妊娠初期は感染症に注意!ペットも危険?感染経路と予防法

妊娠初期は感染症に注意!ペットも危険?感染経路と予防法




妊娠中は体のことに対してすごく敏感になります。特に最近では、感染症による赤ちゃんへのリスクについて、メディアでも取り上げられることが多くなってきました。

確かに、母体が病気に感染することで、お腹の赤ちゃんへの影響は大きくなります。中には脳や体を変形させるだけでなく、障害や後遺症が残るケースもあります。

最悪の場合には、赤ちゃんが死産する可能性がある症例も・・・。

妊娠初期は特に体調も思わしくなく、些細なことでストレスに感じるようになります。その上、赤ちゃんをおなかの中で育てていることで、妊婦さんの体は妊娠前と比べて、抵抗力も弱まり体力も落ちています。

妊娠前は健康体そのものであっても、風邪をひきやすくなったり色々な病気に感染しやすい体の状態にあるのです。

そこで今回は、

・妊娠初期に予防接種をうけても大丈夫?
・気を付けたい感染症の種類を教えてほしい!
・ペットを飼っていると感染症になりやすいの?

といった方に、妊娠初期に気を付けないといけない感染症の種類と、感染症の予防、日常生活で気をつけるべき行動などについて詳しくご紹介します。

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妊娠初期は感染しやすい?

妊娠初期は感染しやすい

妊娠初期は特に免疫力が低下し、またホルモンバランスも妊娠によって変化し始めるため、大変感染症にかかりやすい状態にあります。

感染症にかかると、母体となるママが健康を損なうだけではなく、赤ちゃんにもその影響が出る「母子感染」を招く恐れがあります。胎児が感染すると、生まれた後に後遺症が残ることもあります。

感染症には種類がある

感染症は、ウイルス・細菌などの病原体が原因で発症する病気のことをいいます。ウイルス・細菌が、へその緒を通して妊婦さんから赤ちゃんへと移行して感染するのが「母子感染」です。

そして、母子感染の感染経路では、どのタイミングでうつるのかによってパターンが分かれます。

・妊娠中にうつる場合:胎内感染
・分娩時にうつる場合:産道感染
・授乳中にうつる場合:母乳感染

それぞれの感染症の種類によって、その感染経路は異なります。ですが、赤ちゃんへの影響が流産や早産などの生命にかかわるものも多いため、早期発見と治療、そして何より予防することが重要となります。

感染症の種類と予防

感染症の種類と予防

感染症の中でも、一度は名前を聞いたことのある病気をご紹介します。妊婦さんがこの病気に感染すると赤ちゃんに影響が出るので、くれぐれも注意しましょう。

水疱瘡(みずぼうそう)

子供がかかりやすい病気として有名な水疱瘡は「水痘・帯状疱疹ウイルス」に感染することで起こります。

別名を「水痘」と呼び、感染後は約2週間の潜伏期間を経て、全身に痒みを伴う赤い発疹が広がり水疱に変わります。

子供だけでなく、ごくまれではありますが大人になってからかかる方もいます。妊婦さんで水疱瘡を発症した場合には、免疫力が低下していることから重症化しやすいため注意が必要です。

しかも、合併症として水痘肺炎を引き起こす可能性もあり、場合によっては死亡する危険性もあります。胎児にも胎盤(へその緒)を通して感染します。

低出生体重や白内障などの障害が出る以外にも、妊娠初期には流産、後期には早産の可能性が高まります。

水疱瘡の感染経路と予防

水痘や帯状疱疹のウイルスは感染力が非常に強いのが特徴です。空気感染・飛沫感染・接触感染などあらゆる感染経路によって広がります。

また潜伏期間が長いため、感染していることを知らぬ間に保菌者になっている場合があるので、妊娠初期には特に感染の疑いがある人との接触は避けるのがベストです。

子供の多い場所へ出向くのも感染する可能性が高まります。

水痘は予防接種によってかかりにくくすることは可能です。水疱瘡を子供の頃に終えていなければ、妊娠前に予防接種を受けておくと安心です。

感染した際には、重症化を抑える目的で抗ウイルス薬を投与される場合があります。

風疹ウイルス

風疹ウイルスに感染すると、発疹・発熱・リンパ節の腫れ・関節痛などが症状としてあらわれます。風疹は「三日ばしか」とも呼ばれますが、症状があまり重くない場合がほとんどです。

しかし、妊婦さんが風疹に感染した場合には、赤ちゃんに先天性心疾患や視覚障害、聴覚障害、発達遅延の発症の恐れが出てきます。

器官が形成される妊娠初期に感染した場合は、危険が伴いますので注意しなくてはいけません。

風疹ウイルスの感染経路と予防

風疹はワクチンでの予防接種によって防ぐことが可能です。現在では感染予防として一般的に摂取するワクチンとして知られています。

しかし、ひと昔前は集団接種は行われておらず、抗体を持っていない方も多いため、大人になってかかる可能性は十分に考えられます。

妊娠中はこのワクチンを接種できませんので、妊娠を考えた段階で風疹が終わっていなければ、ワクチンを摂取しておきましょう。

そして、同居している家族が抗体を持っているのかも調べましょう。もし抗体がなければ、一緒に予防接種を受けることも必要です。

風疹は飛沫感染ですので、もし予防接種が受けられないのであれば、人混みは避けましょう。

麻しん(麻疹)

麻しんは「はしか」と呼ばれる感染症です。風邪のような症状の後に発疹があらわれます。感染力が非常に強く、感染者が近くにいるとほぼ100%感染します。

妊娠中に麻しんに感染すると、流産や早産を引き起こすリスクが非常に高いです。

麻しんの感染経路と予防

麻しんはワクチンの接種が進んだため、現在の感染は非常に少ないです。ただし、生ワクチンのため妊娠中には予防接種が受けられず、抗体がない場合は早めに予防接種を受ける必要があります。

発症した場合の特別な治療法はなく、対症療法を行います。お産の直前に発症した場合は、赤ちゃんへの感染を防ぐため、子宮収縮抑制剤などを使用して、お産を発症から一週間程度遅らせる場合があります。

リステリア菌

リステリア菌とは食中毒を引き起こす細菌です。塩分濃度の高い環境だけでなく、寒い中でも生息できるため、冷蔵庫内でも繁殖します。

ナチュラルチーズや生ハム、スモークサーモン、パテなど非加熱な食品が感染源となります。

リステリア菌に感染すると発熱や頭痛、頭痛、悪寒、嘔吐、倦怠感、筋肉痛、吐き気、下痢などインフルエンザに似た症状を引き起こします。

妊婦さんは抵抗力が低下しているため、ごく少量のリステリア菌でも発症してしまいます。敗血症や髄膜炎など症状が重くなると、最悪の場合死に至ります。

お腹の赤ちゃんへの影響では、胎盤を通しての感染で、流産や早産、死産の原因になることがあるため注意が必要です。

リステリア菌の感染経路と予防

リステリア菌に感染した場合は、ペニシリンやアンピシリンなどの抗生物質を早急に投与することで、母子ともに感染を防ぐことができます。

リステリア菌は熱に弱いので、生の食品は流水でよく洗い流し、十分に加熱してから食べるようにすることで防ぐことが可能です。

トキソプラズマ症

トキソプラズマは幅3µm、長さ5-7µm、半円~三日月の形をした原虫が寄生する病気です。胎児に感染すると流産や死産の原因にとなるだけでなく、胎児の脳や目に障害を起こす可能性があります。

自覚症状がない場合が大半となり、健康な場合は自然に治癒して症状に対しての抗体が作られます。

関連記事>>ペット、食肉、園芸、砂場が危険?妊娠中は要注意トキソプラズマ症とは?

トキソプラズマ症の感染経路と予防

トキソプラズマは加熱が不十分な肉類を食べたり、猫の排便やその便に汚染された土に触れることで感染します。

ですので、妊娠中は動物との接触を控えたり、ガーデニングなどの土をいじる作業は避けるようにしましょう。

検査によって感染が発覚した場合は、出産時まで薬を飲み続け、胎盤から胎児に移行するリスクを減らすことが可能です。

日常に潜む感染症の危険

日常に潜む感染症の危険

今ご紹介した感染症は一例で、他の感染源を通してうつる感染症はたくさんあります。妊娠中、一番気をつけなければいけないことは、普段何気なく生活している中での感染です。

ウイルス性の感染であれば病原がはっきりしているため、ワクチンなどの予防接種を行っていれば感染の確率が低くなります。

しかし、トキソプラズマやリステリア菌のような感染症では日常的に、何気なく行っている食事や作業などから感染するために、感染していることに気がつかない方も多いです。

赤ちゃんは母体を通してしか栄養を取れないので、ママとのへその緒が唯一の命綱ともいえます。母体に受ける影響が赤ちゃんへの影響となることをよく理解しておきましょう。

ペットを飼っている家は要注意、動物からの感染

動物を飼っている家の子供は免疫や抵抗力が強いという話を聞きます。動物を飼っていることで動物に対する抗体がつき、アレルギーになりにくいことはあるかもしれません。

しかし、胎児としてママのお腹の中にいる赤ちゃんには、衛生環境は重要となってきます。

感染症を引き起こすトキソプラズマという寄生虫は、ヒト・ブタ・ヒツジ・ヤギ・ネズミ・ニワトリなど、200種以上の哺乳類や鳥類に寄生しています。

ですが、終宿主としているのはネコ科の動物だけで、ネコ科以外の動物は中間宿主となります。ヒトも中間宿主であるため、人から人への感染はありません。

健康な妊婦さんであれば感染しても症状があらわれない場合もあり、母体に大きな影響はありません。しかし、免疫が低下していたり体力が落ちていたりすることで感染する可能性もあります。

自覚症状がないために、気がつくまでに時間を要し、赤ちゃんに障害が出てしまうということも多くあります。

昨今の猫ブームによって、自宅で猫を飼っている妊婦さんも多いでしょうが、トキソプラズマは、猫の排便やその便に汚染されたトイレ砂が感染経路となるため、猫の世話や掃除は妊娠期間中は他の方にお願いする方がベストです。

ペットであれば、猫の他に犬を飼っている方が多いかと思いますが、犬からの感染は基本的にはないと考えて問題ありません。しかし、感染がないからといっても節度を保つことが大切です。

日常的に愛犬に口を舐められたり、口移しで食べ物をあげたりしている方は、ペットから何かしらの感染を受ける可能性があります。

あまり神経質になる必要はありませんが、日頃の生活で心当たりがある方は、自分が抗体を持っているかどうか、産婦人科で早めに血液検査をしておくと安心でしょう。

どんなに大好きなペットでも、赤ちゃんの健康を害する危険性がある場合には、妊娠期間中は人に預けるなどの対処も必要です。

トキソプラズマの感染はペット以外にも

ペットからの感染以外で、多くの報告を受けているのが食事からの感染です。特に十分に加熱されていない肉からの感染が多く、ユッケやレアのステーキ、生ハムなど、生食で食べる肉食品には特に注意が必要です。

家ではしっかり加熱処理できますが、外食先ではお肉がレアだったということもあるので注意しましょう。

トキソプラズマ検査について

トキソプラズマに感染する人の数は、世界規模で見ると人口の約3分の1といわれていて、欧米諸国においては妊婦健診の必須項目になっている国もあります。

日本では、この検査は任意で受けれますが、任意のため自費検査です。検査内容は血液検査なので、費用自体は1000円前後ですが、検査自体を行っている産婦人科は、全国的に見るとおよそ半数ほどです。

トキソプラズマ検査は、妊娠初期に行われることが一般的で、これから妊娠を希望する人も検査を受ければ、自分が抗体を持っているかどうかを事前に把握できます。

この検査を受けて、妊娠前にトキソプラズマに感染していると判明すれば、その時期からおよそ3~6ヶ月ほどは妊娠を控えましょう。

諸外国のように、今後必須検査項目となるかはわかりませんが、食生活の欧米化に伴って、食事からトキソプラズマに感染した方の事例などを新聞で目にすることもあり、世間的には警鐘している傾向にあります。

医師の中でも検査の必要性を訴えている人も少なくないため、気になる場合は、かかりつけの産婦人科で相談するのが良いでしょう。

トキソプラズマに感染した場合の治療方法

妊娠初期の段階で、トキソプラズマに感染していることがわかった場合、その治療方法には、「アセチルスピラマイシン」という抗生物質を早期の段階から服用して寄生虫を死滅させます。

感染の疑いがある場合でも、確定する前から服用を開始することもあります。現在では特効薬として、この薬を分娩まで服用することで、お腹の中の赤ちゃんへの影響を抑えることができます。

妊娠中の薬の服用は、基本的には気を付けないといけませんが、この薬については胎児への危険性はありません。

この薬で治療することで、胎児に感染してしまった場合、重症の先天性トキソプラズマ症が発生する確率が、約2分の1~7分の1まで減少するとされています。

感染症は早期発見・予防が重要

感染症は早期発見・予防が重要

母体が感染症にかかっているとわかった場合には、その時点ですぐに治療をすることが胎児への影響を大きく左右します。

特に妊娠初期は、赤ちゃんの脳や体を形成する重要な期間なので、この期間に感染が疑われる場合には早めの受診と対応が必要です。

まずは、感染しないために予防し、それでも感染してしまった場合には早期治療を行うことで、防ぐことができる症状もあります。

感染症は何気ない日常生活の中に潜んでいます。いつものことが、妊娠中には大きなトラブルとなる可能性があることを忘れずに、予防を意識するように心がけましょう。

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