妊娠中期の保険指導に沿って過ごそう!安定期の生活の送り方

妊娠中期の保険指導に沿って過ごそう!安定期の生活の送り方



妊婦さんが受ける妊婦健診での保健指導では、妊娠期間や出産、子育てに関する知識や日常生活を送る上でのさまざまなアドバイスを受けることができます。

妊娠中期はつわりも治まるママが多く、体調も安定して過ごしやすい時期ですが、気を付けなければならないこともあります。

そこで今回は、
・妊婦さんの保健指導とはなに?
・保健指導の内容にはどんなものがあるの?

といった方に、つわりもおさまり食欲も出てくる安定期の妊娠中期に、どんなことに注意して生活すればいいのか、保健指導に沿って詳しくご説明します。

保健指導とは?

保健指導とは

妊婦さんが受ける妊婦健診には、毎回共通する基本的な項目として、「健康状態の把握」「検査計測」「保健指導」の3つがあります。

その中で、保健指導では妊娠期間に必要な食事や生活に関するアドバイス、妊娠中の不安や悩みの相談を行うことができます。

通常は、定期的に行う妊婦健診のあとや母親学級を利用し、保健師さんや助産師さんなどの保健指導者によって、個人または集団で行われます。

大きく分けると妊娠初期・中期・後期の指導があり、その内容も幅広く、

・定期健康診査の必要性
・妊娠届や母子手帳について
・妊娠、分娩、産褥、育児の基礎知識
・妊娠によってあらわれる症状と注意すべき症状、それらの対処法
・食生活の注意点
・母乳マッサージ

など、さまざまな説明やアドバイスを受けることができます。

また、家庭的・経済的問題などから個別の支援が必要な場合は、市区町村の保健師さんなどと協力して、適切な福祉のサービスが受けられるよう対応してくれます

特に初産婦さんにとっては、すべてが未知の世界です。
ちょっとしたことでも医師や助産婦さんなどに相談し、健やかなマタニティライフが送れるようにしましょう。

保健指導は、健康診査と同様に、母子保健法第10条に保健指導の実施および勧奨について規定されています。

妊娠中期とは?

妊娠中期とは

妊娠中期とは妊娠5ヶ月から7カ月のことを指しています。妊娠中期は安定期ともいわれており、妊娠期の中で一番心身ともに安定している時期とされています。

妊娠中期の状態とは?

妊娠中期になると赤ちゃんの成長とともに、ママも妊婦さんらしい体型に変化していきます。この時期からはマタニティウェアを着用するママも増えます。

また、乳腺も発達して、乳房が少しずつふくらんでいくのもこの時期です。

妊娠中期からは胎動を感じることもできます。
胎動を感じることにより、赤ちゃんが元気に育っていることが確認でき、妊娠したことを実感できるようになるでしょう。

胎児の聴覚機能も妊娠中期ごろにはほぼ完成し、外界の音に反応を示します。
このように妊娠中期には、母子ともに大きな変化が生じるのです。

また、妊娠中期はこれまでに比べると流産のリスクが低くなります。
そのため、体を動かすことができる時期であり運動もできます。

医師の許可のもとマタニティヨガやマタニティエアロビクスなどで体を動かすのもおススメです。ストレス解消や体重管理、出産に向けた体力づくりのために軽い運動を取り入れてみましょう。

妊娠中期にあらわれやすい主な症状は?

妊娠中期は、つわりが治まることが多く、過ごしやすくなる反面、食欲が増進して急激に体重が増加したり、貧血などになりやすい時期で、食生活の見直しが必要です。

妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を発症するリスクがたかくなるため、急激な体重増加は危険なのです。

さらに、妊娠中期はお腹がどんどん大きくなってくるので、歩くときや立っているときはお腹を前にせり出すようになります。

その結果、腰や足に負担がかかりやすくなり、腰痛などに悩まされるママも多くなります。
腰痛がひどい場合には医師に相談しましょう。

また、急激に乳房が大きくなるのも妊娠中期です。
妊娠初期ではなんとなく張っている程度ですが、妊娠中期になれば今までよりも少し大きくなったと感じます。

そのため、下着もマタニティ用を着用するのが望ましくなります。

妊娠中期になるとママも赤ちゃんも大きく変化していくので、変化に応じた対処が必要です。
ママが受ける保健指導に沿って、ママと赤ちゃんに負担にならないような生活を心がけましょう。

妊娠中期の特に大切な保健指導

妊娠中期の食事における保険指導
ここからは保健指導に沿って、妊娠中期に特に大切な栄養素や服装、運動、母乳について詳しく解説します。

妊娠中期の食事は栄養バランスとカロリーに注意しましょう。

また、大きくなった子宮で胃が圧迫されますので、一気に多くの食事を摂ると吐き気や腹痛が起こることがあります。少しずつゆっくり食べるように心掛けてください。

妊娠中期は食欲が出てくるというママも多いですが、闇雲に食事をするのはやめましょう
バランスの取れた食事を摂ることで、母子ともに健康に生活ができます。

また、妊娠中期は便秘に悩まされるママも多いので、海藻類やイモ類などの水溶性食物繊維を多く含む食品や腸内環境を整える乳製品や発酵食品を多く摂るようにしましょう。

さらに、妊娠すると妊娠中期に限らず貧血になりやすいので、食事で鉄分を摂取して対策をしましょう。

妊娠中期は食欲も出てくるため、赤ちゃんの分も食事をとらなければと量を増やすママがいますが、食事の量を増やすのではなく、栄養のバランスを考えて摂取して、三食しっかりと食事をすることが大切です。

妊娠中期に積極的に摂取してほしい栄養素はカルシウム、タンパク質、鉄分、葉酸などです。
もちろん、積極的に摂取してほしいですが、バランスも大切です。
それぞれの栄養素をバランスよく摂取するのがベストです。

カルシウム

カルシウムは骨をつくる栄養素として有名ですが、血液中にも含まれており、脳や心臓などの生命活動に必要不可欠な器官にも存在しています。

しかし、カルシウムは毎日300~600㎎も体の外に排出されます。血液中のカルシウムが不足すると、骨からカルシウムが溶け出してしまいます。

その結果、骨がもろくなって骨粗鬆症を発症することもあり、骨折しやすくなります。

もちろん、赤ちゃんにもカルシウムは必要です。
赤ちゃんの脳や心臓、血液を作るのにカルシウムが使われるのです。

そのため、妊娠中には積極的に摂取してほしい栄養素の一つと言えます。

タンパク質

タンパク質も大切な栄養素のひとつです。タンパク質には多様な種類のアミノ酸があります。

アミノ酸は身体をつくる成分であり、生命活動に必要です。

1日の目安摂取量は妊娠中期では60g、妊娠後期は75gとされています。
積極的にタンパク質も摂取しましょう。

鉄分

鉄分が不足すると貧血を引き起こします。貧血は動悸・息切れ・めまいなどを引き起こします。

また、貧血になると酸素を運搬する働きを持つヘモグロビンの量が減りますので、妊婦さんが貧血になると赤ちゃんに十分な酸素が届かなくなる可能性もあります。

レバーは鉄分を多く含む食材として有名ですが、お腹の赤ちゃんの奇形を引き起こすビタミンAも多く含まれていますので、過剰摂取には注意しましょう。
他の鉄分が多く含まれる食品である納豆やほうれん草、小松菜などから摂取するのがおすすめです。

葉酸

葉酸は正常なDNAの合成や細胞分裂をサポートする役割があります。
まさに小さな細胞から成長していく赤ちゃんに必要な栄養素です。

葉酸はほうれん草、菜の花、春菊などに多く含まれ、葉酸の1日の目安の摂取量は400㎍(マイクログラム)です。
しかし、過剰摂取は避けましょう。

1日に1㎎(ミリグラム)を超えるのは良くないとされています。
特にサプリメントで葉酸を補う場合は、用量を守ることが大切です。

妊娠中期の洋服

妊娠中期の洋服についての保険指導

妊娠中期は安定期とはいえ、何をしても良いというわけではありません。洋服選びはお腹をしめつけない楽な衣類と転ばないよう安定した靴を選ぶことが大切です。

妊娠中期になってくるとお腹も大きくなり、妊婦さんらしい体型となってきます。マタニティウェアを着るのもこの時期からです。

ゆったりとした服装で腹帯かコルセットを着用しましょう。腹帯・コルセットはママ、赤ちゃん双方の保護につながります。また、転んでは危険ですので、安定した靴を履きましょう。

また、乳房全体を締めすぎないためにも、妊婦用ブラジャーを使用するのがおすすめです。お腹の赤ちゃんのためにもできるだけ、負担がかからない服装を心掛けるようにしましょう。

妊娠中期の運動と休息

妊娠中期の運動と休息についての保険指導

妊娠中期は、安定期なので多少の運動ができます。ストレスの発散や体重管理、体力づくりにもつながるため、適度な運動を心掛けましょう。

当然ですが、激しい運動は禁止です。また、十分な休息も必要になります。運動をすることにより睡眠の質も上がるので、正常な生活を送るのに役立ちます。

妊婦体操

妊娠中期の運動として適しているのが妊婦体操です。

妊婦体操とは、妊娠中の体の不調の解消や出産に向けた体づくりを目的とした体操であり、骨盤・股関節・足などを動かして筋肉をほぐして筋肉を鍛えます。妊婦体操は安産につながるとも考えられています。

妊婦体操は自宅でも気軽にできるので、妊娠中期となり安定期に入ったら、妊婦体操をして体を動かしましょう。

妊婦体操の効果

気になる妊婦体操の効果ですが、筋肉がほぐれて、血行が良くなるばかりでなく、出産に必要な筋肉を鍛えることができます。

また、骨盤周りの筋肉を鍛えるので、安産にも効果があるとされています。他にも便秘、冷え性、むくみの解消にもつながるとされています。

妊婦体操の基本

妊娠体操は基本的に腹式呼吸で行います。

腹式呼吸は出産のときに行いますので、妊婦体操で腹式呼吸を身に着けておくことは出産のときにも役立ちます。

妊娠中期におすすめの妊婦体操

妊娠中期におすすめの妊婦体操は骨盤と背骨の運動です。腹筋を鍛えることにより出産時のいきみに備えることができます。

体操のやり方は以下の通りです。

1.よつんばいでおなかを引きしめ、息を吐きながら猫のように背中を丸め、頭を両手の間に入れるようにする。

2.息を吸ったあと、吐きながらゆっくりともとの姿勢に戻し、頭をあげながら背中をそらす

以上の運動を無理をしない範囲で3~5回繰り返しましょう。

母乳栄養について考えておこう

母乳栄養について考えておこう

妊娠中期になったら母乳についても考えてみましょう。
しかし、母乳は産後すぐにたっぷりと出てくるわけではありません。

ですから、母乳が出やすいように妊娠中からケアをするのは大切です。まずは妊娠中期ぐらいからは母乳栄養について学び、妊娠中からしっかりケアをしていきましょう。

母乳の利点

母乳にはママの免疫が豊富に含まれていますので、母乳を飲んでいる赤ちゃんは風邪などをひきにくくなるとされています。

また、何より授乳はママと赤ちゃんの最高のスキンシップになります。

赤ちゃんにとっていいことづくしですが、残念ながら欠点も存在します。

母乳栄養の欠点

母乳栄養の欠点としてはビタミンKが少なく、ビタミン欠乏症となる可能性があります。しかし、ほとんどの病院で生後1カ月目までは、ビタミンK2シロップを飲ませてくれるので安心できます。

また、母乳から感染症などが移行してしまう可能性もあります。母乳育児の場合にはこれらに関しても注意しなくてはいけません。

妊娠中期でもおっぱいマッサージはやっていいの?

おっぱいマッサージとは、母乳を出しやすくするためのマッサージです。おっぱいマッサージをすることで、おっぱいの中にある小葉という部分で作られる母乳を、乳管洞まで促すことができ、母乳が出やすくなるのです。

妊娠20週前後からおっぱいマッサージを始める目安になります。しかし、ママの状態や病院の考え方によって異なるので、医師や助産師とも相談して、おっぱいマッサージをしましょう。

また、妊娠初期におっぱいマッサージをするのは控えましょう
おっぱいマッサージをすると、オキシトシンというホルモンが分泌され、子宮収縮することがあり出血や流産しやすくなります。

当然ながら、妊娠中期でも切迫早産と診断されている場合などはおっぱいマッサージを控える必要があるます。

産前のおっぱいマッサージ方法

出産前にやっておくと効果がある、おっぱいマッサージの方法をいくつか紹介します。

1.乳輪と乳房の境目に親指・人差し指・中指の3本を当てます
2.乳頭をつまみます
3.乳首の付け根から軽く引っ張ります

以上のおっぱいマッサージを3回1セットとして、マッサージをしましょう。

1.両方のおっぱいを下から両手で支えます
2.おっぱいの脇に親指を添え、胸を体からはがすようなイメージで外側に引っ張ります
3.片方のおっぱいを両手で包み込み、円を描くように胸の形に添ってマッサージします

この流れを1セットとして、1日何セットか行いましょう。

おっぱいマッサージの注意点

おっぱいマッサージをするときに、お腹が張るときはすぐに中止しましょう。たとえ妊娠中期で安定期とはいえ、お腹が張るのはよくありません。

あまりに強い力でおっぱいマッサージをすると、乳腺を傷付けてしまうこともあります。程よい力加減でおっぱいマッサージをするようにしましょう。

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監修:成田 亜希子(医師)

プロフィール:弘前大学卒業後、内科医として地域医療に従事。その傍ら、保健所勤務経験もあり、国立保健医療科学院での研修も積む。感染症や医療行政にも精通している。プライベートでは二児の母。

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