産後はさまざまな体調不良を感じるママが多く、その中のひとつに低体温という症状があります。
そもそも低体温とはどのような状態で、いつまで続くものなのでしょう。
そこで今回は、
・産後の低体温はママに良くないの?
・産後の低体温の原因とは?
・産後の低体温は治るの?
といった方に、産後の低体温とはどういった状態なのか、低体温が続いた場合のデメリットや改善方法について詳しくご説明します。
この記事の目次
低体温の状態とは?
どのような状態になったら低体温だと判断すべきなのか、低体温の状態について詳しくお話していきましょう。
単に平熱より低い状態ではない
低体温とは、平熱よりも少し低いからといって必ずしも低体温だとはいえません。
例えば、日頃の体温が36度7分のママが、36度5分に下がり、それがしばらく続いたとしても低体温とは言い切れません。低体温というのはひとつの区切りがあります。
36.5度を下回る時が低体温
低体温とは36.5度を下回る状態が毎日続いてしまうというケースです。人によっては36度4分になってしまうことや、35度3分になってしまうこともあります。
また、一日だけこのような低体温になってしまったからといって、大きな心配をする必要はありません。
体温は一日の中でも変動するものです。寝起きがもっとも低く、食後などには上がります。
低体温をしっかりと判断するためには何度か体温を計測しながら、数日間は様子を見る必要があります。その上で低体温が続いているようであれば、改善する方法を取り入れていきましょう。
産後の低体温は熱が低いだけ?
産後の低体温は、体温が低くなってしまう症状だけではありません。ほかにも、ママにとってデメリットに感じるような症状があらわれてきます。
疲れやすくなる
体温が少し下がるということは、それだけ体内では血液の流れが悪くなっています。また、疲労物質である乳酸などを体の外に排出する機能が低下してしまうため、とても疲れやすくなりす。
赤ちゃんのお世話をしながらの生活で疲れてしまうのは当然ですが、異常さを感じるほど疲れが溜まってしまったり、少しの動作でもひどく疲れて、しばらく横にならないと体力が回復しないというような場合もあります。
肌荒れが続く
低体温が続くと次第に肌荒れの症状が出てきます。ニキビなどの吹き出物をはじめとして、肌の乾燥状態が続き毛穴の開きも目立ちます。
さらに寝起きには乾燥が目立っていたのが、午後になると皮脂がたくさん分泌されて肌がベタついてしまいます。
このように肌の状態が不安定になり、さまざまな肌トラブルが引き起こされてきます。
イライラすることが多くなる
低体温が続くと自律神経のバランスなども乱れ、日々の中でイライラしてしまうことが増えます。そういった自分を責めてしまうことから、さらにストレスが蓄積されてしまうのです。
また、感情が乏しくなって笑うことが少なくなってしまったり、無表情になってしまうというケースもあります。
このような症状も、低体温から自律神経のバランスが乱れたことによって引き起こされるものです。
月経周期が乱れる
産後のママは月経が再開していることも少なくありませんが、月経周期が乱れてしまうのも低体温の大きな特徴です。
数日程度乱れてしまうママから、数週間にわたって乱れてしまうママもいるため、人それぞれ違いはあります。
ひどい場合には再開したはずの月経が、数ヶ月間に渡り来なくなってしまうケースもあり、妊娠を疑い検査をしても陽性反応はなく、何が原因なのだろうと悩んでしまうこともあります。
肩こりや腰痛が治らない
血液の流れが悪くなってしまうことで、疲労物質である乳酸が体内に蓄積されやすくなります。そして疲れやすいだけでなく、肩こりや腰痛などの原因にもなってしまうのです。
痛みを感じる部分に触れてみるとゴリゴリとしたシコリのようになっていたり、筋肉がカチカチになっていて肩もみをするにも、自分では簡単に改善できなくなってしまうことがあります。
また、腰痛を抱えながらの生活で無理をするとぎっくり腰になったり、さらには椎間板ヘルニアを発症してしまうことも出てきます。
不眠になりやすい
低体温の状態が続いてしまうと体内のリズムが乱れるため、眠りにくくなってしまうママもいます。
睡眠不足の状態が続くと体には多くのデメリットが生じるため、ここでご紹介している症状のひとつひとつがひどくなる可能性があります。
ぐっすりと眠れない状態や眠ってもすぐに目が覚めてしまう状態は、ホルモンバランスの乱れにも直結するので、頭痛や月経不順などを引き起こす原因になる場合もあります。
体が冷えてつらい
体内の血流が悪くなることで体が冷えることも増えます。足元を温める工夫をしてもなかなか温まらず、ベッドに入っても足元が温まらないので、とても疲れているのに眠ることができません。
産後の低体温の原因は?
さまざまな症状が出てしまう産後の低体温ですが、なにが原因と考えられているのでしょう。当てはまる原因を見つけた上で、改善への取り組みをしていくことが大切です。
栄養面での原因
産後の低体温といってもその原因は、さまざまなものが考えられます。まずは食生活に由来する栄養面での原因についても詳しくお話していきましょう。
また、栄養バランスに関しては、サプリメントで補うことも可能です。
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産後ママに不足しがちな栄養素が詰まった、マルチサプリメントを選ぶのがおすすめです。
たんぱく質不足
お肉やお魚などさらには、豆類などをあまり食べずタンパク質が不足してしまうと、良質な血液が作られなくなってしまい低体温を招く恐れがあります。
ミネラル不足
ビタミンを含むミネラルが不足することによって血液の流れが低下し、低体温になってしまいます。
甘いものの食べ過ぎ
産後ダイエットを意識していても、甘いものが食べたくなることはあります。しかし、甘いものを食べ過ぎると低体温を招いてしまうことがわかっています。
甘いものは体を冷やしてしまう作用を持ちますので、食べ過ぎには注意しなければなりません。
冷たいものを一気に摂取する
夏場の暑い毎日や入浴後には、冷たい飲み物やアイスなどを摂取すると、とても気分がよくなります。
しかし、冷たいものは内臓を冷やし、腸の機能低下の原因になるため、一気に摂取してしまうと低体温を招きます。
日頃から冷たいものを口にするママは、低体温になる可能性が高いといえます。
旬ではないものを食べる
旬の野菜やフルーツは、その時体に良い働きをもたらしてくれます。その反面で旬ではない野菜や果物をたくさん食べていると、体にはデメリットとなってしまう場合があります。
例えば、夏が旬だといわれている野菜などは体を冷やす作用を持っていますので、こういったものを冬場や低血圧の状態にたくさん食べてしまうと、さらに低血圧がひどくなります。
環境による原因
低血圧の原因は、食べ物ばかりではなく環境によるものからも考えられます。
運動不足
運動不足の状態は血液の流れを低下させるだけでなく、健康的な生活に必要なホルモンの分泌を妨げてしまうことがあります。
ほとんど体を動かさないまま産後の生活を送っているママの場合、運動不足が原因となり低体温を招いてしまいます。
体温調節が鈍っている
人間の体は体内でしっかりと体温調節をおこなっています。しかし、ストレスやさまざまな原因から体温調節をするための機能が鈍ってしまうと、必要な体温までしっかりと上げることができなくなり低体温を招いてしまうのです。
近年では、快適な室温に維持してくれる多くの電化製品が販売されていますが、こうした電化製品を多用してしまうと、体温調節機能が鈍ってしまうこともあります。
自律神経の乱れ
ストレスや寝不足などによって自律神経が乱れると、血液の流れが悪くなり、低体温になります。
自律神経とは目に見えるものではなく体内で機能しているので、気付かないうちに自律神経のバランスが乱れてしまうこともあります。
特に産後のママは、ホルモンバランスなども大きく変化するため、このような部分から影響を受け、自律神経にも乱れが生じ低体温になることもあります。
ひどい便秘
便秘を繰り返してしまうママは、その状態に慣れてしまうこともあります。特に強い腹痛を感じるといった症状がなければ、数日間放置していてもその内に便意が起きるだろうといった感覚で過ごしてしまいます。
しかし、便秘とは体内の老廃物を体の中に溜め込んでいるので、当然ながら血液の流れの妨げになります。便秘が原因となり産後の低体温に悩むママは少なくありません。
腸の働きを活発にしていくためにも便秘の改善に取り組んでいく必要があります。
産後の低体温はいつまで続くの?
低体温の症状は人それぞれ違いはありますが、いくつもの症状が一度に出てきてしまえば非常につらくなりますので、できるだけ早く治したいものです。
低体温がいつまで続くのかは明言できるものではありません。しかし、さまざまな原因を考えた上で改善に取り組んでいくというのが一番の方法になります。
しっかりと生活リズムを整えながら健康的な生活、そして規則正しい生活を送ることで低体温が続く期間を短くすることが可能です。
産後の低体温が及ぼす影響
産後に低体温が続いてしまうと、さまざまな症状が出てしまいつらくなりますが、ママの体にも非常に多くのダメージがあります。
低体温を軽視するのではなく、対策に取り組んでいく必要があるのは大きなデメリットがあるからなのです。
免疫力の低下
体温が一度下がるごとに、体内の免疫力が大幅に低下します。そのため、低体温が続けば続くほどに免疫力の低下した状態が続きます。
免疫力が低下するとその分、ウイルス感染などを引き起こしやすくなります。
ですので、ママが病気にかかれば赤ちゃんにも感染してしまうリスクや、ママが体調不良から入院をしてしまうと赤ちゃんの世話をする人がいなくなり、非常に困った状態となってしまいます。
美容面のトラブル
低体温は美容に関するトラブルも招くことがわかっています。ニキビができたり髪の毛にツヤがなくなり、不健康な状態になることもあります。
さらには、肌の皮脂バランスなども崩れてしまい、ひどい乾燥状態から肌が粉を吹いた状態になることもあります。
ママの肌から剥がれ落ちた古い角質などを赤ちゃんが吸い込んでしまうリスクもあります。
また吸い込んでしまったことでそれがアレルゲンとなり、アレルギー症状が引き起こされることもあります。
このように産後の低体温が続くとママの体だけではなく、赤ちゃんにもデメリットが生じることになるのです。
産後の低体温を治すには?
産後の低体温を治していくために、心がけたほうが良いことはどんなことでしょう。
座りっぱなしを避ける
長時間にわたって座りっぱなしの状態は避けます。赤ちゃんのお世話をする中で座ったままの姿勢が続いてしまうと、血流が滞ってしまい低体温を招きます。
そのため、適度に姿勢を変えたり、少々面倒だと思っても、大げさなくらい体を動かしながら立ち上がって移動します。
これだけでも体内の血流が変わり低体温の改善につながっていきます。
お風呂でマッサージ
お風呂に入った時に、ふくらはぎを中心に簡単なマッサージするのが効果的です。足首からふくらはぎ、そして太ももに向けて手のひらを滑らせるようにマッサージをしましょう。
また、肩や脇の下のリンパなどのつまりを改善していくために、弱い力で揉んだり肩をトントン叩くマッサージを取り入れると良いです。
冷暖房の使いすぎを避ける
体温調節をしっかりおこなっていくために、冷暖房の使いすぎは避けましょう。特に低い温度に設定した冷房や、極端な乾燥を招き、呼吸にも悪影響を与えてしまうほどの高い温度の暖房などは良くありません。
電気代の節約をするためにも、冷房ならば28度の設定、暖房ならば25度から26度の設定で快適な環境を維持することが大切です。
冬場にはコタツを使用するママもいますが、コタツで眠ってしまわないように気をつけましょう。また、電気毛布を使って眠るのも体温調節機能を低下させますので控えましょう。
できるだけ夜は早く眠る
産後は赤ちゃんのお世話をしながらの生活なので、睡眠時間も不規則になってしまいます。しかし、そういった生活の中でもできるだけ夜は早く眠り、朝は早く起きるように心がけましょう。
産後3ヶ月から4ヶ月が経過する頃には、赤ちゃんも夜はぐっすりと眠ってくれるようになります。その際、ママは夜遅い時間までテレビを見てしまうようなことを避け、しっかりと眠ることによって低体温の予防や改善につながります。
産後の低体温は心がけ次第で避けられる
産後の低体温は心がけ次第で避けることができます。万が一、産後に低体温を招いてしまった場合には、改善方法を即座に取り入れながら、できるだけ早い段階で低体温から抜け出しましょう。
低体温が続けば続くほどデメリットは大きくなり、不快な症状が続き毎日が辛くなってしまいます。
日頃から気を使っていくことで、ひどい低体温を招くこともなく健康的な日々を送ることができるのです。