授乳中に妊娠したら

授乳中に妊娠しても授乳を継続してもいいの?



現在の日本では食生活も非常に豊かであるために、授乳をしていても充分栄養が取れますので、排卵が再開されるのが早まる人も多くなっています。

まだまだ授乳を必要とする乳児を抱えている場合、授乳を継続することによって妊娠継続が安全かどうかということはとても不安になることでしょう。

そこで今回は、

・授乳中に二人目の妊娠を希望している
・授乳中に妊娠した
・授乳中に妊娠したらどうするべきか疑問に思っている

といった方に、授乳と流産の関係や、上の子と下の子に同時期に授乳させる「タンデム授乳」のメリットやデメリット、授乳量を徐々に減らしていく方法などをご紹介します。

生理再開と授乳について

一般的には、授乳中は排卵を抑制します。これは母体がもつ力が授乳に集中しているためです。排卵をして次の妊娠生活を始めるのは、授乳を終え母体に体力的余力ができた方がよいという人間の本能的な自己防衛力によるものです。

排卵がなければ妊娠は不可能ですので授乳中は基本的には妊娠の確率は低くなります。しかし、中には生理も確認できないまま妊娠するケースもあります。

出産後の生理再開については、出産後の生理再開はいつ?出産と授乳と生理の関係で詳しくご紹介しています。

授乳と流産の関係

授乳するたびに、母乳を新たに作るオキシトシンというホルモンが脳から分泌されます。

このオキシトシンというホルモンは陣痛促進剤として使用されるように、そのホルモンによって子宮が収縮されるために流産につながるということで、特に妊娠初期は卵子が子宮にあるので、子宮を収縮させるようなことはやめたほうがよいといわれます。

しかし、実際の人間のデータというのはありません。専門家の中には授乳時に分泌されるホルモンの影響は妊娠初期にはないという人もいます。

オキシトシンは妊娠23週に至らない妊婦に投与しても、実際には陣痛は起こらないとされています。全員が全員、授乳することにより即流産につながるというわけではないのです。

妊娠中、ずっと授乳を継続していた人でも全く影響なく普通に出産する人もいます。出産後第一子と第二子の両方に授乳しているといういわゆる、タンデム授乳という人もいます。

タンデム授乳のメリットとデメリット

タンデム授乳とは、上の子と下の子に同時期に授乳させることです。タンデム授乳には賛成、反対といろいろな意見があります。

タンデム授乳のメリット

まず、メリットは、二人がおっぱいをよく飲むので(上の子の授乳量が多い)ので母乳の出が非常に良くなります。乳腺炎などのリスクが減ります。

また夜に寝る時など、同時に授乳するので同じタイミングで寝ることです。一緒におっぱいを飲むので兄弟の仲が良くなったり、上の子の赤ちゃん帰りがなくなるという人もいます。

タンデム授乳のデメリット

逆にデメリットとしては、切迫流産、流産、早産、切迫早産の危険があったり、それに伴って入院などをすることになると、上の子供が精神的に不安定になるという意見もあります。

兄弟間でおっぱいの争奪戦が繰り広げられて、仲が悪くなるという意見もあります。上の子供の精神を安定させる反面、流産のリスクが高まるなど悪影響もあります。

タンデム授乳をしたいというのであれば、必ずリスクを考えた上で専門の医師や助産師の監督下で授乳しましょう。妊娠24週目以降はあえて上の子供にもおっぱいを飲ませず、出産後また二人に授乳するという人もいます。

妊娠したことで授乳をやめたほうがいい場合

全く妊娠中に授乳をしても問題なく無事に出産にいたる人もいますが、やはり中には授乳継続が難しい場合があります。

妊娠していてお腹が張る、出血するという人は流産の危険がありますので、授乳中の乳児がいる場合でも即刻授乳を中断した方がよいと思われます。

流産の原因は授乳によるホルモン分泌だけでない場合もありますので、専門の医師に授乳中であることを伝え、授乳継続をしてよいのかという判断の相談をしてみましょう。

また妊娠を継続していく上で体調が悪かったり、ホルモンのバランスが崩れて、母乳の 分泌が減ってしまって授乳できない人もいます。

母乳の味も変わってくるのでそれを赤ちゃんが嫌がって飲まなくなる場合もあります。妊娠をしていて授乳していると、授乳中におっぱいに激痛が走るというママもいます。

妊娠継続も授乳も、ともに体力のいることです。ママの体力とも相談しながらおこなっていきましょう。

妊娠により徐々に授乳を減らす方法

特に流産の危険がない場合でも、心配なので授乳を控えたいという人もいます。その場合はまず、授乳を必要としている乳児の状態をよく観察しましょう。

授乳を突然やめるのは子供にとって精神的にも肉体的にも負担がかかります。授乳は赤ちゃんにとって、母親との最大のスキンシップの時間で精神安定剤でもあります。

それをある日突然、流産の危険があるからと赤ちゃんから授乳を取り上げてしまうと、赤ちゃんは精神的に不安定になり、

・夜泣きが激しくなったり
・ママから離れなくなったり
・かんしゃくを起こしたり

とママにとっても接し方が難しくなります。

また、栄養面でも、一日の栄養の全てを母乳でまかなっていた赤ちゃんでは、突然食べ物がなくなってしまうことになり問題です。母乳で育ってきた赤ちゃんは、突然粉ミルクに切り替えるということは安易ではないからです。

そこで、離乳食のスピードを上げていくという方法もあります。

例えば今まで2回だった離乳食を3回に増やしてみるとか、徐々にフォローアップミルクを飲ませるなどです。

栄養面を確保できたならば徐々に授乳の回数を減らしたり、夜寝る時だけ授乳したり、ちょっとおっぱいを触るだけにしてみたりして、少しずつ赤ちゃんの様子を見ながら授乳回数を減らしていくようにしてみましょう。

もちろん、授乳に代わるスキンシップを忘れないでください。

そのうちに赤ちゃんもだんだん授乳しない生活になれてきて卒乳という状態になるでしょう。卒乳する時期は赤ちゃんによって違いますが、1歳になる前後が多いです。

授乳している赤ちゃんが一歳前後になるまで、次回の妊娠を意識的に避けるということも視野に入れておきましょう。

断乳にはおっぱいのケアが必要

流産の危険などを考慮して突然断乳するということは赤ちゃんだけでなく、ママにも大きな肉体的な負担がかかります。授乳を突然やめるとおっぱいが張ってきて痛くなったり、乳腺が詰まって乳腺炎になったりします。

スムーズに断乳という流れに持っていくには助産師さんに断乳のためのマッサージをしてもらったり、自分で少しずつおっぱいを絞って徐々に分泌量を少なくなるようにする方法があります。

なるべく絞る量を減らしていってそっとしておくと、トラブルなしに自然に生産がおさまります。断乳し始めてしばらくは、非常に注意深くおっぱいをケアし観察しましょう。

しこりなどができてくるとトラブルになりますので、専門家に相談しましょう。

photo credit: Mothering Touch via photopin cc

監修:Etuko(産婦人科歴12年)

プロフィール:産婦人科医は「女性の一生の主治医である」と考える医師のもと看護師として12年勤務。述べ18万人の妊婦さんのサポートにあたる。筋肉、骨フェチで体幹バランス運動にて機能訓練をおこなっています。

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