産後は、妊娠中に引き続き便秘に悩まされるママさんもいますが、反対に軟便にが続いてしまうママさんもいます。
便秘や下痢に比べれば良いと思ってしまいがちですが、軟便が続いてしまう状態は、腸の働きが正常ではないということです。
そのため、軟便が続いてしまうときには、しっかりと対策をとり、正常な状態へと戻す必要があるのです。
そこで今回は、
・軟便って何?
・産後に軟便が続くのはどうして?
・産後の軟便を改善するには?
といった方に、産後に軟便が続いてしまう原因や、対処法などについて詳しくご紹介します。
この記事の目次
軟便とは?
軟便は、水分を多く含む便のことをいいます。下痢との違いは水分量の差にあります。
普通の便は、約70%ほどの水分量ですが、それが80%を超えると軟便、さらに90%を超えると下痢、というように区別されています。
なんらかの原因によって、腸による水分の吸収が悪くなったり、腸からの水分分泌が増えると、腸内の水分が異常に多くなり、下痢や軟便になります。
産後は軟便になることが多い
産後は軟便になってしまうことが多いのですが、どのような理由が考えられるのでしょうか?
骨盤が緩んでいるため腸の機能が低下する
産後のママさんは、出産によって骨盤が緩んでいる状態です。
産後ダイエットをするとともに、骨盤を引き締めていくことになりますが、すぐに引き締まるものではありません。
緩んだ骨盤内に腸などが下がってしまうため、腸の働きが正常ではなくなり、軟便が続いてしまうことがあるのです。
産後のホルモンバランスの崩れ
妊娠中から、ママさんのホルモンは普段と異なった増減を繰り返してきましたが、産後も母乳を出すためのホルモンが増えたりと、しばらくは不安定です。
また、母乳育児の場合、赤ちゃんに必要な栄養素を優先的に回すため、栄養不足に陥りがちです。
そのため、腸内環境も乱れやすく、便秘と下痢を繰り返したり、軟便が続いてしまうといった状態になってしまうのです。
産後の冷え
産後はさまざまな体のバランスが崩れやすいことから、冷え性になってしまう方もいます。お腹が冷えると腸内の働きも悪くなってしまいます。
休む間もなく、赤ちゃんの世話をしていかなくてはならない中で、冷えに気付かないまま生活していたり、冷え性の対策ができない状態が続くと、腸内にも悪影響がでてきてしまい、軟便が続いてしまうことがあるのです。
体を動かすことが減る
産後のママさんは、慣れない赤ちゃんのお世話や家事に追われ、体力的にも限界を感じることが多いので、自ら体を動かして運動することや、すべての家事を行うことも減ってしまいがちです。
できれば家事などもお休みしたいと思うママさんがほとんどです。しかし体を動かす時間が減ってしまうと、代謝が低下してしまいますので、それが腸の働きを低下させる原因になります。
腸の働きが低下してしまい、腸内でしっかりと吸収されるはずの水分が吸収されないままとなってしまうため、便となる老廃物に水分がたくさん含まれてしまい、軟便につながります。
しっかりと充分な食事が取れない
赤ちゃんのお世話で疲れきってしまうことや、その他にも産後のお祝いに友人などが来てくれることによって、ママさんは気疲れをしてしまうこともあります。
こういったさまざまな疲れから、ゆっくりと食事をとることもなく、簡単な食事で済ませてしまうことも多々あります。
栄養バランスが崩れた食事が続いてしまうと、当然ながら軟便になってしまう原因になります。
栄養バランスが崩れてしまうと便秘になるイメージが強いのですが、産後のママさんは母乳でたくさんの水分が必要なため喉が渇き、普段より多くの水分摂取をすることと、栄養バランスの崩れから、軟便につながるのです。
寝不足による腸内の乱れ
寝不足が続いてしまう産後のママさんは、腸内の働きが低下してしまうだけでなく、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れてしまうことにもつながります。
寝不足というのは、活性酸素を次々に生み出してしまい、活性酸素が腸内の善玉菌を減らし、悪玉菌を増やすのです。
このような影響から腸内のバランスが崩れ、軟便になってしまうケースもあります。
環境の変化による原因
産後一週間程度は入院することになりますが、その後は自宅に戻って生活をする、または里帰りをするというママさんがほとんどです。
特に里帰りをしたママさんの場合、里帰りから自宅に戻ると環境が変わってしまうため、これに体が順応できず、軟便になってしまうことがあります。
目には見えないさまざまな細菌などが体内に入り込んでしまい、これが軟便の原因になっているケースや、今まで里帰りをして生活をしていた実家と自宅の温度差など、環境の変化が軟便を引き起こしてしまうケースになります。
産後の軟便は腹痛がなければ心配なし?
産後には、さまざまな理由から軟便が続いてしまうこともありますが、このように軟便が続いていても、特に腹痛を感じることがなければ、大丈夫だろうと安心してしまうママもいます。
しかし、腹痛がないからといって軟便が続いてしまうのは決して良いことではありません。
便は健康状態を把握するためのバロメーターといわれることもありますので、便秘だけではなく軟便も注意しなければなりません。
便秘より軟便の方が安心?
上記でも触れていますが、頑固な便秘やひどい下痢を繰り返してしまうより、軟便の方が安心だと思ってしまうママさんもいます。
便秘の場合は老廃物が排出されない状態となりますが、軟便は腸の働きが低下し、体内に水分が適切に吸収されないため、柔らかい便になってしまいます。
つまり、軟便であっても腸内環境としては正常といえるものではありません。
腸内の働きが低下する、もしくは腸内バランスが著しく乱れてしまうことになれば、その後はひどい下痢になってしまったり、便秘と交互に繰り返すこともあります。
また、腸内バランスの乱れから善玉菌が極端に減ってしまう状態となりますので、食べたものをしっかりと吸収することができず、さらには消化することも難しくなり、栄養不足になったり、腸壁が傷ついてしまうこともあります。
腸壁が傷ついてしまえば出血を起こし、腫瘍ができてしまうことや、食べた物による刺激が強すぎて、腸閉塞を引き起こしてしまうようなリスクもあるのです。
薬を飲んで軟便を治して良い?
軟便が続いてしまう場合、なんとか薬を飲んで改善していきたいと考えるママさんもいます。
しかし、母乳を赤ちゃんに飲ませている場合、母乳の中に薬の成分が含まれてしまえば、当然赤ちゃんも薬の成分を飲んでしまうことになります。
母乳を飲ませていないママさんであっても、薬だけでは一時的に症状を抑えるだけなので、腸内環境を整えない限り再び繰り返されてしまいます。
そのため、食生活やライフスタイルを見直し、しっかりと軟便を治すための取り組みをしていかなくてはなりません。
産後の軟便はどうやって改善する?
産後の軟便を改善していくには、どのように工夫をすればよいのでしょうか?毎日取り組める、簡単な方法をご紹介していきましょう。
食事メニューで改善
産後の軟便は、食事メニューから改善していくのが一番ベストな方法となります。
食物繊維を取り入れるのはもちろんのこと、その他にも、全体的な栄養バランスをしっかりと見直していきましょう。
一つの食品に偏った食生活は、軟便を引き起こすことも多くなります。タンパク質などを積極的に取り入れながら、食物繊維をお野菜から取り入れるといった食生活を心がけましょう。
乳酸菌を取り入れる
腸内環境をしっかり整えていくためには、善玉菌の働きを助ける乳酸菌を摂取するのが良い方法となります。
乳酸菌はヨーグルトから手軽に摂取することができるため、おやつ代わりにヨーグルトを食べましょう。
ただし、冷たいヨーグルトを食べ過ぎると、軟便の状態から下痢を起こしてしまうことがあります。
その場合は、授乳中でも安心して摂取できる乳酸菌サプリなどを取り入れていきましょう。
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その他、お料理をする際やスイーツ作りをする際に、乳酸菌の働きを助ける作用を持つオリゴ糖を使用する方法もおすすめです。
運動をして骨盤を引き締める
骨盤を引き締めるためのストレッチやエクササイズなどを取り入れることによって、骨盤内に下がった腸も、妊娠前までの場所に戻っていきます。
そのため、ママさんは産後の体調と相談しながら、骨盤を引き締めるための運動も取り入れていきましょう。
寝不足やストレスを解消する
寝不足やストレスなどによって腸内環境が乱れているママさんは、ストレスを取り除いていくことが重要になります。
寝不足が続いてしまうだけでもストレスが蓄積されますので、少しずつでも睡眠時間を確保していきましょう。ゆっくりと体を休めてあげることで腸内環境も整っていきます。
産後の軟便はいつまで続くの?
産後の軟便というのはいつまで続くのか、心配になってしまうこともあるでしょう。
どのような生活をするのかによって変わってくるのですが、さまざまな工夫を取り入れながら生活をすることで次第に改善されていくものです。
産後一年も二年も軟便が続いてしまうようなことはありません。あまりにも軟便が長期に渡って続いてしまうようであれば、医療機関で相談することも必要になります。
多くのママさんは、夜眠る時間などもある程度確保できるようになる産後三ヶ月から四ヶ月を目処に軟便が改善されていきます。
産後の軟便で注意すべきこと
産後の軟便は腹痛などを引き起こさなければ、あまり気にしないママさんもいます。
自然なライフスタイルに合わせて改善するケースが多いので、神経質になってしまうのはよくありません。
ただし、産後の軟便が続いている場合には、腸内環境を整える以外にも気をつけたいことがあります。
衛生面に気をつける
軟便が続いてしまうと、お手洗いに立つ回数も増えてしまいます。衛生面にはくれぐれも配慮し、こまめに下着を替えたり、清浄綿などを使い、清潔に保つようにしましょう。
ウォシュレットを使用する場合であっても、ウォシュレットの後には清浄綿を用いて綺麗にすると良いです。
産後のママさんはとてもデリケートな状態となっていますので、衛生面に気をつけなければ、細菌によってさまざまな症状に悩まされてしまうこともあります。
デリケート部位の肌荒れに注意
軟便を繰り返し、頻繁にお手洗いに出かけてしまうことによって、どうしてもデリケート部位への刺激が増えてしまうことになります。
このような刺激によって、お肌が炎症を起こすというケースも少なくありません。
万が一炎症を起こしてしまった場合や、かぶれが引き起こされてしまった場合は、衛生面に気をつけるとともに、刺激の少ない素材のインナーを着用するなどといった工夫も取り入れましょう。
冷たいものを飲まない
冷たいものを飲んでしまうと軟便が続く原因を作ることになります。そのため喉が渇いたときには、冷たいものを飲むのではなく、常温の飲み物を取り入れましょう。
夏場でも母乳を出しているママさんは、喉が渇いてしまうため、冷たいジュースなどを飲んでしまうこともあります。
しかし軟便を改善していくためには、冷たい飲み物はなるべく避けましょう。
アルコールを飲まない
産後のママさんは気も緩んでいますので、時々母乳を飲ませることはお休みし、お酒を飲みたくなることもあります。
しかし、お酒のアルコール成分が腸への刺激を与えてしまいますので、軟便を助長することがあるのです。
そのため、アルコールの摂取を控えることもしっかりと意識していきましょう。
食事はよく噛んで食べる
産後は時間がなく、ゆっくり食事をすることも難しくなりますが、食事をする際にはゆっくりと噛みながら食べるようにしましょう。
しっかりと噛まない状態で飲み込んでしまうと、腸への負担が大きくなります。
また、産後の体力を維持するため、スタミナをつける意味でにんにく料理や辛いものなどを食べてしまうママさんもいますが、刺激物は腸への刺激がとても強いので、軟便が続いている時は控えましょう。
まとめ
いかがでしょうか?産後に軟便が続いてしまうのは不快な症状の一つとなります。また、どうして軟便が続いてしまうのかと不安になることもあるでしょう。
軟便が続いてしまう理由はさまざまですが、改善していくための方法は難しいものではありません。
ちょっとしたことに気をつけるだけでも、産後の軟便を改善することにつながります。あまり気負わず上手に付き合っていきましょう。