妊娠中期は羊水量が重要!?羊水の役割と赤ちゃんとの関係

妊娠中期は羊水量が重要!?羊水の役割と赤ちゃんとの関係




妊婦さんの体の中で赤ちゃんを守っている羊水は、妊娠初期には卵膜や赤ちゃんの皮膚などの成分で構成されていますが、妊娠中期以降は赤ちゃんの尿で構成されるようになります。

また羊水は妊娠週数によって増えていくため、羊水量が赤ちゃんの健康のバロメーターとなっています。

しかし、妊娠中期にもかかわらず羊水の量が少ないことや、反対に多すぎるという症状があらわれることがあります。このような場合には赤ちゃんに異常があることが考えられます。

そこで今回は、

・羊水は何でできているの?
・羊水の役割が知りたい!
・妊娠中期に羊水量が異常だとどうなるの?

といった方に、羊水の役割や妊娠中期に羊水量が適切でない場合の「羊水過小症」と「羊水過多症」についてご紹介します。

羊水についてわかれば赤ちゃんの健康状態もわかりやすくなりますよ。

羊水とは

羊水とは

妊娠が成立すると、子宮内に卵膜という袋状の空間ができます。赤ちゃんはこの卵膜に包まれて育ちますが、卵膜内を満たしているのが「羊水」と呼ばれる水分です。

羊水の構成成分

羊水は弱アルカリ性で、99%の水分と電解質・アミノ酸・脂質・糖分などで構成されています。

妊娠初期の羊水は、赤ちゃんを包む卵膜の内側にある羊膜や、妊婦さんの血中水分や血漿(けっしょう)、そして赤ちゃんの皮膚から染み出してできていますが、妊娠中期には赤ちゃんの臓器(肺胞液や腎臓)が血漿に混ざってでき上がります。

妊娠中期以降は羊水の成分が赤ちゃんの尿で構成されます。

羊水の量

羊水の量は赤ちゃんが成長にするに従って変わります。妊娠週が進むにつれ一週間で約10mlのペースで増えていくのが一般的です。

妊娠5ヶ月頃からは赤ちゃんも卵膜も大きくなり、羊水の量も増えてきますが、妊娠週数が40週の臨月には羊水量は減少します。

妊娠週と羊水量の目安としては、

妊娠10週:約25ml
妊娠20週:約350ml
妊娠30〜35週:約800ml
妊娠40週:約500ml

となります。

羊水のにおいや色

妊娠初期の羊水は主な成分が妊婦さんの血液成分なので、水とあまり変わりないように見えます。

さらっとしていて透明か、赤ちゃんの分泌物が混ざっているときには黄色っぽい色をしていることもあります。においもありません。

妊娠中期以降は赤ちゃんが飲み込んだ羊水を尿として排出するため、乳白色をしています。

妊娠中に羊水を見ることはできませんが、臨月で破水したときには自分自身で目にする方もいます。

羊水にはどんな役割がある?

羊水にはどんな役割がある

羊水には赤ちゃんにとって大切な役割がたくさんあります。成長を促すだけでなく危険から身を守るための訓練の場所でもあるのです。

衝撃から赤ちゃんを守るクッション

羊水があることで、赤ちゃんは外側からの衝撃を受けずに済んでいます。妊婦さんが転んだりお腹がどこかにぶつかったりしても、羊水がクッションの役割を果たすため、その衝撃が直接伝わることはなくダメージを受けることもありません。

羊水は赤ちゃんを守る役目を果たしているのです。

羊水は赤ちゃんの運動場

赤ちゃんは、卵膜内に満たされた羊水空間を自由に泳ぎ回ることで、筋肉や骨格を発達させていきます。

羊水の中で運動することで体の機能を向上させているのです。羊水はさながら赤ちゃんの運動場なのです。

羊水を飲んで呼吸の練習

妊娠中期以降の羊水は赤ちゃんの尿で構成されています。これは赤ちゃんが羊水を飲んで尿として排出するからです。

尿といっても、老廃物は胎盤を通して母体へと送られるので、羊水内はきれいなままです。

羊水は肺や小腸から吸収され、血液に取り込まれた後、腎臓で再び吸収され尿となって出ていきます。

吸収と排出を繰り返し、循環しているので汚れることはありません。そして羊水を飲むことで、肺の機能を育てています。

羊水を肺に取り込むことは、生まれてからの肺呼吸の練習と準備につながっています。

お産の手助けをする

出産が近づくと卵膜が破れ、羊水が体外に漏れる破水が起こります。破水はお産のサインの一つともいわれます。

お産のときに羊水が子宮口を柔らかくして赤ちゃんが産道を通りやすくしてくれるのです。他にも、赤ちゃんが通った後の膣をきれいに洗い流してくれる役割もあります。

赤ちゃんの肌を守ってくれる

羊水には保湿成分であるヒアルロン酸が含まれています。そのため赤ちゃんの皮膚に潤いを与え乾燥しないように守ってくれています。

赤ちゃんを温めてくれる

羊水があることで、赤ちゃんは一定の体温を保つことができます。赤ちゃんの体温が母体温度や外気温に左右されないのは、羊水がその伝達を防いでくれているからです。

また、赤ちゃんが羊水で温められていることで、妊婦さんの体温も下がることなく過ごすことができます。

抗菌作用で病気の感染から赤ちゃんを守る

羊水にはリゾチーム、トランスフェリン、ラクトフェリンなどの抗菌物質が含まれているため、赤ちゃんを細菌からの感染から守ってくれています。

また、赤ちゃんの排出した尿には、トリプシンインヒビターという物質が含まれるため、羊水中での炎症を抑える働きもしています。

赤ちゃんを病気から守る免疫物質を含み、母体がウイルスや細菌に感染しても、赤ちゃんに感染が広がらないように阻止してくれているのです。

妊娠中期は羊水量が重要

妊娠中期は羊水量が重要

羊水は妊娠週数によって変化するため、羊水量は赤ちゃんの健康状態をはかるバロメーターでもあります。

妊娠中期以降は、羊水が赤ちゃんの尿で構成されるため、羊水量が多すぎたり少なすぎたりしないかをチェックすることで、赤ちゃんに異常がないかを確認することができます。

羊水量が適切でない場合には、赤ちゃんが羊水を飲んで尿として排出する仕組みのどこかに異常が発生しているのではないかと推測することができます。

羊水量の調べ方

羊水の量は超音波検査で調べます。一般的な検査方法は「羊水ポケット」と呼ばれる、赤ちゃんと子宮内壁の間の長さを垂直に測ることで調べる方法です。

子宮内を十字に分け、各子宮内壁から赤ちゃんまでの距離を測った後、その4箇所の距離を合計して測定する「羊水インデックス」という方法もあります。

妊婦健診では毎回羊水量が適切かどうか、こまめにチェックして、異常があればただちに対処できるようにしています。

妊娠中期の羊水過小症

妊娠中期の羊水過小症

羊水量が100mlを下回ると「羊水過小」と診断されます。さらに、妊娠週数と比較して、子宮やお腹が小さいなどの症状が認められる場合に「羊水過小症」といわれます。

正常な状態では、妊娠中期の妊娠20週でも約350mlの羊水があるはずなので、妊娠週数が進んでいるにもかかわらず羊水量が100mlを下回っているのは危険な状態です。

妊娠中期なのに羊水の量が少ないということは、赤ちゃんに異常が起こっている可能性が考えられます。

赤ちゃんが外部の刺激や細菌から守られなくなるだけでなく、成長にも支障が出ます。

また、羊水が果たしていたクッションの役目がなくなるので、胎盤が赤ちゃんと子宮の間に挟まれて圧迫され、血液循環が悪くなり成長に必要な酸素と栄養が届かなくなってしまいます。

そうなると胎児機能不全となり、健康状態に問題が出てきてしまいます。また、肺の機能が発達せず手足や関節が萎縮したり、変形するなどの危険性もあります。

他にも羊水が少ないことで赤ちゃんが羊膜と癒着してしまうなど、リスクが多くあります。

羊水過小症が起こる原因は?

羊水過小症が起こる原因は

それではなぜ、羊水が少なくなってしまうのでしょうか。その原因の多くは前期破水で、羊膜が破れて羊水が流れてしまっているケースです。

それ以外には、胎盤から赤ちゃんに酸素や栄養が届かなくなっているケースです。妊娠中期の羊水は赤ちゃんの尿でできているので、赤ちゃんが栄養不足な場合は尿の量が減少してしまいます。

また尿量が少ないことで循環機能が発達せず、腎臓機能が未熟なことで十分な尿が作れていない可能性も考えられます。

前期破水が起こっている

本陣痛の前に卵膜が破けて、中の羊水が流れ出てくることをいいます。

出産につながる本陣痛のサインとして起こる破水ではなく、分娩の準備が整う前に起きた破水なので、放置することで子宮内が細菌感染を起こす危険性があります。

妊娠中期に起こる羊水過少の原因の約3割を占めています。

母体に原因がある場合

妊娠高血圧症候群などの病気によって引き起こされているケースや、胎盤から赤ちゃんに酸素や栄養が届かなくなっているケースが考えられます。

赤ちゃんが栄養不足で尿が作り出せていない可能性があります。

赤ちゃんに原因がある場合

腎無形成や腎異形成などの、先天性疾患によって引き起こされている可能性が考えられます。

腎臓がないポッター症候群や、尿道までの間で閉塞があり、尿が出ていないことなどが原因になっているかもしれません。妊娠中期に起こる羊水過少の約半数は、赤ちゃんに原因がある場合が多いです。

薬による影響

妊婦さんが解熱剤や鎮痛剤を飲むことで、赤ちゃんに腎動脈に異常が起こり、尿量が減っている可能性が考えられます。

羊水過小症の治療方法は?

羊水過小症の治療方法は

妊婦さんに原因がある場合には母体の治療を行います。薬が原因であれば、影響のない薬へと変更することで解消されます。

しかし赤ちゃんに原因がある場合、もともと腎臓がないような場合もありますので、治療が難しいのが現状です。

治療が難しい場合、赤ちゃんの命を優先させるときには帝王切開などで予定日よりも早く娩出させることもあります。

赤ちゃんを母体外に出してしまい、直接治療やケアを行う方が良いという判断がされるケースも珍しくはありません。

妊娠中期の羊水過多症

妊娠中期の羊水過多症

羊水量が標準量より多いことを「羊水過多」といいます。羊水過多によってあらわれた症状を「羊水過多症」と呼びます。

羊水過多症の症状としては、羊水量が多いため子宮が急に大きくなり、お腹が張って苦しくなったり、横隔膜が圧迫されることで呼吸が苦しくなるなどの弊害が出ます。

中には横になって眠れなくなる方もいます。子宮によって膀胱が圧迫されるので頻尿になり、破水もしやすくなります。

破水は早産につながることもあり、羊水過多もあまり良い状態とはいえません。また、羊水量が多いと胎勢も安定しないので、赤ちゃんが逆子なることも多いです。

羊水過多症の原因は?

羊水過多症の原因は

妊娠中期からの羊水は赤ちゃんの尿なので、羊水量が多過ぎるということは尿として排出される量が多すぎるか、羊水を飲む量が少な過ぎる可能性が考えられます。

赤ちゃんが原因の場合

羊水過多症で赤ちゃんに原因があるケースは2つです。1つは赤ちゃんの尿量が増えているケースです。この場合、妊婦さんが糖尿病である可能性が挙げられます。

妊婦さんが糖尿病だと、赤ちゃんも高血糖になりやすく尿量が増えるのです。もう1つは赤ちゃんの尿を飲む量が少ないケースです。

この場合は食道が閉じていたり狭かったりすることが考えられます。他には染色体異常のケースもあります。

母体が原因の場合

赤ちゃんの尿量が増えているケースの原因でもありますが、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠など、妊婦さんが高血糖になる病気にかかっている可能性が挙げられます。

羊水過多症の治療方法は?

羊水過多症の治療方法は

羊水過多症の場合、いろいろな原因が考えられるものの、約6割が原因不明です。そのため、羊水過多との診断を受けると、まず原因を突き止めるために入院してさまざまな検査を行います。

原因が判明した場合には対処法や処置、治療などを行いますが、原因がわからない場合でも、羊水過多が原因で呼吸ができないなどの症状が悪化しているときには、お腹に注射針を刺して、羊水を抜きながら妊娠を継続させる方法をとります。

妊娠過多症には予防法などがないため、毎回の妊婦健診で早めに異常を発見することが重要です。

羊水トラブルは誰にでも起こる可能性がある

羊水トラブルは誰にでも起こる可能性がある

妊娠後、赤ちゃんは体が形成されたときから生まれるまでの間を羊水の中で過ごします。

赤ちゃんを守ってくれている羊水ですが、量が適切でないときには早産になる可能性があるなど危険な状態といえます。

しかも羊水量に起こる異常は原因がわからないことも多いため、どの妊婦さんにも羊水過小や羊水過多が起こる可能性はあります。

赤ちゃんの命にもかかわる羊水トラブルですが、その原因がわからないと不安なことも多いです。

赤ちゃんが成長するための子宮環境を整えてあげるには、何といっても妊婦さん自身が健康に気をつけて元気でいることが一番です。

毎日の食生活や睡眠不足が赤ちゃんにも影響するので、妊娠初期から気をつけましょう。また、妊娠すると運動不足になりがちですが、適度な運動は体力作りやストレス発散にもなります。

今後の育児のことも考えて少しずつ鍛えておくと出産後も楽です。また、病気や異常は妊婦健診時の早期発見が鍵となります。毎回の検診で不安なことなどをしっかり医師に相談しましょう。

赤ちゃんがお腹の中で少しずつ大きくなっていっても、その動きは羊水があるため妊娠初期の頃ではまだ伝わってきにくいですが、妊娠中期の18~20週頃からは胎動として感じられるようになっていきます。

このような赤ちゃんの成長を感じるのも妊娠期間中のたのしみの一つですね。

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