大切ですので、肉や魚などの動物性たんぱく質も充分必要です。

腸内環境をよくすることで免疫力を維持することができると考えられていますので、発酵食品や、食物繊維を積極的に食べるようにしましょう。

掃除や除菌を徹底する

手足口病にかかった家族がいたら、掃除や除菌をいつもよりも徹底して行いましょう。

家族みんなが触る、ドアの取っ手や水道の蛇口、照明器具のスイッチ、リモコン、トイレ周りなどは。除菌用の薬剤や消毒用ウェットティッシュなどでマメに拭いて除菌します。

家庭用の塩素系漂白剤を利用することもできます。

家族にも予防をさせる

家族が多ければ多いほど、手足口病だけでなく、いろいろなウイルスや細菌を持って帰ってきます。

妊婦さんである自分は、病気にかかってはいけないという自覚があるのでマスクをしたり、手洗いなどを徹底することはできますが、旦那さんや子供たちが病気に対して無防備であると何の意味もありません。

家族には、お腹の赤ちゃんのために、病気にかからないことが大切であることをよく説明して
、病気の予防に協力してもらいましょう。

手足口病にかかった場合の食事

手足口病は高熱が出たり、頭痛、嘔吐などの症状もあり、脱水症状になりやすいので水分補給をマメにするようにしましょう。

また、口の中の発疹が痛むことがありますので、うどんやお粥、煮物などあまり噛まなくても食べられる消化の良いものがおすすめです。

もし手足口病になっても不安にならないで

妊娠中に手足口病に限らず、病気になると、お腹の赤ちゃんに何か影響が出たらどうしようと急に不安になります。

手足口病は大人がかかると重症化したり、まれに赤ちゃんに影響がある可能性もありますが、一般的には特に問題のない病気とされていますので、手足口病になったら安静にして休養をとって早く病気が治るようにすることが大切です。

まとめ

自分の子供や家族から、妊娠中に手足口病にかかる可能性があるので、妊婦さんは日頃から感染対策を行うことが大切です。

基本的には手足口病は、子供がかかることはあっても、大人がかかることは少ないのですが、大人でもかかる可能性があります。

また、大人が手足口病に感染すると、場合によっては子供の症状よりも重くなる傾向があります。

特に妊婦さんは免疫力が通常よりも下がっているので、手足口病にかかりやすくなっています。

このため、家族に手足口病の人が出た場合は、徹底して予防することが大切です。

マスクをしたり、手洗い、消毒などが基本ですが、日頃からの規則正しい生活をして栄養をしっかり取ることも大切です。

万が一、妊娠中に手足口病にかかっても胎児に影響が出ることはほぼありませんので、安心して早く病気を治すように心がけましょう。

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監修:成田 亜希子(医師)

プロフィール:弘前大学卒業後、内科医として地域医療に従事。その傍ら、保健所勤務経験もあり、国立保健医療科学院での研修も積む。感染症や医療行政にも精通している。プライベートでは二児の母。

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