妊娠中のママの関心事の1つである胎教。お腹の中におる赤ちゃんに声をかけてあげたり、モーツァルトなどの音楽を聞くと胎教に良いというのはよく聞く話です。
あるアンケート調査では約7割近いママが胎教を行ったと回答しており、胎教を実践するママは多いことがわかっています。
胎教の捉え方は個人によって様々で、中には賢い子に育つことを期待し早期教育として、バイリンガルテープを聴くママもいるようです。
しかし、胎教で天才児ができたというデータは今のところ存在せず、科学的根拠に乏しいのが現状です。
その後の育つ環境や、受ける教育内容にバラつきがあるため、胎教をしたから賢くなったのか判断するのが難しいからです。
そう考えると、胎教をする意味とは何なのでしょう。賢い子に育てることと胎教は関係ないのでしょうか?
そこで今回は、
・胎教にはどんな効果があるのか知りたい
・胎教教室ってどんなことをするの?
・胎教教室はいつから通えるの?
といった方に、胎教の効果と、胎教教室について詳しくご紹介していきます。
この記事の目次
胎教がもたらす効果
胎教で得られる具体的な効果は、ママの精神的なリラックスや落ち着きといわれています。それだけ?と思うかもしれませんが、これがとても重要なことなのです。
妊娠中、特に妊娠初期はホルモンバランスが妊娠前とだいぶ変化してしまっているため、普段なら気にもならないようなことでママはイライラすることが多くなります。
更に、新しい家族を迎える未来に対して不安や悩みを覚えてしまう場合もあるようです。イライラしてしまうなどのストレスはママだけでなく赤ちゃんの胎内環境にも良くありません。
胎教をしてママがリラックスすることで、赤ちゃんにも良い影響を与えることができるわけです。
胎教をすることで、お腹の赤ちゃんとコミュニケーションを楽しみゆったりとすごすことができるため、母親としての自覚が深まるともいわれています。
胎教で「賢い子」になるの?
科学的根拠がないのは事実ですが、胎教でお腹にいる赤ちゃんの脳を刺激することで、
・好奇心が旺盛
・夜泣きが少ない
・人見知りが少ないなど
人から愛される子供に育ちやすい傾向があるという専門家の意見もあります。
その理由として、妊娠中にママがストレスを長く感じてしまっていると「カテコールアミン」というストレスホルモンが分泌されてしまうことが原因に考えられています。
少しならばまだしも、長期間にわたり、このホルモンを赤ちゃんが胎内で浴び続けると、生まれた時に情緒に障害を抱えてしまったり、夜泣きなどの症状が出るといわれています。
つまり、胎教でいう「賢い子」は勉強のできる頭の良い子というだけでなく、育てやすい子という意味も含んでいるといえます。
胎教は、そうした悪影響を避けることに繋がるため、胎教をしていなかった子に比べると情緒が安定している子になりやすい傾向にあります。
胎教教室のプログラムって?
胎教教室は、ほぼ同義語として、家庭保育園、胎教スクールなどと呼ばれていますが、ここでは、胎教教室で統一してご紹介します。
胎教教室では、一般的に家庭で行われているコミュニケーションを取る方法や音楽を聞かせる等の他にも、さまざまなプログラムが用意されています。それぞれみていきましょう。
エクササイズ
マタニティヨガなどを取り入れながら、お母さんの精神安定とともに胎児の発育を促すプログラムです。充実した意義のある妊娠期間を過ごせるよう、実際に体を動かす方法がもちいられています。
体を動かすことで、胎児は十分な酸素を取り入れることができ、脳機能もしっかり成長できるようになるといいます。そのための呼吸法の指導を行う教室もあります。
イメージトレーニング
元気に生まれてくる姿をイメージトレーニングする胎教です。これはお母さんが妊娠中に抱く不安感を取り除く効果が期待できるといわれています。
また、他にも妊娠月齢に合った絵本の読み聞かせや、フラッシュカードと呼ばれる絵の描いたカードでお母さんを通じて胎児にイメージを送り、胎児の脳内の発育を促すというプログラムも行われています。
音楽などの教材もあり、赤ちゃんとへの語り掛けと合わせてさまざまな胎教が行われています。
食育指導
妊娠中の食事は赤ちゃんの発育にとって大切なものです。安全で安心な食材の選び方から、食事の内容など、特に脳環境に大切な栄養素などを勉強する機会を設けているようです。
出産トレーニング
妊娠しているお母さんにとって一番不安感を抱いている出産をより軽く、楽しんでできるようトレーニングの機会が設けられています。
出産中、力み過ぎてしまうと胎児に新鮮な酸素が運ばれず、胎児も元気に生まれ出てくることがでこません。そのため、酸素を取り入れやすく胎児に優しい出産法のトレーニングが行われています。
胎教教室などに通う時期と頻度は?
一般の胎教教室は、妊娠5か月〜妊娠6か月の安定期に入っている方を対象に開かれています。
こうした教室では生まれた後の0歳児教室も行われていることが多く、胎教+幼児教育を前提にトータルで考えた教育プログラムが用意されていることも少なくありません。
母子一体型と言う考えを強く持っている教室なども数多くあり、通う頻度は出産までの月1回程度が目安となっており、トータルで4回から6回程度です。
教室によっては、産後すぐに行うことの出来るベビーマッサージを教えている所もあり、生まれてすぐの段階から赤ちゃんに刺激を与え、母と子のきずなを深めていけるよう指導しているケースもあります。
妊婦さんにとってみれば、同じ境遇の、しかも近所に住んでいる方と交流できることは、妊娠中に抱きがちな不安や心配事を話し合える良い機会でもあります。
胎教教室ばかりが妊婦さんの交流の場ではありませんが、同じ妊娠月齢の方が同じ教室に通うと言うのも大きなメリットです。そうした背景もあり近年では注目を集めています。
胎教教室の効果は期待できる?
胎教自体が、育てやすい子になりやすい傾向があるだけで、科学的には証明すらされていません。そのため、赤ちゃんへの影響は、あくまで「効果が期待できるかもしれない」となってしまいます。
それよりも、ママのストレス発散や、赤ちゃんとの絆を深めたり、ママ友作りや交流、子育てについて学ぶ教室といったニュアンスの方がしっくりくるかも知れません。
ですが、胎教はお腹にいる赤ちゃんの脳へ良い刺激になり、一部では育てやすい子になるほかに、理解力が高い子になる、右脳の発達した学習能力の高い子になるという専門家もいます。
特に音楽による胎教は、脳の活性化効果があるといわれていますが、一方では、ママが音楽を聴いても赤ちゃんには雑音程度にしか聞こえていないとのデータもあって、必ずしも音楽を聞いたから賢くなるとは繋がらないという意見もあります。
モーツァルトの曲を聞いたら、頭が良くなったというモーツァルト効果の話と似ているかもしれません。この話も、聴く人によって変わってくるとの結論に至っているようです。
クラシックを聴く以外の胎教に関しても同様で、先に述べたように科学的な根拠は今のところありませんので、過剰な期待は避け、あくまでも自分の意志で判断すると良いでしょう。
まとめ
胎教をしたママの体験を聞いてみると、胎教の効果があったという話は多くあります。
ですが、「胎教をしないと赤ちゃんにとって良くない」というわけではありません。胎教をして良かったとの意見がある裏で、しなくても問題はなかったとの意見もあります。
気を付けなくてはいけないのは、胎教を義務だと思わないことです。
ママがリラックスして妊娠中をゆったり楽しく過ごせることが一番ですから、あまり思いつめない姿勢が大切になってきます。
むしろ、そうしてリラックスして過ごすこと自体も、胎教となり得るのです。
しかし、胎教を行うことで、何かしらの効果があるのであれば、取り組んでみて損はないでしょう。しかし、過度な期待はせず、気軽にリラックスして行うようにしましょう。